熊本地震第救援ニュース第95報

熊本地震から3年が経ちました。昔は「災害は忘れた頃にやってくる」といいますが、昨年のように災害が相次ぐと、熊本のことも忘れられ、話題が少なくなっています。しかし、現実はいまだ仮設住宅などの避難生活を余儀なくされ、擁壁などの工事が始まりつつある一方で、手付かずの状態のままのところもあります。以下に、あれからの3年の被災
地をレポートします。


被災地では、現在、建設型仮設とみなし仮設住宅などの避難生活をしている人は、1万6519人います。長期化する避難生活の中で、西原村では今年の夏には仮設の集約が始まります。仮設の空き家が目立ってきていますが、コミュニティがバラバラになったり、引っ越しへの不安も隠せません。阪神・淡路大震災でも経験していますが、もう一度コミュニティを作るのは一苦労なのです。このように仮設の引っ越しは想像以上に負担が大きく、これまでの被災地で体調を崩した人を何度も見てきました。被災地でいつも繰り返されるこの光景に何とかならないものかと頭を抱え込みたくります。

久しぶりに訪ねたお宅では、家族総出で唐芋(さつまいも)の選別や植えつけのための苗の切り取る作業をしていました。いよいよ植えつけの準備です。思い起こせば、3年前の4月に地震が発生し、その片付けに追われる最中に、唐芋の植えつけの時期にぶつかりました。家の片付けももちろんしなくてはならないのですが、唐芋農家にとっては、この時期に苗を植えないと一年間の収入が途絶えてしまい、暮らしの再建にはいもの苗を植えることが欠かせない大切なことでした。そこで、西原村では西原村農業復興ボランティアセンター(西原村百笑応援団)が立ち上がり、農業に特化したボランティア活動が行われました。また、生きがいとしての農作業を支えることは何より被災者の励みとなりました。(*ボランティアセンターでは、原則農業などの生業支援はしていません。それは農家の利益につながるということでしていないのです。)
中には、今回の地震で農家をあきらめかけようとしていた人もボランティアのお陰で、農業をもう一度やり直そうとした人も少なくありません。

他の被災地では生活再建イコール家の片付けということで、畑や事業主さんの片付けは後回しか、手付かずに追いやられてしまうケースがほとんどですが、西原村ではそのタブーを打ち破り農業支援のボランティアセンターができたことはとても画期的なことでした。これで被災者も生きる糧となる農業をしながら家の再建にも力を注ぐことができるのです。

今年もこうして、唐芋の苗を植えている様子に立ち会えることができてうれしかったです。(増島智子)

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