「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.69

「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.69

輪島の仮設住宅での孤独死に思うⅡ

 5月28日に報道された輪島市の仮設住宅で発生した孤独死の背景が、徐々に報道されてきた。阪神・淡路大震災の時には、「孤独死の定義は、何なんだ!」という訴えもあった。  

警察の定義は「亡くなった時には、一人だった」ということのようだ。しかし、遺族の方が訴えるのは、例えば「毎日見守りに行っている。たまたま、見守りに行って帰った後に部屋で倒れ、その後亡くなったというケースもある。それでも孤独死と言われると、家族としてはあまりにも切なく、辛い」ということだ。今回のケースもよく似ている。報道によると、長男は仮設住宅に入居してからも仕事帰りに週に1~2度様子を見に行っていたそうだ。亡くなったとされる17日にも夜に訪ねていた。その時は携帯電話もつながらなかったので帰った。しかし、20日になっても連絡がなく、昼休みに電話したがやはりつながらなかった。長男は午後に休暇をとり、職場にあったハンマーを持参し、仮設住宅に向かった。それは場合によっては、ハンマーで窓を割って、入るしかないという判断だったようだ。お母さんは、27日に発見された。

こういう事例は、阪神・淡路大震災はじめ過去の災害でもあった。そのたびに当該県の担当者あるいは知事は、「支援の強化」を打ち出す。過去の事例に学んでいれば‥‥と、自省を込めて悔しい。発災直後から見守りを充実させ、その体制をさらに強化しつつ、仮設住宅あるいは在宅避難者への見守り体制を持続することができなかったのか‥・・・?

「事前復興」という言葉がある。平時から見守り体制を強化していれば、それを災害時には拡充するだけではないか!そして知事は復興支援センターを設置すれば解決すると思っているのではないか?「事前復興」として、災害時には復興支援センターを設置して、人がどう動くのか?一度でもシミュレーションをしてきたのか?

かけがえのないいのちが喪われて、はじめて動くのか?と思うと、ほんとうに憤懣やるかたない!! 

(被災地NGO恊働センター 顧問 村井雅清)


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です