「令和6年(2024年)能登半島救援ニュース」No.108 水害編―16
能登半島支援 緊急支援のお願い!!
元日の地震で孤立し、地域の学校や集会所に避難していた地域が少なくない。その一つが珠洲市の外浦にある「大谷地区」だ。私はこの大谷地区には、4月中旬に初めて訪問した(本ニュースNO49参照)。その時には、大谷小・中学校の避難所には約40人が避難していた。その時点で、区長さんに今後のことを少し聞いた。「お一人暮らしの方や、施設に入っている方もおられる方は少ないだろう。ここに帰って来ても生活ができない…」と区長はおっしゃっていた。それでもこの地区に帰って来て、「元の暮らしを…」と始めた人たちはいた。しかし、地震後9カ月が経った9月21日に記録的大雨によって、再び避難所生活に戻った人たちが約30人にも上る。辛うじて在宅生活が可能な人たちは約160人。(水害発生で避難指示が出た時は90人)。また、4月の時点に逆戻りとなった複合災害だ。ここの地域に入って、支援をされている専門家は、「みなさん、『これでもか、これでもか』」と被害に遭いながらも、前を見て進もうと力強いです。」とおっしゃった。
一方、私が隣の馬緤町を訪ねた9月30日、珠洲市内からう回路を通って大谷町に抜ける道は全く通れない状態だった。地元の住民に聞くと、「大谷峠は何とか通れる」と聞いたのだが、そもそも元日の地震後はその大谷峠を抜ける道は通行禁止だったが、そちらが通れるようになり、う回路が通行止めになっていた。さすがに地元の人はよく知っている。
また、大谷町の東隣の「仁江町」では、元日の地震後に大規模な地滑りで海岸線(249)が通れない状態が続いていたが、今回の水害でさらに地滑りが起きた。その西隣の真浦地区は、水害後また孤立生活が余儀なくされた。
こうしてこの地域は、道路事情が完全に回復しないことには、生活道路のう回路を使ったりしての生活が余儀なくされているので、落ち着かない日々が続くだろう。支援も十分には届かないことが心配される。
ただ、救われるのは、この地域は昨年の5月にも地震の被害を受けていた経験もあって珠洲市はじめ支援センターに集まる専門家集団による徹底した巡回見守りやNPO,NGOの支援ネットワークがしっかりしていることである。ちなみに、珠洲市には未だ、断水地域が少なくない。
(被災地NGO恊働センター顧問:村井雅清)
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