「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.87
去る9月4日、やさしや足湯隊第18便で、輪島市宅田の宅田第一仮設(通称;上野台仮設)で足湯を実施してきた。この仮設には、地震後一時は孤立し、ヘリなどで緊急避難された輪島市西保地区の人たちが二次避難所などから、ここに移動して来られた。輪島市西保地区は、上山、西二又、上大沢、大沢、赤崎、下山、小池と7集落で構成されており、その内この上野台仮設に入居されているのは小池、大沢、下山の方たちが多いようだ。
ここの集会所にはデッキが付いており、そこに長椅子が4脚おいてあった。女性が一人座っていて、「ここでやればいいんじゃない。涼しいので丁度いいよ!」と言ってくれたので、そのデッキで足湯を実施した。室内での足湯しか経験したことがなかったので、ほんとに、心地よい風が吹いていて、気持ちがよかった。
部屋の中からにぎやかな声が聞こえてきた。入居者のみなさんが卓球をしていたのだ。 デッキの長椅子に座っていた女性が、「私が大沢から卓球台をここに持ってきたのよ!」と。「え~、何でこんなものが家にあるの?」って聞いたら、「大沢で旅館をしていたから、そこで使ってたのを持ってきたの?」と。「えっ、田中屋旅館さんの奥さん・・・?」と聞いたら、ドンピシャだった。実は、上大沢に行く度に隣の大沢にも車を走らせていて、田中屋旅館さんのご主人とは偶然大沢でお会いしていたのだ。
今回は、卓球に夢中になっていた人も一休みを兼ねて足湯に参加してくれたので、休む暇もなくひっきりなしに足湯を行うことになった。そこで一人の女性が長椅子に座られた。「あれっ、長沢さんですよね?田中屋旅館さんの前で出会った‥・・・」「あ~、あの時の‥‥」と。どうも大沢で足湯をしているような錯覚に陥る。気がついたら、予定の時間を超えて全部で20人が足湯に参加して下さった。ちなみに、2月初めから足湯隊が本格的に始動して7ヶ月が経過したが、1回の足湯で20人というのは過去最高となった。
それにしても、70代~80代の人たちが、朝から卓球をして体を動かしているとのことですが、ほんとうにみなさん元気だ!卓球をきっかけに、交流を深めているようで、にぎやかな毎日を過ごされている。卓球の合間に、足湯に参加して下さり、「足が軽くなった。」「卓球をするようになってから、よく眠るようになったわ」「卓球を通して、辛いことも前むきになるわ!」「(卓球が下手くそで)孫には“やらんことには上手くならんで”と慰められた。毎日卓球!!」‥‥‥。
しかも、ここの集会所は住民が自主的に管理をされていて、朝9時には鍵を開けてくれる人がいるそうだ。ガチガチの規則を決めなくても、こうしてみなさんで自主的に管理・運営されているというのは、いいもんだ!!
やさしや足湯隊第18便(岩本武流、西受穂乃花、高橋彩葉、山村太一、村井雅清)の共同編集 (文責:被災地NGO恊働センター顧問 村井雅清)
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