「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.85

「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.85

地域おける今後の復興拠点としての寺院の在り方を考える-2

 前号NO84に続いて、復興基金と寺の再建についてです。恥ずかしながら私も知らなかったのですが、前号で紹介した津久井進弁護士から提供して頂いた資料によると、阪神・淡路大震災の例があったのです。それは「平成7年の阪神・淡路大震災では,兵庫県と神戸市が起債して『復興基金』を創設した。運営主体は,県や市ではなく,新たに『公益財団法人阪神・淡路大震災復興基金』を立ち上げ,この財団が事業を遂行した。この復興基金の行った事業メニューのうちの一つに『歴史的建造物等修理費補助』がある。文化財に指定されていない建造物であっても,歴史的に価値あるものと認められる場合には,修理費を50%補助するというものである。補助が行われた建造物の内訳を見ると,西宮市の浄橋寺庫裏・書院の修復保全,西宮神社六英堂の修復保全,芦屋市の如来寺十三重石塔の修復,芦屋神社本殿屋根,坪殿の壁の補修,八幡神社鳥居の修復工事など,宗教的施設を対象としたものも少なくなかった」という事例です。また東日本大震災での事例は、「名取市の墓地復旧のケースである。名取市生活経済部クリーン対策課は,津波で破壊された墓地の撤去作業を瓦礫撤去として扱い全額公費で処理したのである。さらに墓石は一時保管し,引き取り手がなかった墓石は破砕をして砂利化し,申し込みのあった寺院の嵩上げに使用した」と。

そして、今回のように「地域コミュニティ施設等再建支援事業」としては、「平成16年の新潟県中越地震,平成19年の新潟県中越沖地震でそれぞれ事例がある。

ハードルは、前号でも書いたが市町がコミュニティ施設として認定するかどうかだ。でも、本来の寺の役割について考えてみれば、特に能登の場合は寺と暮らしを切り離すことはできない。ある集落では、今回の地震直後に集会所に約100名の人が避難していたが、普段から集落にある寺の行事のために集会所に常備していた大釜を使って、慣れた手つきで炊き出しをして、数日を過ごしたという話もある。能登に多い浄土真宗の寺には“講”があり、そのために寺には定期的に住民が集まっていた。今でいう“居場所”とも言える。今では、全国各地に宗教に関係なく“講”というコミュニティを維持しているところもある。そう考えると寺は地域の人たちが集まる“居場所”でもあり、暮らしと切り離せないのである。これからは、寺の広い敷地も活用し、多目的で、ユニークな使い方を工夫されることに期待したいですね。(続く)

              (被災地NGO恊働センター顧問 村井雅清)

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