「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.76

「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.76

今回は「やさしや足湯隊」代表で、CODEスタッフの山村太一のレポ―トです。

二月に学生・若者ボランティアを中心に活動を開始したやさしや足湯隊は、これまで能登に14回、のべ101名の学生・若者を派遣しています。現地では足湯ボランティアや家屋の方づけ作業の手伝いなどをしています。活動内容の詳細はリンク先よりご確認ください。https://congrant.com/project/ngokobe/10525

以下から能登半島地震半年を受けてのレポ―トとなります。他ニュースの都合で、少し時間が経ってしまったことご了承ください。

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能登半島地震の発災から、もう少しでまる6ヶ月経とうとしています。能登の状況は、もちろん道が通れるようになったり仮設が建ったりと復旧に向けて進んでいる部分もありますが、まだまだ問題は山積みです。そのような現状の中で、私はどのように能登に関わり復興に向けて携わっていくのか正直分かっていません。私は、現在能登半島地震支援の一環として足湯ボランティアを行う「やさしや足湯隊」として何度も被災地に足を運ばせてもらいました。足湯ボランティアを行う中で、一人一人の様々な声が聴こえてきます。その一人一人の声に本当に寄り添えているのか。ただ聴いて「こんな、つぶやきがありました。」だけで終わっていないのか。とても不安です。実際、聴こえてくる声やつぶやきに対して、聴いて私は何もできないことの方が圧倒的に多いです。能登半島地震の今後の復興に向けて、私がこれまで聴いてきた声をどのようにしたら活きてくるのか。

私が一つ感じるのは、能登にはどこか「寂しさ」を感じます。能登には、素晴らしい歴史や伝統、文化、人々の営みがあります。しかし、それらがまるで忘れられたかのような雰囲気も感じます。それは、一人一人の足湯ボランティアからの声も同じです。北陸応援キャンペーンのようなことも行っていましたが、能登半島を盛り上げていこうとする動きは、逆に「寂しさ」を加速させます。能登を盛り上げようとする動きは、結局は一過性に過ぎず盛り上げた等の本人たちはその土地からは離れていきます。今後の復興に向けて、能登半島を盛り上げていこうとか、前よりももっと強くだとか、そのような小手先の復興ではなく、もっと根本的な日本という国の在り方や捉え方を考え直していく必要が今あるのではないかと思います。その一つの答えとして、私は現在活動している足湯ボランティアに参加してくれる人をもっと増やしたいです。必ず現地に行き、現地の空気を吸い、肌で感じで、触れて、現地の方の話を聴くことによって、能登半島に対する認識は変わると思います。その結果、能登半島に対して認識が変わった人が、増え決して他人事ではなく、自分の地域、住んでいるところでは、どうなんだろうか考えるきっかけにもなると思います。

足湯ボランティアは、炊き出しや家財運びなどに比べて目に見えるような効果はありません。だが、炊き出しや家財運びに比べて絶対に一人一人の声を聴くことができます。一人一人の声を活かせるどうかは、別に能登半島だけに活かすのではなく、自分の周りの地域からでも活かすことはできると思います。何よりも足湯ボランティアの活動をしている中で聴こえてくる声は、なにも能登半島だから聴こえてくるものではなく、他の地域でも聴こえてきても決しておかしくないものばかりです。災害は平時の課題を浮き彫りにするとよく聞くが、まさに足湯ボランティアをしている中で、そう感じます。足湯ボランティアから聴こえてくる声は、能登半島に限ったものではないですし、能登半島だけの課題では決してありません。今の日本の縮図が、災害によってたまたま能登で起きているだけであり、日本全体の課題であることを、見て見ぬふりがもうできないことを認識していかなければならないと考えています。

能登から日本全体の大きな話になってしまいましたが、もっと大きく言うと世界全体でもあるのだと感じることもよくあります。「やさしや足湯隊」では、これまでトルコの留学生、台湾、中国からも参加してもらっています。言葉や文化、宗教は違いますが、トルコで起きている課題、台湾、中国、そして能登半島と似ている部分もあると思います。実際に、去年のトルコ・シリア地震で訪れたハタイという地域も、街中から「寂しさ」を感じました。地震が起きたから寂しいのか、違います。もともと様々な課題を抱えている中で、災害によって露見しただけです。もちろん、災害による悲壮感や寂しさもありますが、根本的な課題はそこではないと思います。

大きな話ばかりになりましたが、今後能登半島をどのように復興して私がどのように携わっていくのか。足湯ボランティアを通して出会った人の数だけある学びをご縁を、被災者とか支援者とか関係なく目の前の一人に、こだわりたいと考えています。                           (山村)

*私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成を頂き活動しています。

*私たちの活動は、CivicForceのパートナー協働事業に支えられ活動しています。

https://www.civic-force.org/info/activities/earthquake202401/20240130.html

*私たちの活動は赤い羽根共同募金会「ボラサポ・令和6年能登半島地震」の助成を頂き活動しています。

引き続き現地からの情報を発信していきます。

ブログはこちら→http://ngo-kyodo.org/2024noto/

■活動支援金のご協力をお願い致します。

・クレジットカードでも寄付ができます。  https://congrant.com/project/ngokobe/605

・ヤフー募金でもご寄付いただけます。  https://donation.yahoo.co.jp/detail/5240008

・郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター

・銀行振込 ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO.0068556  名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター

*お手数ですが、備考欄に「2024年能登半島地震」と記入して下さい。


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