熊本地震救援ニュース 第39報

<災害時におけるボランティア事情-19>
◎現地スタッフからのレポート。(5月25日、26日分)
 現在被災地では、1ヶ月を過ぎてもなお避難生活は続いています。断水が続いている地域や道が塞がれ仕事に行けない人、ビニールハウスや車中泊などいまだ多くの人たちが不自由な生活を余儀なくされています。そんな中で避難所では足湯を提供し、みなさんにとても喜ばれています。先日は阪神・淡路大震災以来ご 支援を頂いている高野山金剛峰寺の呼び掛けにより、北海道や福岡から僧侶のみなさまが足湯活動に参加してくださいました。
避難生活が続く中、「動かないので太った。」「蒸し暑くて大変。夜になると上の窓を閉めるので、一層感じる。みな我慢している」「昨日は喉が痛くて眠れなかった。今日、病院に行って注射を打ってもらった。普段は農作業やグラウンドゴルフをして大会に出ていた。」という不自由な暮らしを訴える声も聞こえてきました。一方で僧侶の方に足湯をして頂き、被災者の方からは、「お坊さんにこんなことしてもらったらバチが当たる」「足湯はとても気持ちよく、今日はよく眠れる」「足湯はとてもありがたい、遠くからこうして来てくれて本当にもったいない」「よく眠れています。ボランティアの方々に良くしてもらっているの で」と言って喜んでくれたという言葉も戴いています。いつも同じ環境の中での生活に足湯は一時潤いを感じて頂いてもいるような気がします。
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◎今回短い期間でしたが、応援に来て下さった元当NGOのスタッフだった岡本千明さんが、一旦熊本を引き揚げられました。その際に以下のような感想を寄せて頂きましたので、ここに紹介させて頂きます。
(倒壊家屋の多い地域に同行して)住まいを失うということは、暮らしを立て直す上では非常に大きな障害です。報道でも伝えられているように、倒壊家屋の解 体や被災 度の判定、仮設住宅の申請など、手順の定められた多くの行政手続きに、待ちくたびれ、先の見通しのたたない不安を抱えておられる方が多くおられます。今日お会いしたある方はこう言われました。「1ヶ月、時が止まっていたようだった。あの(倒れた)納屋を壊して、やっとみんなひと区切りついたようだ」「家が 残っていればどんどん復興していけるけど、住むところがない状態では、この先どうなるのか…」
仮設住宅も建設されていますが、果たして自分は入れるのか。もし入れなかったら…?
避難所での暮らしが数ヶ月に及ぶときの心身状態を想像できるでしょうか。開発途上国の被災地では、テントや廃材でつくった小屋で何ヶ月もしのぐ光景をよく 見ます。「政府は何もしてくれない」と、自分 たちで作ってしまうのです。後に立ち退きの問題も出て来たりするのですが、ある意味勝手にやってしまう、やれてしまう、やるしかない、という面では、ガチ ガチな制度下にあることと対極な身軽さを感じます。それが良いという意味ではなく、制度やマニュアルは何のためにあるのかということです。
災害時によって住まいを失う。誰にでもありえることで、そして、誰もがその状態からなるべく早く解放されるべきことだと思います。こういう時こそ手続きや支援策はよりフレキシブルに、人権第一に、あってほしいと思います。                           (岡本千明)
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●先日来みなさまにお願いしています「ボランティア・バス」に対するご寄付ですが、実に多方面から頂戴しています。ほんとにありがとうございます。こうしてご寄付によっておたがいさまの精神が形になり、ボランティアも被災者も喜ばれるという結果を生み出しています。寄付で財源を確保し、ボランティアでお手伝いをして下さる人が手を上げ、バス会社と契約しバスを走らせ、被災地支援の活動ができるということを、私たちは「災害時ボランティア経済活動」と言って います。みなさまとの協働作業に心から感謝を申し上げます。

●ボランティア・バスの第2便、第3便、第4便は、小倉、佐賀、長崎を予定しています。引き続きボランティア・バスへのご寄付をよろしくお願い致します。
  お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で振り込んでください。「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
銀行から振り込む時は
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

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