「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO31

台風21号が日本に上陸し多くの被害が出ました。皆様が少しでも早く、普段の生活に戻れることをお祈りしています。
広島の朝は、6時30分ころ少しずつ雨が降りだしましたが、お昼には雨が止み、太陽が顔を出す1日となりました。
台風の影響が心配され今日はボランティアセンターはお休みになり、私たちは坂町小屋浦小学校の体育館に避難されている方々の様子を見に行きました。足湯にも参加されたことのあるNさんは、私たちが会いに行くと、元気に挨拶を返してくださいました。そして、「写真撮ってもいい?」「写真撮るの好きなのよ。」と、私たちを撮ってくださいました。Nさんはカメラが趣味で、以前写真教室に通い、広島県美術展にも出展され、いろいろな所へ出かけて写真を撮りに行っていたそうです。今回の水害で、カメラ・フィルムは流されましたが、フィルム一つと流された車の中にあったキャスターだけ残っていたそうです。

私がボランティアセンターから今朝戴いた、地元の風景が載っているカレンダーを渡すと、「いいショットや!」「こういう撮り方をするんだね。」と。その後で「また、写真撮ってみようかね~。」と、前向きな言葉を聞くことができ、うれしい気持ちでいっぱいになりました。
昨日役場から仮設住宅の鍵を受け取り、新しい自宅を見に行かれたNさん。新しい生活が始まりますが、不安もありながらも、またあらたな生きがいを見いだした様子でした。
(柚原里香)

<続:柚原里香さんのレポート4>
私が活動する中で、実際に現場に行って初めて感じたことがありました。足湯をしたり、一緒にお話をしているときに、「こんなことに困っているの。」と聞く機会があります。お話をする中で課題が見えてくることがあるのです。しかし、普段生活されている現状から想像したり、背景を考えながら課題を考えるということができていなかったように思ったのです。あるベテランボランティアさんが言われたのですが「いつもおじいちゃん、おばあちゃんは、車で坂を上り下りしていたと思うから、今回の被害で、歩いて移動することが多い状況になって、こけたり、転んだりされているじゃない。挨拶をかわして見かけるおじいちゃん、おばあちゃんたちの身体に転んだ痣があったり、手当をしていたりする姿を見かける。熱い中、わざわざ坂の上から降りてきて避難所まで弁当を取りに来ているっておかしくないか。取りに来させるんじゃなくて、運んだり、近くに取りに来られる場所を設置してもいいのではないか。すでに地域で亡くなられた方がおるんじゃ。」と。
この言葉を聞いたとき、自分は近くにいてもその方たちの気持ちが分からなかったこと、コミュニケーションでわかることもあるけれど、実際に目で見て、今までの生活を想像して、何に問題があるかを考えてみることがとっても大切なんだと思いました。また、自分が現場に入っていてもなかなか気づくことができなかったこと、想像力をもっと豊かにしなくてはと思い、ただただ悔しかった一日でした。

被災された方ではない方も、苦労や悩みを抱えているということも周りの方が教えてくださいました。今回被害が起きたことで、交通網がかなり遮断されています。そのため毎日交通渋滞です。出勤時間を何時間も早めて出勤され、何時間も渋滞にひっかかり遅めの帰宅になっていたりします。睡眠不足になったり、ストレスを抱えている人が多くなってきているのでないかということも聞きました。
そんな中、小学校の体育館、集会場や市民センターなどで足湯をさせて頂く機会も少なくありません。足湯をすると気持ちがほっこりするようで、私たちが行くと必ず来てくださる方、「きもちえ〜」という噂が広がり、口コミで広がり来てくださる方などもいました。足湯が終わった後に、東北の方々が作られた「まけないぞう」さんをプレゼンとすると、「ありがとう。」と涙を流される方もいらっしゃいました。東北の被災者のみなさんの気持ちが、こうして被災地へつながったのかなと思った瞬間でした。        (柚原里香)

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