(今号より、これまでの「2023・5能登地震被災者支援活動レポート」としていましたが、表記の名称に変更させて頂きます。)
奥能登地震発生から2ヶ月を過ぎ、新聞、テレビ、SNSなどメディアから「復興」という言葉が散見されます。しかし、被災者宅を訪問していると被災地では「復興」という2文字にはついていけない人たちも少なくないことを忘れてはならないでしょう。
ただ、こうしたタイミングで先日7月17日珠洲市正院公民館で珠洲市復興応援企画として、珠洲市正院区長会主催の“いっぷくせんかいね”というイベントが行われました。約100人の被災者や住民が集まり、当NGOも末席にてお手伝いをさせて頂きました。なるほど、“いっぷくせんかいね”は名言だと思いました。阪神・淡路大震災の4年目に「復興途上における踊り場」にいるというメッセージを発信しましたが、この“いっぷくせんかいね”の方が被害者にとってもピッタリのような気がします。
同イベントでは、市役所の方々による災害後の手続き上の相談、災害看護研究所のメンバーによる足湯・ハンドマッサージをしつつ健康相談を、また弁護士・司法書士・行政書士による何でも相談、住宅金融支援機構、住まい再建に関する相談と、この時期被災者が悩んでおられることに対する相談事業が行われました。まだまだ全被災者にこのイベントが周知されていないと思われますので、これからも手法を工夫し何度か開催する必要を実感します。
ところで、どうしてもこの種のイベントには、深刻な事情を抱えていて、相談したくてもそこに行けないという深刻な事例があることを忘れてはならないでしょう。我々支援する側は、あの手この手と、被災者が孤立しないように多彩な工夫をするのですが、このように残念ながらヌケ、モレが出てきます。こうした現実に対して、珠洲市健康増進センターが音頭をとり、災害時要援護者宅(約200軒)へ、1軒1軒丁寧に巡回訪問をされていることも、後日知り、「ホッ!」としているところです。「一人ひとりに寄り添う」支援が確実に行われているということです。
私は建築士の長谷川順一さんが、たてもの修復再建のために個別対応している現場に同行させて頂ていますが、あらためて「災害」というのは、それまでの暮らしのリズムを容赦なく壊していくのだということも痛感します。
“いっぷく”とか“踊り場”という意味は、ここでちょっと立ち止まり、この先の暮らしに向けて、いろいろな意味でエネルギーを蓄えようと意味でもあると思います。
*長谷川順一さんは、2007年の能登半島地震および新潟中越沖地震後に発足した「たてもの修復支援ネットワーク」代表です。
(顧問 村井雅清)
*なお今後の「奥能登地震2023」の活動は、公益社団法人Civic Forceとのパートナー協働事業として実施します。
■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
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名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「奥能登地震2023」と記入して下さい。
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