「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.92

「令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース」No.92

「足湯から見える被災地③」

「変わっていく町の風景」
学生さんたちと仮設住宅で足湯ボランティアを行っていると被災者の様々な声を聴く。
津波の被害を受けたここ珠洲市三崎地区も公費解体が徐々に進んでいる。
「更地になったらなったで寂しいわ。。。」と長い間、解体を待ちに待っていたMさんだが、いざ解体が終わるとこのように語っていた。
足湯の常連Sさんも、解体が進む状況を「ここに何があったのか思い出せなくなっている」とつぶやく。
地域の鎮守、須須神社の数少ない氏子である女性は、「震災後初めてお墓に言ったけど、沢山倒れていてつらかったわ」と社叢を抜けた先にある墓地の惨状を語ってくれた。
「いつまでも護岸工事をしてくれないのは、ここが小さな町で後回しなんだろう」と語る漁師の男性もいた。
長年住み慣れた町の風景が変わっていく現実に気持ちが追い付いていない。

この日、仮設の自治会長のKさんに自慢のキリコを見せていただいた。
本来、キリコは神輿を照らすためのご神灯だが、在所(集落)同士で競い合って、今では高さ約16m、重さ4tと日本最大と言われるまで巨大化していったそうだ。
紀元前に創建された須須(すず)神社の秋祭りとして、毎年9月中旬に夜を徹してキリコが町内を廻り、盛大にお祝いする。
見事な図柄に、金箔や輪島漆塗など豪華かつ繊細な意匠が施されており、絵や彫り、漆などそれぞれの職人さんがいるからこそこのキリコ祭りがある事が伺える。がしかし、この壮大なキリコ祭りも今年はできるかどうかわからないという。
タイヤのついた巨大なキリコを引いて町を回るのだが、地震や津波で道路が凸凹に陥没しているのでキリコが転倒する恐れがあり危険だという。「道路を直さんことにはキリコを出せんからな。」とKさんは言う。

つい先日、この日本最大のキリコ祭りは、須須神社の境内に4つの巨大なキリコを展示する形で開催された。Mさんは「祭りのために帰省した人たちもいて、よかったよ〜」と連絡をくれた。
能登には古くから伝わる壮大な祭りがたくさんある。この震災で祭りの開催を断念してところもあるが、祭りを通じて地域の一人ひとりがつながり直し、祭りが地域の再生に向けた一歩になる事が間違いない。

私たちのNGOが拠点にしている能登中島町のお熊甲祭りが間もなく開催される。

(吉椿)

*私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成を頂き活動しています。

*私たちの活動は、CivicForceのパートナー協働事業に支えられ活動しています。

https://www.civic-force.org/info/activities/earthquake202401/20240130.html

*私たちの活動は赤い羽根共同募金会「ボラサポ・令和6年能登半島地震」の助成を頂き活動しています。

引き続き現地からの情報を発信していきます。

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