「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.75
6月2日輪島市内で自転車屋を営むOさんを訪問した。店は全壊だが、直結している住まいの方は、何とか住める状態。ただ住まいの一部に隣の美容院がOさんの方に寄りかかっているが、公費解体するので隣に同意を得ている。Oさんところの一部も美容院に寄りかかっている。美容院も全壊で、公費解体をする。
何とか住める状態の住まいも、店舗にくっついているので制度上は一緒に解体しなければならない。ところがもう一つの制度は、何とか住める住まいを修理して残したいならば、自費でOさん自身で全壊の店舗と“縁切り”(切り離す)にしなければならないとなる。ところが今、相談している業者には「出来ない!」と言われたそうです。
さてOさんはこうしたケースに見合う「住宅の応急修理制度」の申し込みを受け付けますというチラシを貰ってきたのだが、何度読んでも理解できないと訴える。しかし、私もこういうケースは初めてなので、正確な説明ができないので調べてあらためて連絡しますと伝え、Oさん宅を離れたが、後でよく読むと、そのチラシには<申し込み手続き>という欄があり、①「本制度を利用する修理依頼は、被災者ご本人が直接業者に依頼して下さい。」とある。加えてご丁寧に②「修理後、施工業者が被災者生活再建支援室に書類を提出します。被災者ご本人が市に書類を提出する必要はありません」と加えられている。
確かに、これでは一般にはなかなか理解できないだろう、Oさん曰く「高齢者の場合は、やはり理解出来ないですよ。何故、役所は丁寧に説明をしないのか?」と怒りが収まらないようで、たまたま訪問した私に、「これ見て下さいよ」となった次第だ。
Oさんは翌日白内障の手術をすることになっていて、もう片方は1週間後の手術だそうだ。ストレスがたまり悪化したのではないかと想像してしまう。何故、一人ひとりに寄り添うサポートができないのだろうか?役所は「災害で業務が多く、人材が足りない!」というだろう。こうした役所の言い分は災害時の毎度のことだ。全国の自治体から応援職員の派遣という制度がある。この体制が十分ではないことも課題だ。ならば、有償でボランタリーに動いてくれる弁護士さんや住まい相談の専門家を派遣すればいいだろう。災害救助法の範囲内でできる措置でもある。石川県知事は、先般の仮設住宅での孤独死を受けて、「必要なことは、何でもする」と発言された。人が“死なないとやらないのか!?”と言いたくもなる。
話を戻すと、この制度を理解するには、まず申請するのは業者に、工事が終わった完了届けも業者がやるということだ。同チラシには、「住宅の『応急修理制度』の申し込みを受け付けます」と標題にある。これではまず、第一段階で混乱するのではないか・・・・?
要は役所は業者に丸投げなんだと理解が必要。つまり、こういうケースの解決方法は、信頼できる施工業者を探すということが最良の方法だろう。しかし、冒頭で述べたように、「業者が出来ない!」と言ったOさんのようなケースはどうなるのか?業者の内実を想像すると、災害後は仕事が増え、どうしょうもないとなる場合があるだろう。ただ、こういう場合を想定してか、役所は電話での相談窓口は設けている。
想像するに、これは「たらい回し」になり得るパターンだ。さて、どうするのか?
発災から7か月目に入ろうとしている今、これ以上被災者に不安やストレスを与えるようなことを控え、極力負担をかけないためには、災害時には「本人申請主義」をやめ、代理人申請を可能にすることだ!
(被災地NGO恊働センター 顧問 村井雅清)
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