熊本地震救援ニュース 第75報

 西原村に建設された小森仮設住宅での支援活動が徐々に行われています。今回は「西原村―木もくプロジェクト」(もくもくと読む)を紹介します。なお同プロジェクトを担当されているのが丸山真実さんという女性ですが、当センターの新しいスタッフ(2ヶ月間)として頑張っています。
 これは仮設住宅にお住まいの方々の要望に併せて、棚や踏み台、表札、簡易下駄箱、縁台などを作って差し上げる木工ものづくりのことです。リーダーは地元ボランティアや相談・設計アドバイザーとして尽力されて来た「藤本工務店」さんです。実際に活動をするときにはお二人のつながりから、熊本近隣の木育プロジェクトや林業関係者、建設関係者、技術学校の先生や学生ボランティアに協力してもらいながら、月1回程度で、活動しています。
 
 これまでに7月に2回、8月に2回開催し、仮設住宅で収納スペースが少ないということで、住民さんひとり一人のライフスタイルに合わせながら棚づくりをしてきました。
8月27日(土)~28(日)は2日間で42世帯の方が参加し、天理教防府学生会のボランティアなどに協力頂きながら、棚づくりを行いました。中には、解体する自分の家から床材とテーブルの脚をもってきて新たにテーブルを作る方もいたそうです。解体材の使用は藤本工務店さんのご夫婦がぜひともやりたいと言っていたことのひとつです。それは、解体する家の材を使うことで、思い出の保存につながるように、今後もこういう対応をしていきたい、と願っているそうです。

 また、参加した住民さんの中には日曜大工が得意な人がいて「また教えてやるけん」とうれしそうに話してくれたそうです。仮設に住むお父さんたちを外に出す、生きがいづくりの一環としても定期的にワークショップを開催できればと考えています。

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 同時に仮設での手すりや段差解消などバリアフリーの住まい環境現地調査がありましたが、今後仮設の環境改善の要望が増えることが予想されるので、保健師さんや理学療法士、作業療法士などで発足したJRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)などにも協力を仰ぎながら活動を続けていきたいと考えています。またこのことは、西原村の仮設に限ったことではないので、他の地域でもこのような活動が広がっていけば、うれしいですね。

 東日本の被災地でも仮設に暮らす男性への関わりが少なく苦労していました。そこでボランティアが仮設のはきだしの窓にベランダを住民さんと一緒に作っていました。そうすることで男の人も参加できて、生きがいづくりにつながったケースがありました。ボランティアはあくまでもきっかけ作りで、そこにいる被災者の方が主人公になれるように、熊本の現場でも活動しています。  
                                                         (増島智子)

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