「令和6年(2024年)能登半島救援ニュース」No.120
水害編―25
能登半島支援 緊急支援のお願い!!
9月21日の記録的な豪雨水害で、輪島市西保地区の7集落の内6集落の道路が大規模陥没、流木、倒木、山崩れで土砂が被り、田畑にも及ぼし大な二重被害となりました。
(現段階では、小池、下山は車で通行可能となりました。その他の集落は途中から徒歩でしか行けない状態)
その中で上大沢という集落も、おそらく数カ月は集落に帰れないだろうという被害です。被災者の多くは“着の身着のまま”で、輪島市内の仮設住宅に避難して来られたので、衣類は夏物、布団も薄っぺらい夏用という事態になりました。そこで、当NGOは阪神・淡路大震災以来、補完的連携をしながらともに活動をしてきた「生活協同組合コープこうべ」さんに衣類(古着)の提供をお願いし、組合員さんの自主的な活動で大量の冬物衣類を集めて頂き、上大沢の被災者に届けました。湯たんぽは、白元アース株式会社さんに寄贈して貰いました。
さらに、冬用の布団も山形県米沢で活動する「NPO結いのき」さんにお願いして、上大沢の全世帯に配布できる上下セットを提供して頂き、先日配布が終了しました。(同「結いのき」さんは、元日の地震以来、すぐさま衣類や布団を集めてくださいました。)
こうして私たちは、9月21日の二重被害という甚大な惨状を受けて、ボランティアとして何ができるのか?住家や店舗を浸水させた泥出しや使えるものの掃除、洗浄などはもちろん、水害時にはこれまでも行なって来たので、今回も翌22日から「やさしや足湯隊」を急遽「水害支援隊」に切り替え、即対応をしてきました。
ただ、先述したような救援物資を集め、届けるという、特に技術や経験をそれほど必要としない、言い換えれば物を媒介として被災者に寄り添うだけで、被災者が少しでも元気になってくれるという意義を学ぶことができました。
実は、このボランティアの“1丁目1番地”とも言える行動を振り返ると、30年前の阪神・淡路大震災で、故中井久夫さん(当時神戸大学医学部精神科教授)が、いつもボランティアに言っておられた「ボランティアは傍にいるだけで価値があること。」の再現であることを痛感した次第です。特に二重被害となった能登半島の被災地に最も必要なのは、大量のボランティアの存在なのだということを忘れてはならないと思います。今からでも遅くない!
(被災地NGO恊働センター顧問 村井雅清)
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