熊本地震救援ニュース 第55報

<災害時におけるボランティア事情-35>

◎6月13日の現地レポート
 ニュース第53報でもお伝えしたように、被災地での仮設の建設が遅れる中、西原村では木造仮設住宅30戸が15日に完成予定です。西原村では、木造50戸、プレハブ252戸が7月7日までに順次完成予定で、最初の入居は19日頃から始まる予定です。木造仮設では県産材を使って、プライバシー確保のため隣室の音が聞こえにくい壁を採用しているそうです。
木造_s
プレハブ_s

 そういう中で、被災家屋の片付けがボランティアの手により進んでいます。屋根の瓦を落としたり、家の中の片付け、倒れかけたブロック塀の撤去や荷物の移動などです。家屋の中は、地震の力の強さをまざまざとみせつけるように、多くの家財道具が転倒し、その倒れたタンスなどから奇跡的にいのちをとりとめたような状況が広がっています。そのお宅は、足湯をしているときに、「家の片付けは何もできとらん」ということを聞いて、1ヶ月以上経ってからの片付けでした。中は家屋の倒壊により、雨漏りがひどく、家財道具のほとんどにカビが生えたり、水によりタンスは膨張し開かないような状態でした。被災者の方は「情けない・・・」と憔悴しきった様子です。
部屋の掃除_s
部屋の掃除2_s

 また、瓦を落とすのは、倒壊の危険性を軽減するためと雨漏りを防ぐためで、瓦を剥ぎブルーシートをかぶせるのです。これは技術を要するので、屋根にあがるのは専門家ボランティアの仕事で、落とした瓦を拾うのは一般ボランティアで、お互いに連携しながら現場では作業が進められています。
瓦1_s
瓦2_s
瓦3_s
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 被災者の方は、片付けが終わると「これで安心じゃ、ゆっくり眠れる」と言ってくれます。あるおばあちゃんは「これから這い上がっていくしかない」ともおしゃっています。

 またボランティアのみなさんも北は北海道、南は沖縄まで各地から被災地に駆けつけています。今回私たちと一緒に活動したのは、関東から来てくれた全国展開する「UP GARAGE」という企業のみなさんです。西原名産の唐芋農家さんでは、出荷に向けて倒壊した貯蔵庫の中から、芋を運び洗浄機にかけるお仕事を手伝いました。貯蔵庫の倒壊により、芋が傷つき値段が下がるそうですが、出荷ができるということは、丹精込めたものを出す喜びになります。にわかに活気づき、ばあちゃん、じいちゃんの顔にも笑顔がこぼれます。「元気出た!」「こんなのみたことないじゃろ」と大喜びです。
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唐芋_s
じいちゃん_s
ばあちゃん_s
アップガレージ_s
記念撮影_s

~足湯のつぶやき~
仮設住宅に入ってから、先のことを考えなん。たぶんあそこ(以前住んでいた場所)は住めんど。

~ボランティアの一コマ
資材を管理しているボランティは、現場に持っていく資器材の管理をしています。みなさんが現場でスムーズに活動できるように、ボランティアセンターにはたくさんの資器材があります。足りないものがあれば調達し、道具を大切に管理しています。表舞台とは違いますが、縁の下の力持ちで、なくてはならないお仕事です。陰から被災者のみなさんを支えてくれています。

◎おかげさまで、ボランティア・バス佐賀便第1号は、ほぼ満席になりました。ご協力ありがとうございました。感謝!!
◎長崎便(6月25日発)はまだ空席があります。長崎担当 草野紀視子さんまでメールで申し込みください。草野紀視子 yu_kikijp@yahoo.co.jp まで。

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