康照院の住所は福岡県八女郡水原3788ですが、行政区は「水原梯地区」で49世帯あります。ちなみに以前このレポートでも紹介した“ゴットン水車小屋”のある地区は「逆瀬谷地区」で48世帯です。(広川町住民基本台帳 2023年9月より)
この両地区で、寺院は康照院だけのようです。久留米につながる県道800号でもある“湯ノ原合川線沿いの川を挟んで本堂と庫裏があります。
広川町には康照院の他に、真言宗の寺院は「高野寺」「慈光院」の2カ寺があります。
康照院は、約40年前にこの地に建立されたようですが、現住職の土師大空さんはお父様が14年前に他界され、後を継がれています。でも、僧籍は中学生の時に取得しており、お母さまをはじめ、姉・妹、甥とみなさま僧籍を持っておられます。
以前にも触れましたが、康照院は真言宗醍醐寺派の寺院で、醍醐寺派とは弘法大師を宗祖と仰ぎ、理源大師・聖法を開祖とする宗派で、厳しい修行を終えなければ僧籍は取得できないようです。
庫裏の隣の敷地には水車小屋があったのですが、今回の水害直前に土地を借りて、その地に土を入れ整地し、ここで外護摩を焚き、柴燈護摩道場の場と予定していたのだが、その土はほとんど流されました。でも、被災2ヶ月後には内護摩祈願を執り行われました。
水害で庫裏は全壊になり、隣の空き地も一から護摩道場として整地しなければならないという被害となりました。柴燈護摩(さいとう護摩)のあとは行者を先頭に、参列者も無病息災を祈願する“火渡り”儀式(護摩の後の灰の上を歩く)が執り行われます。 康照院住職土師大空さんは、理源大師も修行した四国の山々や奈良の修験道の修行の場“大峰山”にもよく行かれたそうです。
土師大空さんが、尊敬していたお父さんは、大変厳しい人だったと話してくれ、いつも大空さんには「こころに鏡を置け、もう一つは剣を持ちいつも磨いておけ!」と言われていたそうです。阪神・淡路大震災後にお出会いした、私が尊敬する故有馬実成師(曹洞宗)は、被災地KOBEに来られ、汗水流して活動するボランティアの姿を目にして、「ボランティアに菩薩を見た」と言われました。私たちボランティアにとっては、勿体ないお言葉ですが、私は28年前に初心者ボランティアとして、ボランティア活動に一歩を踏み出しました。2025年には、あれから30年を迎えます。この間、いろいろなことを考えさせられてきました。大空さんが言う「こころに鏡を置け」というのは、私は「常に自分と向き合うことを忘れるな!」と言われていると理解しました。
真言宗醍醐派熊野山康照院住職 土師大空師 ありがとうございました。(了) (青石の里広川町編は本号を以って終わります。)
(村井 雅清)
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