熊本地震救援ニュース 第37報

<災害時におけるボランティア事情-18>
昨日から、元スタッフの岡本千明(作業療法士)が合流し、山西小学校と西原村構造改善センターで足湯をしました。避難所にいる方は、あまり動くこともないので、じっとしている方が多いです。中には「震災前までは、1時間歩いていたけれど、震災以降は歩かなくなった」という方や同じように「震災前までは、フィットネスクラブに通っていたけれど、行かなくなったので、筋肉がなくなった」という方が多くいます。岡本は足湯をしながら、被災者の状態を観て、筋肉の緊張をほぐしたり、状態に合わせて運動の仕方などを伝えています。

(岡本千明が足湯をしながら被災者から聞かせて頂いた“つぶやき”)
「首すじも揉んでもらえますか。いてて…。普段肩なんかこらんのだけど。」
「家では毎日1時間は歩いてたのに、ここでは全然。」
「動かないから、脚が細くなっちゃったよ。もっと筋肉あったのに。」
「物忘れがひどくなったよ。」
「お父さんが一生働いて建てた家がつぶれてしまった。お父さんこれ見なくて(既に亡くなっていて)良かったよ。」
「家も、たんぼも畑もみなつぶれちまった。なんもやることねえ。親から継いだもん全部なくなっちまった。」

(岡本千明のつぶやき)
  当然のことですが、いくら避難所としての環境が整えられても、自分の思いのままに、自分のペースで生活するということは困難で、家での暮らしとは程遠いものです。気遣い、不便、不自由さからストレスを感じておられる様子でした。さらに、それが先の見えないものとなると、一層不安が募るものです。活動の少ない単調な生活で、普段よりも頭や体を使わくなることによる機能低下(廃用)を招いている方も多くおられるようでした。一方で、心は不安やストレスで疲れておられます。話しかけると堰を切ったようにしゃべり出す方もいました。足湯をしながら首や肩などを少しほぐすと、少し楽になった、と言ってくださり、腰が痛い、肩を揉んでほしいなど不調を訴えられる方もいました。避難所で既に行われている医療的なケアと並行して、足湯のような形でより個別的に、フランクなかかわりのなかで体や心の状態に耳を傾ける ことの意義を感じました。

○GW後に避難所での炊き出しが極端に少なくなり、弁当などで補完するようになっています。
避難所の食事は、コンビニのもので朝は菓子パン、昼はおにぎり、夜はお弁当が提供されています。このような食事では、高血圧や糖尿など病気を持った人たちの悪化が懸念されます。避難所では足湯をしている時に子どもたちから「もう、パンは飽きた」という声を聞きました。避難生活で唯一楽しいのは食事の時間です。そんな楽しみな食事の時間がないのは、なんとも辛いことです。

○西原村でも、罹災証明発行が始まる。
順次罹災証明の発行が始まっています。足湯をしたときに、鳥子地区で被災した方の話を聞きました。ここは約30世帯弱あり、無事な家がなかったそうです。そして、その方の家は危険家屋判定が赤で、宅地の判定も危険という赤でした。それなのにり災証明は半壊だったそうです。それを疑問に思い、2次審査を申し込んでいます。危険宅地の判定でなぜ、半壊なのか、まったく理解ができません。

*ボランティア・バスへの期待が大きいです。旅行業の改正等の影響で、バスの待ち合わせ場所および車中で、金品のやり取りができなくなりました。それで、当センターでは、北部九州から出すボランティア・バスは往復無料で運行しています。
 しかし、業者から運転手つきでバスをチャーターすると約10万円が必要です。(27人乗りの中型バス)是非、一人でも多くの人を、また一台でも多くのボランティア・バスを送り出すために、みなさまのご協力をお願い致します。自分はボランティアには行けないけど、思いを届けて頂くようにボランティアに託したいという方も大歓迎です。よろしくお願い致します。これは、おたがいさま、支えあいの文化の創造です。
  お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で振り込んでください。「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
銀行から振り込む時は
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウ

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