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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第152報

<個庫茶屋メンバーの普段着の支え合い―4>
前号で、みんなが助かるにはどうすればいいのか?と投げかけた。昨年から続くコロナ禍において、菅義偉総理は「誰一人とり残さず、国民の命はまもる」と繰り返している。そして当NGOは26年前の阪神・淡路大震災後に発足したが、あの時から「一人ひとりに寄り添い」「最後の一人まで救う」と言い続けてきた。同じことを言っているように聞こえるけれども、何か違う?何が違うのだろうか?それは、私たちNGOはあくまでも暮らしの延長で考え、虫の目で見て行動している(鳥の目でも見て、考えているが。)菅義偉総理は組織のトップとして、トップダウンで上から見おろして発言している、この違いだろうと思う。個庫茶屋メンバーの活動は、メンバーの各々が虫の目で地域に暮らし、その延長として行われている。暮らしの延長とは、例えば5月に入ってオープンした「パン香房むぎ」では、地元で育てた麦から挽いた小麦粉を使っている。輸入物を使うのとは魂の入り方が違う。そうしたプロセスの中で、麦畑で麦踏みをしているSさんのお顔を浮かべ、早朝から仕込みをしてパンを焼くAさんの顔が浮かぶ。Aさんも、Sさんも被災者だ。というふうにいわゆる小さな地域における一人ひとりの個が尊重されて、そこに暮らしがあるということでしょう。普段着のこうしたつながりが、いざ災害に遭うと、率先して誰かが救援に走り出すと、地域のつながりが動き出す。だから、みんなが助かることにつながるのでは。前号で例として祭りのことを出した。祭りは、何日も前から準備し、そして本番を迎える。そのプロセスでは、地域の人間関係がどれほど大切かを感じつつ、祭りへの準備=暮らしをしている。ある地方に行って喫茶店に入ったとき、店主が「ここでは、祭りのために1年が回っているよな!」と常連さんと話しているのが耳に入ってきた。

さて、2018年の西日本や中部地方襲った水害では200名を超える尊いいのちを喪った。その原因は「避難して下さい!」「いのちを守る行動をとって下さい!」と叫び続けても、実際に避難行動をとった人は、全体の極わずかであることが明らかになっている。この現実を受けて、2018年の暮れに政府での関係者によるワーキング・グループがまとめたのは、「災害時における避難行動は、行政に頼らず住民主体で考え、行動するように」ということでした。同ワーキングのメンバーの一人片田敏孝教授は下記に紹介している発言をし、「限界」であることを認めている。こうした意見を踏まえてのことか、政府は「住民主体」であり、「自分のいのちは自分で守る」ことを強く望んでいる。しかし、とりわけ災害の度に人はひとりでは生きて行けないと実感しているので、自分だけでは守れないことは明らかで、だからこそ地域でみんなが助け合う知恵を生み出すことが大切だという事ではないか。(次に続く)(村井雅清)

(*片田敏孝;日本の防災が混迷を深めている。ハード対策にもソフト対策にも限界がある。災害対策基本法に則った行政主導の防災にも限界がある。予知・予測にも限界がある。科学で解明し技術で制御しようとするこれまでのわが国の防災に、明らかな限界があることは認めざるを得ない。それがここ最近の大規模災害を経て、やっと国民にも、行政にも、学界にも理解されはじめた。(中略)今、日本の防災に求められることは、自然は時には抗えないことを前提にした防災への回帰なのではないだろうか?  
片田敏孝(東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター(CIDIR)特任教授)「CIDIRニュースレター42号・2019・3・1より)

〈〈懲りずにお米を集めています!〉〉
 先日の被災地訪問でご縁があってあるお宅の法要に出席した時のこと。法要が終わってご住職がお話しされた中で、「もうすぐ1年になるのに、未だにお米はありませんか?と寺に訪ねて来られる被災者がおられます。まだまだなんですね・・・・」と。また、仮設住宅の見守りをされている方が、「この前戴いた2㎏入りの紙袋に入ったお米、こんな美味しいお米は食べたことがない!!」と絶賛して下さったとのこと。以前にもこの欄で書きましたが、お米を送って下さる方は、「美味しいお米を食べてくださいね」という願いを込めて、当センターに送って下さるので、こうして喜ばれることは、私たちも大変嬉しいことです。まだまだお米は集め続けたいと思いますのでよろしくお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
    口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
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