熊本地震救援ニュース 第59報

<災害時におけるボランティア事情-39>
 前号で、「復興というのは、これまであったさまざまな「つながり」が災害によって、切れ切れになったものを、あるいはコトを、あらためて“つなぎなおす”ということだと思う。」と言った。
 そのつなぎなおす担い手の一番手は、ボランティアではないか。「西原村reborn プロジェクト」は、そのためにまず、災害後の応急対応に漏れがないか、あらためて被害状況を細かく把握するとともに、手分けをして村のことをより知ろうということだった。村での中心的な担い手は、わかばちゃんの他に、地震前からこの村で活動していた「たんぽぽハウス」、「文化創造館 風流」、「のろし西原」などがあり、そこに地震後に支援に入ってきた多彩な助っ人が加わる。例えば「たんぽぽハウス」は地震前から実施していた「こども食堂」に「ボランティア食堂」を加え、少しずつ収益の伴う事業活動として展開できないかを検討している。「文化創造館 風流」は、木造テントハウス作成プロジェクトを展開し始めている。これは、被災家屋の敷地に、この木造テントハウスを建てようというもの。このプロジェクトは人気があり、注文が増えている。長年住んできた愛着のある家の敷地で、家の再建を見届けていくという復興へのプロセスには欠かせない活動だ(増殖型復興という)。また「のろし西原」は、がれきを撤去したあとに花を植えようという「がれきと一厘の花プロジェクト」を展開し、世界中から復興メッセージを集めようという企画だ。被災者にとってこうしたメッセージは心強い。「わかばmeeting」では、炊き出しマルシェの経験を活かし、配食サービスへと事業化できないか、構想を進めている。他方、仮設住宅に住む被災者の生活支援も不可欠になり、在宅被災者の支援も疎かにできない。

 こうして災害後から続けて来た支援活動を活かしながら、復興というステージにつなげようと智恵を凝らしている。災害後西原村に支援に来たさまざまな団体や個人も加わり、これまでの経験も活かし、西原村を元気にしようというものだ。
 「rebornプロジェクト」は、このような多彩な「人」と「場」の活躍によって、被災者に寄り添うことをモットーに据え、これからの活動を継続していくことを宣言している。
  つまり、このような多様なボランタリーな支援活動がなければ、復興の道筋は見えないと断言できる。その上で、これまでには思いつかなかった新しい視点や感性を入れ込むことも忘れまい。21年前の阪神・淡路大震災のときに、私たちが学んだのは、「自立支援とは、被災者を孤立させないための人権運動である。その過程の中で求められているのは、未知の救援の文化創造である。」(1995・11・1、寺子屋講師、故秦洋一・朝日新聞論説委員の発言より)ということだった。熊本県が設置しようとする復興基金で、是非「先例となる施策」として、「未知の救援文化」を築いていて欲しいと願う。
 「西原村rebornプロジェクト」は、人と人、人と自然をつなぎ直し、「reborn西原村」を創造しようとしている。これからも是非、応援してください。 (村井雅清)

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