熊本地震救援ニュース 第69報

<災害時におけるボランティア事情-49>
 九州では、立て続けに雨雲が流れ込み、各地で大雨が降り続いています。被災地では家屋の片付けや屋根の補修が思うように進まず、不安な日々が続いています。

 西原村では、木造仮設50戸、プレハブ仮設252戸の計302戸が完成し、順次引っ越しが進んでいます。雨の晴れ間をぬうように引っ越しされているようです。
 引っ越した被災者の方は、「やっぱここは落ち着くわ。一晩寝て、今日で2晩目だよ。やはり6人で狭いし、息子たちは自宅(全壊)で寝てます」と。他の方は、「やっぱ狭いね。3人で4畳半2間だもの。外に水道はないし、どうなることか。でもしてもらっているから、我慢しないといけないね」とあきらめ模様です。また、別の人は「孫が泊りにきてね。押し入れのところが、ドラえもんみたいで、めずらしがってそこに泊まっていったよ」、「車がないとお年寄りは買い物が不便よね。近くにスーパーもないし」と話してくれました。仮設生活が始まったばかりで、みなさんほっとしながらも不安と期待に心が揺れています。
 西原村では、買い物ができるように仮設住宅にお店を作る予定をしています。50戸に1つの集会所も建設されています。今後ボランティアも関わりながら、住み心地のよい仮設生活ができていくといいなと思います。
 19日には当センターのスタッフわかばちゃんが開く「わかばmeeting」の人たちや西原村社会福祉協議会とともに仮設でサロンのお手伝いや食器市を開催する予定です。

 そんな中で、7月10日の読売新聞「簡易住宅を『仮設』認定 大規模災害で初」という
ニュースが飛び込んできました。記事には「熊本地震で被災した農畜産業者らを対象に内閣府が、自宅敷地内に設ける簡易住宅「ユニットハウス」を災害救助法に基づく仮設住宅として認めることが9日、 わかった。同法の適用により、設置費用は国と市町村が負担する。農作業や家畜の世話などで自宅を離れにくい被災者の声に応えた。大規模災害で簡易住宅を仮設住宅とするのは初めてという。」ことが書かれていました。
 すでにボランティアがモデル的に敷地内に簡易住宅を建てている動きもあります。このような建物を仮設として災害救助法で支援してくれれば、被災者にとっても安心して自宅を再建できるのでしょう。
簡易住宅_s

 これは、前から私たちも提言していました。昨年の常総市でも半壊家屋が多く、大工さんを待ちながら、いまだに応急修理の水周りだけ工事が終わったまま、不自由な生活をしている人もいます。水害で半壊でもほとんど家財道具は水につかり、一階の天井近くまで水が染み込んでいる家屋が多く、農家や広い敷地ではそこで仮設があればどれだけ被災者の方が救われるかと感じていました。
 熊本地震では、半壊でも仮設に入居できるようになり、敷地内にユニットハウスが認められれば、仮設と同じもので、お風呂も台所もつけることができれば、特に農家の人は地元を離れずに住み慣れた環境で生活を続けることができます。もっと災害救助法を柔軟に運用し、被災者に寄り添った制度を認めてもらいたいです。
絆_s

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