熊本地震救援ニュース 第66報

<災害時におけるボランティア事情-46>
 地震の影響で屋根の瓦が落ち、応急的にブルーシートをかけていますが、梅雨に入り豪雨により、ブルーシートが雨風にさらされ、残った瓦でこすれ、雨漏りの被害が続出しています。また、梅雨が明けると台風シーズンを迎え、瓦などは強い風により吹き飛んでしまうようなこともあるそうです。そうなると2次災害が心配だと住民さんは不安を募らせています。すでにこの「熊本地震救援ニュース6月2日、6月9日、6月12日号」で関連の記事を書いています。参考にして下さい。
ブルーシート1_s
 
 兵庫県三木市から来ていた専門家ボランティアの大工の稲見さん(震災復旧のための震災建築物被災度区分判定・復旧技術者)に指導してもらいながら、屋根のブルーシート張を行いました。瓦を落として、その上でブルーシートを張れば、残った瓦がブルーシートと擦れることなく、少しは長持ちします。ただ、そういった専門家ボランティアが不足しているため、ブルーシートを張るのも遅れています。(稲見さんの活躍については本ニュース6月2日から随時紹介しています。)
ブルーシート2_s
ブルーシート3_s
屋根張_s

熊本地震の場合、半壊以上は家屋の公費解体が認められ、仮設住宅への入居も可能になりました。被災者の方は、解体をするのか、残ったところを活かし、補強して再建するのか悩んでいます。それで、とりあえず自宅の中には家財道具も残っているし、半壊と認定された人も自宅で生活を続けている人はいるのです。家屋の公費解体、自宅の再建、瓦の修理など申請をして工事の着工までは、時間がかかります。例えば瓦屋さんもこの震災の影響で1年待ちとも言われています。公費解体について「熊本市は13日、罹災(りさい)証明書で「半壊」以上と認定された家屋を公費で解体・撤去する制度の予約受け付けを始めた。7月下旬ごろにも順次、着工する。ただ対象物件は1万2千棟超(13日時点)。申請が殺到すれば遅延は避けられない。市の担当者は『業者が不足しないかなど、見通せないことも多い』。 『嘘でしょ?』。大規模半壊と判定された南阿蘇村の契約社員、梅田喜美恵さん(55)は村職員から『解体は1~2年待ちです』と説明され、耳を疑った。」と日本経済新聞(2016/6/15)と伝えています。

被災者の方にとって、手の施しの用のない自宅を手をこまねていて見ているのはとても辛いことです。少しでも前に進むために、納屋を解体し、自宅を解体し、前に進むことが明日への希望にもつながります。ただ何もしないで時間が経つことほど辛い時間はないのです。地震のあとの豪雨により、二重の災害に見舞われ被害が拡大する中で被災者の気持ちを考えると、今後の台風シーズンを控え、被災者への迅速な支援活動のための熊本県や各被災自治体においては、各地からの支援を柔軟に受け入れ、よりスピーディな対応をお願いしたいものです。(台風1号が発表され、心配です。)
民家_s

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