奥能登地震2023・5被災者支援活動レポート-20

先日11月17日から19日の3日間、珠洲のMさん宅を訪問してきました。地元工務店のTさん、ささえ愛センターの担当者お二人(社会福祉協議会職員)、建築士の長谷川さんと私の5人でMさんとトイレの件で話し合いをしました。工務店のTさんからユニットのトイレと風呂のカタログをお見せして、丁寧に説明をしていました。大変、嬉しそうな表情でしたが予算が用意できるかどうかは結論が出ていません。とりあえずは、すでに取り掛かっている息子さんの部屋の修理を優先しなければならないということもあります。長谷川さんとTさんとの提案は、トイレと風呂の件が解決すれば、現在のトイレは撤去し、“減築”しようという提案です。息子さんの部屋と廊下の境が雨漏りの可能性があるために、減築することで工事費が少しは抑えられるのでは・・・という理由もあります。

 加えて新しいユニットのトイレと風呂は、83歳のMさんが普段使っている部屋から最も近いところに設置することを考えています。何故なら、普段トイレや風呂の掃除はMさんがすることになるからです。少しでもMさんの負担を無くそうという計画です。もしこの計画が決まれば、さらにMさんの負担を減らすために、10月からスタートした「ささえ愛センター」からのサポートが期待できるのではないかと思います。
 ただ、本レポートでも触れたように、今後の災害時における大きな問題は、災害ケースマネジメントの「福祉と住宅再建」という課題です(本レポートNO18参照)。具体的にはささえ愛センターから新たな財政的支援がないと不安が消えないという難しいケースも出てくるのではないかということです。2007年の能登半島地震で、輪島市は独自に被災者生活再建支援法から拠出される支援金に上乗せとしてバリアフリーにすればプラス十数万を出したのです。段差や手すりの設置だけではなく、輪島市の決断を振り替えれば、Mさんのようなケースにも福祉政策として支援金の上乗せは不可能ではないということは明らかです(能登ふるさと住まい・まちづくり支援事業、2007~2009)。

 「タラ・レバ」の話になりますが、奥能登地震後の早い段階で私は関係者に先述の輪島の事例は説明していたのです。珠洲市が災害後直ちに輪島市から指導を受けていれば実現した話ではないかと思うと、なんとも残念です。次なる災害時の課題です!!(顧問 村井 雅清)

*なお「奥能登地震2023」の活動は、公益社団法人Civic Forceとのパートナー協働事業として実施します。           

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