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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第114報

本支援レポートNO・113報を今年に入って1月13日に配信して以来、アッと言う間にもう2週間以上も空いてしまいました。ほんとうに申し訳ありません。言い訳になりますが、26年前に阪神・淡路大震災に遭ったこの地KOBEは、毎年1月17日が1年で最も緊張する日であり、今年は26年という節目の年でもあったことから、何かバタバタとしていて、やつと昨日あたりから少し余裕が出てきた次第なのです。またゆっくりと再開したいと思いますのでご理解ください。

 言い訳の上塗りになりますが、実は1月17日直前に当NGOと同居している「CODE海外災害援助市民センター」が震災26年オンライン討論会として、「ポスト、コロナに向けて、『いま』、1・17とどう向き合うか?」というテーマでの催しを企画し、去る2月1日に実施したことから、このテーマについての背景説明を私が冒頭で15分解説することになりこの間、この15分の為の地獄の日々が続いておりました。
 実はこのオンライン討論会に、本レポートでも何度も紹介させて頂いていますが、昨年7月に発生した「2020年7月豪雨災害」で大変な被害に遭った熊本県球磨郡球磨村渡(峯・島田)地区の区長大原伸司さんにも参加して頂きました。水害から7カ月が過ぎようとする被災地の現状を報告して頂いたのですが、その報告の中で気がかりな現実を報告されたのです。それはコロナの影響で発災当初からボランティアが少ないのですが、仮設住宅に入居されている被災者を訪問していても、以前のようにボランティアによる炊き出しやイベントがほとんどなく、とにかくひっそりとしていて、被災者の方たちがますます孤立感を深めているのではないかということでした。一応、現地の社会福祉協議会を事務局とした支援センターが整備され、見守り活動もされているのですが、充分に被災者とのつながりが満たされていないのではないかという懸念です。コロナ禍においても課題は、誰一人取り残さず孤立させてはならないと言うことですが、この豪雨災害の被災地においても全く同じことが言えます。

 「一人ひとりに寄り添い」「最後の一人まで」というのは26年前の阪神・淡路大震災で紡ぎ出したメッセージですが、やはり26年目にしての今回の豪雨災害でも同様であり、コロナ禍でのボランティア事情(支援の手薄)が加わり、ボディブローのようにジワジワ影響してくることが心配されます。コロナ禍でもどのように寄り添うのかが課題です。全国的にコロナの第3波をもろに受け、誰もが大変な生活を余儀なくされている中で恐縮ですが、被災地の方にも少し想いを寄せて下されば有難いです。よろしくお願い致します。                            
 なお、1月13日に放送されたABC朝日放送「キヤスト」(関西方面のみ)で放映された被災地での活動が、次のURLでYou 
Tubeでご覧になれますので、見て頂ければ幸いです。(村井雅清)
https://youtube.com/user/abcch6

〈〈まだお米を集めていますよ!〉〉
 昨年7月4日に豪雨災害が発生し、7カ月を迎えようとしています。有難いことに、今でも被災地にお米をと送って下さる方が途絶えません。ほんとうに心から感謝致します。本文でも触れていますように、長引くコロナ禍のために直接被災地に足を運んでの支援活動は叶わないですが、こうしてお米の寄付という形で「忘れていないですよ!」「見守っていますよ!」というメッセージを届けて下さっていることが、どれほど被災者を勇気づけているか、架け橋役をさせて頂いている私たちにはズシンと伝わっています。まだまだ続きますが、引き続きご支援を賜りますようにお願い致します。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
    口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
    ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO.0068556
 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第113報

前号112報で、「脱成長を根底に、経済再建と脱地球温暖化を両立させたグリーン・リカバリー(緑の復興)を基軸にした暮らしを取り戻すしかない」と言ったものの、おそらく「財源はどのようにやりくりするのか?」というご意見がおありでしょう。
 しかし、その応答について、私たち自身が答えを出さなければならないことでしょうか?私たちボランティアが巨額の財源をやりくりする方策を提案するのは、かなり難題です。そもそも「ボランタリー経済圏」といいましょうか、非営利の経済活動を担っているのはボランティアです。具体的には、グリーン・リカバリーを基軸にした球磨川の再生のための経済活動を支えることはできます。またボランティア一人ひとりが日々の暮らしの中で取り組むことが最も求められていることであり、その実践を広く世間に発信することで、一人でも多くの賛同者とつながるお手伝いをすることが役割でもあると思います。その成果はアソシエーション=人と人の連帯として現れるでしょう。ちなみにボランティアの起源はアソシエ―ションからという説もあります。つまり、冒頭の脱成長を根底に、グリーン・リカバリーを基軸にした暮らしを取り戻すことを以って、アソシエーションを築くことによって社会を変えることができるのです。ボランティアはアソシエーションを築く媒体となることが役割の1つです。球磨川の再生に伴って、流域住民が分断されるのではなく、連帯する媒体となることも可能でしょう。

 ただ、現コロナ下において、都市に緊急事態宣言が発令され、飲食店などが打撃を受けていることは深刻な課題です。この人たちが最低限でも生業を維持するためには、政府が発表した月6万円では立ち行かないのは明らかです。緊急事態宣言で自粛を要請するなら、補償とセットで援助をしなければ、やがて廃業者が増え、借金まみれになって、取り返しのつかない事態にもなりかねないでしょう。経済再建を掲げるなら、まず補償することが最優先課題です。
 緊急の課題としてやはり財源問題が課題です。宮内義彦オリックス元社長が昨年12月30日の朝日新聞で下記のように発言しています。
 ―企業はためこみ、お金は家計に行き渡らない。経済政策の失敗が証明されたんだから、変えて行かないといけません。
・財政は危機的ではない。私なんかにも10万円が配られるでしょうが税金でめしあげたらいい。
・コロナでわかったのは、もっと政府がカネをださんといかんということ。ちょっとだして家計に使わせようとか、せこいことせず、みんな静かにしろ、カネは不自由させない、とこれしかないんです。―と、

とにかく菅義偉総理は、一人ひとりにしっかりと響くメッセージを出し、迅速に行動することを通して信頼を取りもどすことでしょう。ないものねだりになりますが、ニュージーランドの女性首相ジャシンダ・ケイト・ローレル・アーダーンさんを見習って欲しいものです。                      (続く 村井雅清)

〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 みなし仮設住宅を含め、ぼちぼち仮設住宅に移行し、また家族や親戚のお家に避難されている方が増えてくる中で、お米は本当に喜ばれています。また直後は水、電気、ガスというライフラインが途絶され、不自由な在宅避難をされていた被災者もライフラインが復活し、在宅で調理をしたりされますのでお米は欠かせない食料になっています。
先日も被災者の方が、「今一番欲しい救援物資は何ですか?」と尋ねたら、「お米が一番嬉しい!」とおっしゃいました。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。引き続きご支援をお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・Yahooからも募金ができるようになりました!!
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5240003/
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 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第112報

昨年から新型コロナウィルス感染症第三派により厳しい状況に直面しています。経済活動を活性化することと感染症から命を守るということは、対立するものでもなく、まったく一体化したものであることが、どうも菅義偉政権には理解されていないと思います。つまり、コロナに感染し、陽性判定が出ればそのほとんどが大なり小なり隔離されます。その人たちは結局、ゼロではないですが経済活動にはほとんど参入できないのです。余裕をもって医療崩壊を招かない事態が安定して、再び経済活動をフル回転すればよいという、こんな簡単な理屈がどうして理解できないのか・・・・・、この国は大丈夫なのだろうかと心配するのは私だけではないでしょう。
 さて、あとわずかで迎える1月17日で阪神・淡路大震災から26年目を迎えます。26年前には、一日約2万人の被災者や被災住民が集まり「市民とNGOの『防災』国際フォーラム」を開催しました。そこで「神戸宣言 1995」を発表したことはすでに紹介して来ました。このフォーラム実行委員会が1998年に『市民がつくる復興計画』を刊行しました。その中に小学6年生の女子が書いた詩を載せています。それが以下の内容です。
 ―「きっと神様の罰があたったんや」「もう、モノはいらん。ぜいたくはいらん」
「水も、電気も、何もかも、ムダに使うとった」
 「消防も、警察もこうへん。いざというときは、やっぱり、ご近所さんや」
「これからは、自然をいじめんのやめとこ」―と。

私たちフォーラム関係者はじめ参加者は、この詩を受け止め、「敗戦から立ち上がるために、ひたすら生活の豊かさをめざし、さまざまなことがらを後回しにして、階段を上りつづけてきた。まだまだ豊かさを手にしていないとあせり、つぎつぎとモノを求め、他の人よりもよい生活があるはずだと押しのけ、競い合った。そして、あの日、私たちが見たものは、戦後50年の巨像ではなかったか。ユートピアがまぼろしであっても、あの短い日々に見たことは、これから私たちが求めていくべきものが何かを指し示してくれている。」と災後の羅針盤として心に刻みました。

 冒頭で書いたように、この1年間「Go 
To・・・・」に象徴されるように、菅義偉政権は的外れの経済対策しか為していません。こうしたコロナ禍にあって、先述したこの詩を思い出さざるを得ないのです。こうして26年前、すでに大量生産、大量消費、大量廃棄の経済活動を見直し、脱成長を示唆していたのです。温暖化による地球の危機をどう乗り越えるのかが、今を生きる私たちの最大の命題です。この26年を猛省しつつ、脱成長を根底に、経済再建と脱地球温暖化を両立させたグリーン・リカバリー(緑の復興)を基軸にした暮らしを取り戻すしかないと思うのです。 
                 (続く 村井雅清)

〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 みなし仮設住宅を含め、ぼちぼち仮設住宅に移行し、また家族や親戚のお家に避難されている方が増えてくる中で、お米は本当に喜ばれています。また直後は水、電気、ガスというライフラインが途絶され、不自由な在宅避難をされていた被災者もライフラインが復活し、在宅で調理をしたりされますのでお米は欠かせない食料になっています。
先日も被災者の方が、「今一番欲しい救援物資は何ですか?」と尋ねたら、「お米が一番嬉しい!」とおっしゃいました。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。引き続きご支援をお願いします。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第111報

水害から1月4日で半年が過ぎました。コロナ禍での複合災害となり、復旧活動は今もなお続いています。12月熊本でも寒さが厳しくなってきた頃、相良村にお邪魔しました。
相良村は、川辺川と球磨川の合流地点があり、その地点にある西村地区は21軒のうち19軒が被災し、相良村でも一番被害が大きかった地区になります。
 相良村でもボランティア不足により、泥出しをしただけの家屋が手付かずのまま残っています。区長さんに案内してもらうと、遠目では家屋がそのままあるので一見すると被害がなかったような田園風景が広がります。よくよく見ると家の中は空っぽで、田畑には土砂が入り、近くを走るくま川鉄道の駅舎川村駅は影も形もなくなっていました。
 駅の近隣は田畑が広がっているのですが、水害当時は一面まるで湖のように川から溢れ出た水が町を飲み込んだそうです。球磨川の水量が急激に増え、川辺川の水が球磨川に流れ込まずにバックウォーター現象を起こしたのです。住民の人たちもまさかここまで水が来るとは夢にも思わなかったそうです。

 ある住民さんのところへお邪魔しました。住民さんはこの寒さの中、被害にあった家屋の横のガレージに住んでいます。家は昭和57年の水害を受け、基礎をコンクリートブロック5つも重ね1m近くかさ上げし、これでもう大丈夫だと思っていたところ、今回の水害で床上まで被害に遭ってしまったのです。家には90代のお母さんが一人で暮らしていたのですが、息子さんが熊本の自宅から週6日は滞在し、お世話をしていたそうです。いまお母さんは福祉施設に入所しているのですが、息子さんは実家をどうしたらいいのか悩みながら、「慣れ親しんだ場所を離れたくない!」と実家の片隅にあるガレージで暮らしているのです。12月当時は最低気温8℃くらいだったそうですが、きっといまではもっと低くなっていると思います。お母さんも施設に入ってから動きが鈍くなってきたようで、自宅にいれば家の周りを散歩したり、身体もそれなりに動かせたようです。一人暮らしには大きすぎる自宅の再建に迷いも生じますが、実家を離れずにガレージに住み続けている息子さんの気持ちを思うと切なくなります。

 みなさんからお預かりしたお米をこの方と、この地区の区長さんに届けました。区長さんは毎週金曜日にはボランティアさんと一緒に野菜などを仮設住宅やみなし仮設に住む被災者の人にお届けしているそうです。そこで地域の人にもお米を届けてくれるそうです。区長さんは発災から休みなく被災された住民さんに寄り添い続けています。野菜などをお届けすると被災者の方から「生きる力がわいてくる」と言われ、「やめられないね」と照れ笑いを浮かべてくれました。
 新型コロナウィスル感染症が深刻化していますが、被災地では被災者の人たちが取り残されているのも深刻です。今年もできることをしたいきたいと思います。(増島 智子)

〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 みなし仮設住宅を含め、ぼちぼち仮設住宅に移行し、また家族や親戚のお家に避難されている方が増えてくる中で、お米は本当に喜ばれています。また直後は水、電気、ガスというライフラインが途絶され、不自由な在宅避難をされていた被災者もライフラインが復活し、在宅で調理をしたりされますのでお米は欠かせない食料になっています。
先日も被災者の方が、「今一番欲しい救援物資は何ですか?」と尋ねたら、「お米が一番嬉しい!」とおっしゃいました。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。引き続きご支援をお願いします。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第110報

前号で書きましたように、最前線で活動するボランティアが被災者の代弁をする(アドボカシー)という役割は大変重要な役割だと考えています。被災者主体で課題を解決するには
ボトムアップで順に上位の期間にあげて行くことが基本です。つまり、個人でできないことは家族で、家族でできないことは地域で、地域で出来ないことは市町村で、そして市・県→国→国連という風に解決の方策を確保するという構造は、地方分権の基本的な仕組みです。
 課題解決の過程で、被災者が政治参加を経て「声」をあげていくことが大切です。すでに述べて来ましたように1995年の神戸宣言の最後のメッセージは、被災者のみならず、支援者をも含めて多数の人に呼びかけたものです。(本支援ニュースNO,104号を参照)

 ところで、この地方分権の原理になったのが、1931年ローマ法王ピオ11世が発した社会回勅にあります。その部分を日本語に直訳すると、
 -個々の人間が自らの努力と創意によって成し遂げられることを、彼らから奪い取って共同体に委託することが許されないと同様に、より小さく、より下位の諸共同体が実施、遂行できることを、より大きい、より高次の社会に委譲するのは不正である。社会のあらゆる活動は、その動機と本性のゆえに社会の成員たちに補助を提供せねば成らず、彼らを破壊し、吸収するようなことは決してあってはならない。―というものです。
最初に地方分権の原理として取り上げたのは欧州共同体で、欧州地方自治憲章第4条に明文化され、同憲章の前文には「地方自治体が民主主義国家の本質的な基盤で、市民に身近な行政を提供する存在である。」と記されています。(池田清・下関市立大学、「創造都市と伝統~大災害からの都市復興を事例にーより引用)
先日逝去された新野幸次郎さんは、この地方分権のしくみを分かりやすく、次のように解説されました。
 ―自分たちで出来ることは、自分たちで成し遂げ、自分たちで出来ないことは、身近な行政(市・町・村)に補完して貰い、市・町・村ではできないことは、さらにより上位の行政(州とか連邦)に補完して貰うという体制。(新野幸次郎 階段NO36(2010) エッセイと詩 “無料と税”より引用)―というものです。

 さて、自分たちでできることは自分たちで成し遂げ、自分たちでできないことは共助で・・・・というフレーズは最近菅義偉総理も言っていることです。ただ、同総理がいう根底には、「自分たちでできなければ自己責任ですよ!」と言わんとすることが見え隠れします。もう一度、ピオ11世の社会回勅を見ると、「社会のあらゆる活動は、その動機と本性のゆえに社会の成員たちに補助を提供せねば成らず、彼らを破壊し、吸収するようなことは決してあってはならない。」と。つまり、いかなることがあっても「個の尊重」があってのことですよと説いていると私は理解しています。被災者主体という以上は、当然のことではないでしょうか?
   (続く・村井雅清)

〈〈新年のお年玉として、お米を届けたいと思います。〉〉
 復興計画という話題がなされるように、被災地は復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。コロナ禍で誰もが大変な生活を余儀なくされておられる中でのお願いはほんとうに申し訳ないのですが、当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第109報

前号でボランティア元年の意義ついては次号で、と予告しました。次のように二人の識者がメッセージを出されています。一人は、亡くなられた評論家でもあり、医師でもあった加藤周一さんの言葉で、もう一人はノンフィクション作家の柳田邦男さんです。
 加藤周一さんは、「ボランティアが残した財産は、『多様性』の意義であろう。」と言われ、その意味するところは
ーこれがいいことだというのが一つあって、それにみんなが賛同すべきだと いう考え方をやめるように努力することが、集団としても大切だと思います。ー
と奥深いコメントを遺して下さっています。

前号で中井先生の言葉を紹介しましたように、「大量のボランティア」が様々な形で、様々な場所で代弁する被災者の言葉や被災地の状況を受け止めることが大切であるということは、柳田邦男さんが『柳田邦男「想定外」の罠  大震災と原発』(文藝春秋、2011.9.15第一刷発行)で書かれている次のメッセージを読むとより深く理解できるものです。それは
―ボランティア活動が自ら発見し開拓した現代ならではの意味とは、制度化の発達によって硬直化した社会の仕組み(特に行政のしくみ)の「隙間」を行動によって埋めたり縫合したりしつつ、人々と社会に「新しい価値観」の共有を呼びかけ、社会の仕組みの解体・再構築をはかろうとするところにある。その意味での「ボランティア元年」だったのだ。新しい市民社会の構築の哲学が、そこにはある。―と。

2020年7月豪雨発生以来、熊本県の被災地では、災害発生直後にPOSKO(インドネシアで災害後に出現する支援拠点のこと)という支援拠点、物資集積場所などが被災地のあちらこちらに出現しました。これが発災直後の被災地の最前線で活動されている支援拠点であり、ここでヒアリングをすれば、時間の経緯と共に変わる被災者の声が把握できるというものです。詳しいことは「2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース」を見て下されば嬉しいです。(ブログは写真も見ることができます。http://ngo-kyodo.org/2020kyusyunanbu/

 ボランティアは、救援物資を配りながら被災者の声に耳を傾け、救援物資が一通り行き届いたのでは、と判断すればイベントのサポートや心のケアという活動に発展し、寄り添い型の支援活動へと変化していきます。このPOSKOで活動する災害救援ボランティアはほとんど初心者でしょう。被災者とボランティアがつながり、豊かな関係を築くことをベースに「ボランティアさんがもっときてくれたら片付けが楽になる」「元の家に戻れるのか?役所は早く方針を出して欲しい」「2階屋根まで水に浸かり、何もかも水浸しになった。もうここには住めない」「避難所に行きたくても、家族に集団生活が難しい者がいるので行けないのよ」「避難所生活からやつと仮設住宅に入れたけれど、ここには2年しか住めないんだよね?」「公費解体と言われても、もっとじっくりと考える時間がなければ、なかなか判断ができない」「子どもの遊び場がない」「中・高・大学生が落ち着いて勉強ができない」「ダムは要らない。これまで長い間にわたって球磨川の恩恵を受けてきた」などなど、実に多彩な被災者の思いや悩みが“見える化”します。こうして見える化した被災者の生の声と真摯に向き合えば、何をすればいいのかが分かるというものです。日本は本人申請主義が原則なので、国や地方自治体にいろいろなことを直接お願いするにも、現実には届かない。だから、最前線で寄り添っているボランティアの声に耳を傾ければ、ほぼ被災者に対する支援策は出てくるというものだと思います。、柳田邦男さんが言われるように「新しい市民社会の構築の哲学が、そこにはある。」のです。「たかがボランティアかも知れませんが、されどボランティア」でしょう。(続く・村井雅清)

〈〈新年のお年玉として、お米を届けたいと思います。〉〉
 復興計画という話題がなされるように、被災地は復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。コロナ禍で誰もが大変な生活を余儀なくされておられる中でのお願いはほんとうに申し訳ないのですが、当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第108報

 前号で「本来貝原俊民兵庫県知事が掲げた『創造的復興」の理念は、その趣旨が浸透しないまま言葉がひとり歩きした感があるように感じます。」と書いたのは、どうも最初に創造的復興を唱えられた貝原俊民前兵庫県知事の願いと、国連防災世界会議での「Build Back Better(ビルド・バック・ベター)=「よりよい復興」を含め、その後の被災地の首長が掲げたものとは、どうも乖離しているような気がするからです。関西学院大学災害復興制度研究所および日本災害復興学会の立ち上げに尽力された山中茂樹同研究所顧問が書かれた『特集 阪神・淡路大震災の復興20年 ~被災地の復興と残された課題~ 「最後の一人まで」めざす復興法体系を  大震災 20 年を機に再スタート』(日本災害復興学会発行 『復興 (12 号) Vol.6 No3』 2014.12. 12)を拝読させて頂くと、貝原知事の意図したことが理解できる。次にその一文を紹介させて頂きます。
 -貝原知事の創造的復興は、戦後民主主義の中で彼が温めてきた地方分権をベースにした思想の集大成である。鉄鋼・造船といった従来の神戸経済を支えてきたハードタイプから、医療・環境・安心・安全といったソフトパワーへの転換、予算制度の制約を受けない復興基金や経済特区による柔構造の仕掛けによって、地域トレンドを一気に上昇へ転じさせる。復興庁による上からの復興ではなく、地方分権に基づく復興であった-と。  

 被災地における地方分権を考えるときは、被災者主体がベースにならなければならないことは言うまでもないでしょう。その上で「人間復興」に基づいた救済策が施さなければならないと思います。そのためには、被災者に寄り添っているボランティアの声に耳を傾けることが不可欠と言っても過言ではないと思います。発災直後に、貝原俊民前知事の「ひょうご心のケアセンターの初代所長を引き受けてくれないか」と相談を受けた、当時神戸大学医学部精神神経科中井久夫教授は、
 ―これは、日本の災害において初めて大量に投入されたボランティアの活動を引き継ぐものだという設立の由来を考えた。しかし、約40名の人数でボランティアの役割を肩代わりできるものではない。そこで、センター独自の役割を模索した結果、「行政とボランティアとの谷間を埋める」という定義を考えだした。―と。( こころのケアセンター活動報告書 平成7年度「手さぐりの1年」より)

 このように当時のボランティアの振る舞いと向き合った専門家は、私の知る限りでは中井久夫先生しかいないと思われます。阪神・淡路大震災で「ボランティア元年」と注目されたが、このボランティア元年の意義を考えると被災者主体―地方分権―個の尊重という構図が見えてくると思うが、詳しいことは次号で・・・・・。(続く・村井雅清)

〈〈新年のお年玉として、お米を届けたいと思います。〉〉
 復興計画という話題がなされるように、被災地は復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。コロナ禍で誰もが大変な生活を余儀なくされておられる中でのお願いはほんとうに申し訳ないのですが、当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
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(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・Yahooからも募金ができるようになりました!!
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5240003/
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
    口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
    ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」と記入して下さい。

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第107報

蒲島郁夫熊本県知事は、11月19日「球磨川流域 治水の方向性」について、「命と環境の両立」と題し、県議会で「緑の流域治水」構想を発表しました。「今後は、不退転の決意で、球磨川流域に安全と恵みをもたらす『緑の流域治水』に取り組み、日本の災害復興をリードする新たな全国モデル、いわば『球磨川モデル』-として、必ずや、球磨川流域の創造的復興を成し遂げる」と締めくくりました。
創造的復興とは、災害以前より、災害に強い、よりよい社会にという意味だそうです。阪神・淡路大震災では当時の貝原俊民兵庫県知事が掲げた復興理念のメッセージでした。東日本大震災では、同県知事の講演を聞いた村井嘉浩宮城県知事も、創造的復興を掲げ復興に取り組んだ。そして2015年宮城県仙台市を中心に開催された「国連防災世界会議」で、Build Back Better(ビルド・バック・ベター)=「よりよい復興」を成し遂げようと決議された。
災害に遭ったことをバネとして災害前よりよい社会に、というのはすばらしいことでしょう。ただ、誰も置き去りにしないという前提での“よりよい復興”でなければならないのは当然のことだと思うのですが、堤防を高くしたり、安易な高台移転などの施策は、ともすれば生業を営む者、あるいはそこに住まわざるを得ない人たちを、置き去りにしていないか。被災者主体というならば、被災者の一人ひとりに寄り添うのはあたり前で、国や地方自治体が適切な被災者(地)支援策を実行するならば、被災地の最前線で被災者に寄り添っているボランティアの発信に耳を傾けることが、最良の道ではないでしょうか?

熊本県は12月1日に開かれた県議会で、仮設住宅などで生活されている世帯が1695世帯に対し、在宅での避難生活のまま暮らしている世帯が1646世帯もあるという調査結果を発表しました。コロナによる感染が不安で避難所に行きたくないという人も、少なくないでしょう。私が被災地で見る在宅被災者は、1階もしくは2階屋根までどっぷりと浸かり、とりあえず寝る場所だけを何とか確保して暮らしているという被災者ばかりです。人吉市内で出会った男性は平屋住まいのお独り暮らしで、しばらく風呂場のタイルに布団を持ち込み寝ていたとのこと。「よくこんな状態で何カ月も避難生活ができるものだ!?」とびっくりさせられる状態でした。中には、持病を持っていたり、家族に障害を抱えている方がいるため、避難所に行きたくても行けないという事情のある方もおられるようです。「よりよい復興」を声高に掲げるのはいいですが、このような生活をされている方の救済をせずに置き去りにしたままでの「よりよい復興」はありえないと強く断言せざるを得ない。こうした事例は避難生活における住まい方を取り上げましたが、他にも直接、間接にも被害を被った被災者のそれぞれの立場によって各々事情が違ってくるでしょうが、決して置き去りにしてはならないということなのです。
 本来貝原俊民兵庫県知事が掲げた「創造的復興」の理念は、その趣旨が浸透しないまま言葉がひとり歩きした感があるように感じます。果たして蒲島郁夫熊本県知事は、過去の事例をしっかりと検証した上での「創造的復興」を掲げているのか、私には疑問がぬぐえない。                         
(続く・村井雅清)

〈〈新年のお年玉として、お米を届けたいと思います。〉〉
 復興計画という話題がなされるように、被災地は復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。コロナ禍で誰もが大変な生活を余儀なくされておられる中でのお願いはほんとうに申し訳ないのですが、当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第106報

 一昨日、熊本での活動を終え神戸に戻りました。今回もコミサポひろしまのみなさんと家屋の再生などのお手伝い、みなさんからのお預かりしたお米の配布などをしてきました。
 早い人では、なんとか生活スペースを確保して、自宅を新年で迎える人がいる一方で、再建に向けてまだ自宅をどうするか、建設型仮設やみなし仮設などに入居しながら、不安な年越しを余儀なくされている人たちがほとんどです。
 八代市坂本町にある市ノ俣、横様地区もその一つです。ここは、国道219号から市道から集落までの道路が大規模な土砂崩れにあい、当初は住民のみなさんは2時間30分も歩いて自宅の様子を見に行っていたのです。現在は仮で道路がつながってかろうじて自宅に行くこともできるのですが、ライフラインが確保されていないので、まだまだ家に帰れる状況ではありません。当時は、携帯もつながらず、緊急のために用意してあった衛星電話で救助を要請したり、道路に家にあったペンキで「SOS」も文字を書いて助けを求め、みなさんヘリコプターで救出されたそうです。

 横様の集落の住民さんは直接家屋に被害はないけれど、車の車検が切れ、車を運び出せずに新しく車購入しました。また、現在はみなし仮設に入居しているため生活必需品などの購入など出費もかさんでいます。
 横様からもう少し山を登ると、大規模に土砂崩れを起こした区域があり、家屋が一軒押しつぶされています。まだこのお宅も手付かずのまま、お位牌などの大切なものを取り出せないままです。
 他にも護岸沿い家屋で護岸が削られ、敷地内が大規模に陥没している住宅もあります。また、長期に渡る避難生活で獣が家屋の中に侵入し、猿がお米を食べてしまったり、冷蔵庫まで開けられ食料を食べ尽くし、冷蔵庫は廃棄せざるを得ない状態で、家の中は大変な状況だったそうです。こちらでは息子さんとお母さんが毎週末家を修理しにこられています。みなさんからのお米をお届けさせていただきました。

 今の生活再建支援法では、家屋に直接被害がないと支援が受けれない状況です。2次被害といってもいい被害にも関わらず、自治体から見舞金程度のものしか支給されていません。生活再建支援法も家屋の被害だけでなく、生活の再建にかかる被災者の暮らしへの被害に対しての支援を検討するべきです。 
 球磨村のある集落でも橋が崩壊して、仮設生活を余儀なくされている人がいます。現在このような人たちは、支援の網目からこぼれ落ち、家に直接被害がないからと声もあげられずに肩身のせまい避難生活送っています。一人ひとりの暮らしの状況にあった支援策が求められます。(増島 智子)

〈〈新年のお年玉として、お米を届けたいと思います。〉〉
 復興計画という話題がなされるように、被災地は復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。コロナ禍で誰もが大変な生活を余儀なくされておられる中でのお願いはほんとうに申し訳ないのですが、当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第105報

前号で触れた「市民とNGOの『防災』国際フォーラム」は、-くらし再建へ「いま」見すえてーというテーマで議論を続け、10年間は毎年発表する都度の宣言で、被災者支援の提言をしてきました。私たちが被災者(地)と向き合う時は、常に被災者の暮らし再建を最も優先的に取り組んできました。25年前は、暮らし再建を緊急課題として取り上げ、そのためには「とにかく住まいが必要!」ということで、公的支援の必要性をアピールしました。(阪神・淡路大震災後に被災者生活再建支援法が施行されましたが、阪神・淡路大震災の被災者には遡及適用がなされませんでした。)
住まいは“仮”であっても、暮らしに”仮“はないということは、本来ならば避難所生活でも、在宅避難生活でも、仮設住宅での生活でも、暮らしは「雨・露」が凌げればよいというものではありません。誰もが「健康で、文化的な」生活ができなければいけないということなのです。とは言え、住まいが仮である以上十分な生活ができるかということを考えると、難しいのが現実です。そういう現実から、「仮の暮らし」と表現するのは已むを得ないかも知れませんが、復興計画の中でのこの表現を被災者が目にすれば、どんなに辛いことなのかを想像して欲しいものです。
 11月末から12月初めにかけての被災地入りで、やっと仮設住宅に入れた球磨村に住んでいたHさんを訪ねて、いろいろお話を聞いていた時に、「ゆっくり風呂に入れたのは4カ月ぶりですわ!」と、笑顔で話されていたのが印象的でした。こうして災害前の暮らしに少しずつ取り戻されるのだなあ・・・・・と。Hさんご夫婦はほぼ毎日のように午前中は自宅に戻り、水害に遭った家財道具の水洗いや雑巾がけなどして、使える物は再利用できるようにしています。全壊の自宅の1階にあるガレージで、ストーブを置いて、簡単な昼食をとっているようです。見るのも辛い無残な姿を残したままの全壊の家を前にしての片付けも、ひょっとすれば“災害バネ”というか少しずつ元気になっていく要因なのかも知れないなぁ、と思うようになるのです。特にHさんの場合は、いろいろな思い出が刻まれていたようです。暮らしに仮がないというのは、このご夫婦のように、一歩一歩元の暮らしに戻るように日々を暮らしていることを想像すると、毎日が“仮”ではないことがわかります。Hさんご夫婦の姿を見ていると、2007年の能登半島地震の被災者が仮設住宅で暮らしていて言われた言葉を思い出します。
 ―仮設住宅の暮らしは不便だ。生まれ育った場所は、地震で更地だらけ。
   見たら涙が出るわ。もうすぐ自宅の“はなれ”で住めるようになる。―
 (能登半島地震から97日目の7月1日、足湯ボランティアによる聞き取りから引用)    

この方は全壊の自宅から離れた仮設住宅に住んでいるより、不自由でも自宅の“はなれ”に住んで、少しずつ家の再建を見守る方が元気になるということでした。「暮らしに“仮はない」とは実に名言だと思いますね。
                  (続く・村井雅清)

*お詫び:当センターのFBで、前号のレポートで紹介した神戸宣言と25年目のシンポジウムによる鼎談のテープお越しの冊子の表紙を添付するのを忘れていました。今号でHさんの被災家屋のガレージの写真と共に貼り付けますのでご容赦下さい。

〈〈新年のお年玉として、お米を届けたいと思います。〉〉
 復興計画という話題がなされるように、被災地は復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。コロナ禍で誰もが大変な生活を余儀なくされておられる中でのお願いはほんとうに申し訳ないのですが、当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
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