10月27日~29日までの珠洲報告の最後ですが、本レポートNO12で少し触れたM邸の話です。次回と2回に分けて報告します。このM邸の場合は、これまで本レポートで発信してきた「耐震補強」はもちろんですが、福祉分野とたてもの修復との連携が欠かせないという典型的なケースでもあります。実は、そのためには“たてもの修復支援ネットワーク”の長谷川順一代表によるアドバイスが地元工務店に十分聞きいれられるかという課題があります。加えて、同工務店の見積もりの範囲では、肝心の修復までは対応できないという経済的な課題もあるのです。(一応見積もりは終わり、11月6日から工事にかかっている予定)
ただ深刻なのは同居している息子さんに障害があり、その息子さんが住んでいた部屋が損傷を受けたために、とりあえず現在の段階ではその部屋だけを地元工務店が修復することになっています。しかし、この見積もりの範囲では、肝心の “トイレおよびトイレまでの動線”(つないでいる廊下など)を解決しなければならないという課題が残っているのです。
私が先月Mさんのヒアリングに入った時に、途中でトイレをお借りしたのですが、この
トイレを見た時に、「これでは、衛生面が問題あり!」だと思いました。トイレを大改造することがベストですが、Mさん宅のトイレは水洗ではなく、浄化槽式のために、水洗にするには、下水の配管工事から始めなければならないとのことで、そうなると最低でも200万円は必要ということになることがわかりました。
Mさん(83歳)は息子さんの部屋だけの修理ということで、被災者生活再建支援金33万円と民間の保険で90万円とで120万円の工事費で地元工務店に依頼されました。息子さんの部屋の修理だけで消えていきます。Mさん宅の住まい修復の概要はこのようなことです。(続きは次号で…。)(顧問 村井 雅清)
*なお「奥能登地震2023」の活動は、公益社団法人Civic Forceとのパートナー協働事業として実施します。
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