熊本地震救援ニュース第94報

熊本地震からまもなく3年が経とうとしています。
当センターでは、西原村rebornネットワークを通じて支援活動を継続しています。なかなかニュースが配信できておらず、申し訳ありません。

2月17日(日)に、第2回西原村復興大座談会が開催されました。当日は、普段あまり聞こえてこない被災者の声を聞く機会として、「子育て世代」「障がい者」「移住者」「小さな集落」の4つのテーマで、様々な当事者の方々にお話を聞いたアンケートの結果について、お話がありました。

子育て世代のテーマからは、今まで出来ていた子どもたちの行事やスポーツなどが出来なくなってしまって、困ったけれど、ボランティアや地域の方の力で解決した、というお話や、一部損壊でもその後の雨漏りで結局、大きな修理が必要になり出費が重なったというお話などがありました。

障がい者のテーマからは、やはり避難所に行くことが出来ない。障害のある子どもたちの居場所がなかなかない、というお話がありました。一方で、家族の中での助け合いが非常に重要だったので、地震をきっかけにより家族間の絆が深まったという話をされる方もいたということでした。

移住者にとっての震災というお話の中では、もともと地域にいた方々との「違い」による「違和感」があるということが出てきました。しかし、その「違和感」は嫌悪感ではないというお話でした。移住者にとっての地域の捉え方と、もともと住んでいた方にとっての地域の捉え方は違う。それは、「おかしなところ」ではなく「違い」であるから、それぞれの違いを認め合っていけると良いよね、というお話がありました。

最後に小さな集落にとっての地震についてです。震災前10世帯であった集落が5世帯にまで減ってしまった。その中で色々なことをやっていくことに対する気力がなくなってきた、というお話が出てきました。一方で、残ったもので守っていかないといかん、というお話もありました。集落の中では、耕す人がいなくなった畑を森に還すための植林の活動なども行われているそうです。

こうして様々なテーマから地震や復興を考えてみると、多様な考え方や見え方があるということがわかってきます。特に声を出しにくい立場にいる方々にとって、地震やその後の生活再建をどのように捉えられているのかということを、私たちが考えていくことが非常に重要なことだと感じました。

こうした場を作ることによって、それぞれの想いを共有でき、そのことが未来へと向かっていくためのステップになるのではないかということを改めて感じました。

引き続き、熊本地震の被災地とじっくりとお付き合いをさせていただきながら、共に復興へと歩んでいきたいと考えています。(頼政良太)

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