「やさしや足湯隊ニュース」No.7
やさしや足湯隊では、ボランティア活動後に参加メンバーから感想をいただいています。
本ニュースでは、これまで足湯隊に参加した様々なボランティアの視点から見た能登を発信しています。
今回は第一次足湯隊(2/19~2/22)に参加された馬場玲妃さん(京都薬科大学4年生)です。
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私は2月19日から4日間、被災地NGO協働センターの「足湯隊」の一員として被災者に足湯を届けた。
活動する中で印象に残っている女性は、夫と子ども3人の5人家族で、地震直後は避難所生活をしていたが、現在は在宅避難をしているそうだ。彼女は私に小学6年生の次女の話をしてくれた。七尾市の小学校に通う次女は、「地震後に再開した学校給食は、おにぎりと牛乳だけで物足りない」と言っていたそうだ。そんなとき、テレビに映る輪島市の学校給食には豚カツがあり、次女の給食よりずいぶん豪華だと知った。女性は次女にもお腹いっぱいになるまで食べて欲しいという親心から、輪島市が羨ましいと感じてしまうと言った。しかしみんなそれぞれ大変な中、我儘は言えないと葛藤していた。震災以降、心にたまっている思いが堰を切ったように溢れ出すBさんの様子を見て、私に話すことで張り詰めた心が少しでもほぐれたのであれば良かったと思った。
足湯は被災者に束の間の幸せを与えたり、普段は遠慮して言えない心情を吐露させたりできる力を持っている。このような場面を目の当たりにして、足湯支援の重要性を身に染みて感じた。
一方、足湯に消極的な人も多い現実があった。物音を立てるのも憚られるような静けさに包まれている避難所で、被災者は何を思っているのだろうか。私が「足湯をしませんか?」とそっと声を掛けても、目を逸らし私を避けていく。私が「分かりたい」「寄り添いたい」という気持ちをどれだけ持って向き合ったとしても、すぐに受け入れられるとは限らないと感じた。実際に被災地に行くことで、被害の状況、心の傷や足湯に対する気持ちの持ちようなど、何事においても被災者の間で無限の濃淡があることを痛感した。足湯をした人が感じる幸せが連鎖し、今は足湯に消極的な被災者を巻き込み、足湯のぬくもりが多くの被災者の身体と心に伝わる日がくることを願う。(京都薬科大学4年 馬場玲妃)
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