「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO10

今回の豪雨災害で、9割が自宅で亡くなったという衝撃的なニュースが報道されました。(毎日新聞)「(亡くなった方の)発見場所は寝室や居間、台所などで、ほとんどが1階で水に飲み込まれたと見られる。」(同紙)これは、つまり「垂直避難」ができない避難行動の限界を表しているものです。場所によって、十数分で襲ってくる南海トラフ大災害ならばどうなるだろうと考えると絶望的です。とにかく「避難準備情報」が流れた時点で早い目に逃げるしかないのです。地震は突然襲ってくるので逃げる間もないでしょうが(だから耐震強化すること。)、水害は何日も前から雨が降り出し、気象情報を見ていると早い目の批判が可能になります。あらためて「自分の命は自分で守る。」という行動がとれるように誰もが自分の行動様式と向き合う必要があるのです。もう一つ衝撃的な事実が明確になりました。「土砂災害による広島県の死者68人が発見された場所の7割弱は、県が「警戒区域」に指定するなど指定していた場所だったことが分かった。」(朝日新聞、018・7・21)という事実です。
これも同じく、如何に自分の命は自分で守るのかが問われているのです。

さて、前号で「これからの課題は災害関連死」と書きました。残念ながら今回も福祉避難所が不足しています。まだまだ避難指示解除が出されていない危険な地域が少なくない現状では、「災害時要配慮者」がかなり取り残される可能性があるでしょう。取り残されると災害関連死を惹き起こす可能性が高くなります。熊本地震では指定避難所にもなってなかった熊本学園大学は、同学園内に避難所を儲け、一般の避難者と障害者や妊婦、子ども、言葉の通じない外国人などいわゆる「災害時要援護者」との共同避難所を運営したのです。今回も福祉避難所が足りないなら、早急に一般の避難所を整備し、共同避難所としての使用ができるようにする必要があるのです。              (村井雅清)

●広島に入っている頼政代表から昨日21日の活動レポートが送られてきましたので、以下に紹介します。

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坂町では、坂町たすけあいセンター(ボランティアセンター)との連携のもと、兵庫県立大学減災復興政策研究科とともに、避難所の環境改善に取り組んでいます。本日は、愛知医科大学の佐々木先生もお手伝いに駆けつけてくださいました。佐々木先生は、2015年の常総市水害の際も避難所の改善でご一緒しています。
今日は、ダンボールベットを集中して導入するということで、ボランティアさんとともに作業を行いました。ベットを運んだり、段差の解消などの整備をする中で様々な被災者の方にお話をお聞きしました。

「糸と針が欲しいの。服をもらうんだけど、サイズが大きくて少し手直しし たいんよね。昼間は時間はあるから自分でできるんだけど、材料があればねえ。兵庫から来られたの?遠くからありがとうね。ボランティアさんも暑いから倒れんように休み休み回ってね」(80代女性)

「洗濯を干す場所がないから、できたらそういう干し場があれば助かるんだけどね。洗濯機もあれば嬉しいけど・・・」(80代女性)

「私は嫁いできたから坂の生まれじゃないけど、旦那は生まれも育ちも小屋(小屋浦地区)。息子が下の家(町有住宅)におるからお風呂は入らせてもらっているからまだ他の人より楽をさせてもらいよるんじゃけどね。」(70代女性)

(間仕切りが完成して)「新築祝いじゃ。ありがとうね」(70代男性)

小屋浦地区では、断水が解消されたものの、避難所では洗濯機などがまだありません。設置してくれたらみんなで当番を決めて管理もやるよ、という声も出てきたそうです。避難所の環境整備は、一声かけるだけではみなさん遠慮されてお断りされることが多いですが、じっくりと話をしてみたり、実際に間仕切りやダンボールベットが入ってくると、徐々にみなさんの気持ちが出てくるように思います。

早急な環境改善が求められている避難所ですが、焦らずじっくりと住民の方とお話をしながら進めていく大切さを改めて感じた一日となりました。        (頼政良太)

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