熊本地震救援ニュース 第12報

 昨日の第11報で紹介しました熊本学園大学の画期的な避難所運営のあり方を 紹介させて頂きましたが、メディアでも数日前から「福祉避難所機能せ ず」 「慢性的人手不足が露呈」(神戸新聞、2016・4・23)など、福祉避難所の課題が 取り上げられています。
もともと絶対数が足りないのも事実ですから、日頃から受け入れ態勢が取れてい なければ、熊本地震のように対応ができないということになります。
 そうなると熊本学園のように、むしろ一般の避難所でも障害者のみならず災害 時要配慮者を積極的に受け入れるというしくみをつくることが急がれま す。福 祉避難所に避難してもらう、とか一般の避難所に福祉避難室をつくるという、特 別対応ではなく、「合理的配慮」という考え方があるように、そ れが当たり前 の施策にならなければならないでしょう。

<熊本学園大学の花田教授のコメントを紹介します。>
――避難者が多く来たとき、そこには地域の障害者がいるわけで、難しく言えば 「合理的配慮」としてのスペースの確保は当然。深い考えもなく講堂を それに 当て た。どこでもできることで、障害当事者の教授、障害者問題に40年にわた り関わっている教授、や水俣学研究センターの経験を生かしてやってことではあ れ、 何も難しいことはない。障害者本人たちと相談しながら勧めていけばい い。それがなぜできないのか。――

  障害者の受入をなんのてらいもなく当たり前のようにやったのですが、どうも阪 神、東北の被災と今回の地震を通して初めての試み。電気、水に加えてガスも戻 りつつあり、自立生活センター・ヒューマンネットワーク 熊本のメンバーもか なりの方々が帰宅されています。とはいえヒューマン以外の障害者たちがまだま だおられます。障害者だけではなく一般の避難者たちも、帰 宅の準備をされて おり今日の夕食段階で200名前後になりました。
  ただ、介護の体制は綱渡りです。残っておられる方々には、見守り、一部介助の 必要な方々がいますが、長くなってきましたので介護ボランティアが足らなく なってきました。とくに28日以降がめどが立っていません。昼もそうですが特に 夜来て下さる方募集です。介護といっても身体介護ばかりではなく、 見守り、 お話、移乗、移動の支援、身の回りの世話など広い範囲にわたります。

 一方「当NGO+宮本(兵庫県立大学)」が支援している西原村の避難者対応 の中で、高齢者の方などの対応として「24時間介護看護」の必要な被 災者もお られます。最優先で支援の必要なケースですが、ちょうど今朝、阪神・淡路大震 災から21年間、医療・福祉分野の専門家と連携をとってきた 先生たちが、 「今、西原村に向かっています!」という連絡が入りました。なんとありがたい 知らせなのか!
 日本災害復興学会の関係者も得意の専門分野での支援体制の検討に入ってくれ ています。
少し他の被災地よりは支援体制の構築が遅れた感がありますが、これからが第一 段階の正念場です。引き続きご支援をお願い致します。

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