この康照院がある広川町の川沿いの集落は50世帯ほどで構成されています。康照院から川沿いに上流に上がれば、青石を使った石垣でかさ上げをした家の景観を眺められます。実に“青石の里 広川町”に相応しい景観です。この川の上流には“ゴットン水車小屋があり、隣の蕎麦屋「さかせ」(URL:広川町のゴットン水車小屋 – 検索 (bing.com)の経営者がそば粉を挽くのに、水車を使って臼を挽くようにご自分で開発したとのことです。ただ、いまでは水不足もあり”水車“としての機能が半減し、電気の力を借りて”ゴットン“と動かしています。ここの”10割蕎麦“と”そばがき“は絶品です。そばがきとは、そば粉に湯を加えて練り混ぜ、塊にしたそばの団子のことです。加えて、ドクダミはじめ多彩な山菜の天ぷらも捨てがたいです。
さて、川の護岸を見ながら川を下って行くと随所に青石の綺麗な岩肌が見えます。特に川の底に沈んでいる青石は、いつも流れる水に洗われているので、ほんとうに綺麗な青色(緑色)をしています。
康照院の裏の滝行を行うところも青石が苔むしており、それもまた修行場として格別の雰囲気を醸し出しています。
康照院のお母さん(88歳)曰く、「この庫裏から見える川には二つほど、大きな青石があったのですが、それが二つとも今回の水害で流されました」と。あらためて水の勢い、怖さというものを想像させられました。
全壊という損傷を受けたこの庫裏と本堂は、井戸水を使っています。地下水をポンプアップするためにボーリングしたときに、ダイアモンドの刃が何度も壊れたというほど、青石は固いのです。このボーリングで堀った青石の破片を、何故かお母さんは宝物のように大事に残していて、私に見せてくれました。(青石の里広川町編続く)(村井 雅清)
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