「令和6年(2024年)能登半島救援ニュース」No.115
水害編―22
能登半島支援 緊急支援のお願い!!
本ニュースNO113、114で続けて地震と水害の二重被害に遭ったOさんのことを紹介した。水害以来、当NGOのスタッフや姉妹NGOのCODE海外災害援助市民センター、および元日の地震以来発足した「やさしや足湯隊」への参加者、9月21日以来の水害支援活動に入っている個人、団体が泥出し、清掃、自営業のカギ屋さん百数本の鍵洗いなど入れ替わり、立ち替わりボランティアに入ってきた。
もう一つ、紹介したいのは「足湯」だ。これまでの足湯活動は、地震直後の避難所、集会所、仮設住宅の談話室、そして直接の被害を受けていないガソリンスタンド、酒店などで実施してきたが、二重被害に遭った被災者宅で行うのは初めてのケースだ。しかも、浸水被害に遭ったど真ん中の被災者宅での足湯ははじめての経験である。次のようなボランティアに入ったスタッフの報告を聞くと、大変大事なことに気づく。
〇Oさんのお孫さんも足湯ボランティアに参加した。
〇Oさんのお隣のN接骨院さんのご夫婦に足湯をさせて頂いた。泥出しに入っていたボランティアが「仕事も家も大変なんだなぁ。足湯でくつろいでほしいなあ」と思っていたところだった。N接骨院も床上浸水で、営業できていない状況だが、数日前からボランティアが入り、今後大工さんの工事が終われば営業再開だ。
〇近くに住む70代の男性近くに娘さんが住んでおられるが、N接骨院の奥さんが時々その男性のところに食事を作ってあげているとのこと。こうしたことができるのも、災害でN接骨院さんの営業が十分にできないため、以来患者さんが減少しているからだ。
〇20代の男性:元日の地震時は、水も電気も来ていなかったので、昼間は自転車店で過ごし、夜は、避難場所へ泊まっていた。スノーボードで冬は白馬村でアルバイトをしているとのこと。正月にも白馬村にいた。1月3日には祖父母を心配して輪島市に帰省されていたので、Oさん宅から水をたくさん持って帰えられた。
こうして被災地のど真ん中で足湯を行うと、行政が丁寧なローラー作戦のような形で見守りをしないと、こうした現実に出合うことはない。足湯や水害支援から、こうした地域の人間関係に触れることで、最優先要配慮者のことに気づく。つまり、ともすれば社会の“すき間”にはまり、見落とされる可能性があるという深刻な災害被災者の実相だということです。足湯ボランティアという活動を通して、こうした“すき間”に気づくという体験を重ねると、平時に置いての“すき間”にも気づくというということでもある。“たかがボランテァイ”ともいわれるが、“されどボランティア”を体現する現場だった。
(被災地NGO恊働センター顧問:村井雅清)
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