熊本地震救援ニュース 第45報

<災害時におけるボランティア事情-25>

 今日は、熊本地震発災以来ご支援を頂いている高野山真言宗総本山金剛峯寺社会人権局の呼び掛けにより、福岡教区のみなさんが参加者を募り西原村災害ボランティアセンターを通して、足湯活動やガレキの撤去、家屋の掃除などの活動に参加してくれました。(以下6月2日の現地レポート)
 この日は、村内にある2カ所の避難所で足湯を行いました。被災者の方は、「お坊さんにしてもらえるなんて、ありがいたい」ととても喜んでくれました。
足湯2_s
足湯1_s

そして、足湯をしていると「家は赤紙で入れんし、何もしとらん」という方がいたので、急きょ現場を確認に行きました。家の中の畳はすでに雨漏りでびしょ濡れで、あちこちにカビが生え、タンスが倒れ、あらゆるものが散乱し、地震の力のすさまじさを実感します。仏壇以外はほぼ手つかずの状態で、被災者の方はポツリと「家にかえってくると悲しくなる」と一言こぼされていました。
そして、そのお隣のお宅では同じ避難所生活をしている住民の方が自分たちで荷物を出すなど片づけをしていました。部屋の中を見せてくれたのですが、仏壇はあるもののお位牌が床に落ちていました。同行してくれた僧侶の方が、宗派は違いますが、「お参りさせて頂いてよろしいですか」と了解を得て、お参りをさせて頂きました。僧侶の方が「仏さまはどういう状況でも怒りませんよ。安心してください。心の中で祈っていれば大丈夫だから」と話してくれました。震災により何もかも壊されてしまいましたが、心だけは壊されずにしっかり気持ちを持ち続けられることができれば何よりかもしれません。
お位牌_s
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 僧侶の方が足湯をして拾ったつぶやきを紹介します。「ずっと農業をしてきた。今、豚を飼っているが、地震で大変だった豚に被害はなかったのがよかった。今みんな草取りやニンニクの収穫の時期で朝早くから出掛けている。」(80歳代女性)。西原村では畜産をしている方、唐芋やニンニク、ピーナッツなどの農業に携わっている方が多くいます。

 午後からは福祉避難所で足湯を行いました。みなさん常連さんで足湯を楽しみ待っておられます。そして、まけないぞうもプレゼントさせてもらったら、「かわいい!!」と早速、押し車に飾ってくれました。
まけないぞう_s

また、私は石鹸フラワーを作っているのよと石鹸をポットに入れてお花を生けた素敵なフラワーポットを見せてくれました。まけないぞうも一緒に記念撮影をしました。
フラワーポット_s
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そして、避難所では西原村で被災した「俵山コーヒー焙煎所」の方がコーヒーを無償提供しています。また、全国のコーヒー店からもお茶菓子などを含めたご支援を頂いているそうです。不自由な避難生活に一杯のコーヒーは被災者の方にくつろぎと笑顔を運んでくれています。被災地では被災された方が自ら地元のために動いている方々がたくさんいらっしゃいます。地域での支え合いが息づいていることを、そこかしこに感じています。そして村の人たちから「西原村に来てくれたみなさんに感謝しています。」という言葉を頂いています。
コーヒー1_s
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なお、高野山真言宗のみなさんは、今後も被災地支援のために、寺院の復興を軸に当センターとも連携しながら活動を続けて下さいます。6月は福岡青年教師会の方々が週に2~3回程度、数名単位で西原村などで活動を行う予定です。2007年の能登半島地震で「高野山足湯隊」が結成されたのですが、こうしてその趣旨がしっかり引き継がれ、熊本でも活躍しておられるのが嬉しいですね!!

●みなさまからの多大なご支援、ご協力がこうして被災地で生かされ、つながりが広がり、多くの発見や学びを頂いていることに心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。引き続きご支援をお願い致します。

熊本地震救援ニュース 第44報

<災害時におけるボランティア事情-24(案)>
●ニュース第31報および第34報(HP,FBのみ毎日新聞記事付き)で紹介させていただきました「寺本わかばちゃん」(西原村出身、神戸大学)が、日々地元の被災者との交流をコツコツと続けています。わかばちゃんにとっては、被災者と支援者ではなく、「あなたとわたし」という関係だそうです。
 「まちづくりは人づくり」という表現がありますが、わかばちゃんの周りには、人が勝手につながっていきます。もちろん、わかばちゃんには人づくりをしている感覚はありませんバイ!

<そのわかばちゃんからのレポートです。>
6月1日に頼政代表とわかばちゃんと一緒に葛目集落の方と梅摘みをした時の話です。。
わかばちゃんが足繁く通っていく中で、住民の方からお声がかかりました。なかなかこうした日常が取り戻せないという被災者が多いです。被災後の暮らしの再建ってこういうことですね!わかばちゃん、ありがとう!
(以下、わかばちゃんの感想です。)
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「今日梅ば摘むけん、よかったら来なっせ~」
集落で出会って仲良くなったおばあちゃんから、今朝嬉しそうな声で電話がかかってきました!人生初の梅摘み!
おじいちゃんおばあちゃんとおしゃべりしながら楽しい時間を過ごしました。
ボランティア対被災者の関係より、「あなたとわたし」という関係を築いていきたい。対個人としてできること、やりたいことをやりたいと思うようになりました。そういう存在が拠り所になるのかなと思います。
「あたが加勢しにくるって知っとったけん、今年はいつもよりたくさんなったとばいな」
そんな言葉がとても嬉しかったです!
今日摘んた梅はおばあちゃんと一緒に梅干しにします!
楽しみだな~(^O^)
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熊本地震救援ニュース 第43報

<災害時におけるボランティア事情-23>
<大工ボランティアの1日(5月30日レポート)>
 当センターのボランティアさんが現場で汗を流しながら活動しています。三木市にある稲見建設代表の稲見充典さんは、2級建築士であり大工、そして、被災度区分判定技術者でもあります。ここ西原村では、多くの家屋や納屋が倒壊しています。そこで、大工さんなどの資格がある方の指導のもと、倒壊した納屋などからトラクターや耕運機や車を救出しています。現場では“棟梁”と呼ばれボランティアさんともわきあいあいと活動をしています。ボランティアさんの中にも、植木屋さん、設備屋さん、司書、僧侶、動物病院などなど多くの技術を持った人たちが被災地に駆けつけています。いわゆる専門家ボランティアです。
 稲見さんのチームにもそんな方たちが参加しながら、トラクターなどの救出大作戦を行っています。そのメンバーの中には、阪神・淡路大震災当時に一緒にボランティアをしていた“一番さん”(西原村通称)が活躍しています。
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 丁寧に一枚一枚瓦を剥いで、それをボランティアさんが運び、出てきた木枠を細かく切り出し、それをトラックへ積み込み、「ゴミ」処理場へ運んでいきます。炎天下の地道な作業が続きます。
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 いくつもの被災地で活動しているベテランさんのボランティアさんに「ゴミ」処理場に連れて行ってもらいました。そこには、たくさんの「がれき」が運び込まれていました。木材、土瓦、コンクリート瓦、アスファルト、ガラス、鉄くずなど被災現場で細かく分類され持ち込まれます。
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ベテランのボランティアさんは、「発災直後は瓦やブロック塀、アスファルトなどそして木材や生活用品など時間を追うごとに処理場に集まってくるものが違う」と話してくれました。「だんだんと運び込まれるものも少なくなりつつあるのは、あとは解体を待っているのだろう」と、「ゴミ」処理場からも被災地の現状が見えてくることを教えてくれました。
そこには多くの思いでの詰まったものがあり、その背景を考えると胸が押しつぶされそうになります。一番さんが家屋の片付けの現場を続けていて「もう、思い出を捨てるのは辛い」とつぶやいていました。「ゴミ」や「ガレキ」ではなく、思い出や財産なのです。
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 使い終わった車や資器材は、きれいに洗浄されて、翌日の活動に備えています。ボランティアのみなさん毎日本当にお疲れさまです。

◎21年前の阪神・淡路大震災後も、多彩な専門家の方々が支援に来られましたが、専門家がボランティアをされる場合の共通点があるように思います。それは、専門家というのは縦割りが当り前のようなところがあるのですが、ボランティアにくると自分の専門外の分野に細かな配慮ができるということです。視点を変えると、だからこそ専門家と言えるのかなぁとも思います。敢えて一般ボランティアと専門家ボランティアと分けて見ると、一般ボランティアと言えども“プロの素人”と言われるほどのボランティアの鏡のような方もおられます。

◎「走れ ボランティアバス」佐賀便、長崎便の企画が進みつつあります。引き続きご支援をお願い致します。お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で、「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
銀行から振り込む時は
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

熊本地震救援ニュース 第42報

<災害時におけるボランティア事情-22>
 先日から朝日新聞の「てんでんこ」というコーナーで、被災地熊本のルポが紹介されています。この記事を書かれている佐々木亮さんというベテラン記者は、実は21年前は阪神・淡路大震災の時には神戸の大学で勉強していた方で、当NGOが事務局を担っていた「市民とNGOの「防災」国際フォーラム実行委員会」のメンバーの一人で、同フォーラムの運営はもちろん、『市民がつくる復興計画』『第1回市民とNGOの「防災」国際フォーラム報告書』作成など、大活躍された方です。特に、同報告書の最後の「ドキュメント・神戸宣言ができるまで」の3頁を担当してくださいました。
 前置きが長くなりましたが、この今朝の「てんでんこ-熊本避難ルポ3 経験」に牧師の奥田知志さんの言葉が紹介されています。それは、「地元が活動主体となることが重要だ」という言葉です。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12386479.html

21年前当NGOは、「阪神大震災地元NGO救援連絡会議」の分科会の一つとして生まれたのですが、この阪神大震災地元NGO救援連絡会議」を震災の二日後に立ち上げたのは、草地賢一という牧師です。残念ながら2000年に他界されましたが、草地牧師と奥田牧師は旧知の仲であったとのことで、私もびっくりしました。
 先述したフォーラムの魂には、草地牧師が貫いていた地元主体や主権在民、被災者主体というキーワードが根底に流れていたのですが、見事に21年目に発生した熊本地震で、沸々と蘇えったようです。
 この救援ニュースでもよく、被災地各地における被災者同士の助け合いや大学生の自主的な活動などを紹介してきました。つまり、これは阪神・淡路大震災後の被災者によるボランタリーな動きの再現です。そういう意味では、私たちのような被災地外のボランティアは、徹底した「黒子」になることが求められているような気がしています。これからの課題は、黒子としての後方支援とは何かということではないだろうか?と思う次第です。(村井雅清)

◎「走れ ボランティアバス」佐賀便、長崎便の企画が進みつつあります。ただ、天気との睨み合いが大変で、「雨天のため活動中止!」とならないように工夫が不可欠です。引き続きご支援をお願い致します。
  お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で振り込んでください。「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
銀行から振り込む時は
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

熊本地震救援ニュース 第41報

<災害時におけるボランティア事情-21>
◎<菊池高校生による足湯ボランティア(5月29日)
 当センターのボラバスのみなさんが日曜日に植えた唐芋の苗は雨を受けて元気に空に向かってまっすぐ伸びています。
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今日は菊池市で地域おこしにかかわっている方のご紹介で、菊池高校の生徒さんと足湯を行いました。地元の女子高校生の参加で避難所のお年寄りはとても心が和んだ様子で笑顔がとてもすてきでした。孫のような高校生のみなさんに自然と笑みがこぼれる姿は、そばで見ていてもこちらも心を癒されました。
高校生1_s
高校生2_s

 高校生が拾ったつぶやきを紹介します。
*「家が半壊してつらい」(泣きながら話をしておられ、今回の地震のことを改めて考えさせられました。)
*「こんな事までしれくれるの(足をふく)うれしい、ありがとう」
*「土日に息子さんが会いに来てくれることが楽しみ」
*「香りがいい(アロマ)」、「余震の時、子どもが怖がる」など、不安の声も聞こえてきます。
心にためていることが、一対一で行う足湯のなかでポロポロとこぼれてきます。
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 被災者の方も地元の高校生ということもあって、話が弾みます。高校生も足湯活動を楽しんでくれました。近いうちに地元のみなさんの足湯隊ができるかもしれません!
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(足湯はこうして被災地の中に定着し、お互いに励ましあい、そして学びあうという形が理想です。昨年9月に鬼怒川の氾濫で浸水被害のあった常総市でも足湯を展開しましたが、その内に被災者でもあるペルー人の女性が足湯を覚えてくださり、私たちと一緒に参加してくれました。すると、そのペルーの人にして貰った高齢女性は、「同じ被災者にこうしてしてもらうのは格別だね!」と喜んで頂きました。是非、菊池高校足湯隊が誕生することを楽しみにしています。)

●ボランティア・バスの第2便、第3便、第4便は、小倉、佐賀、長崎を予定しています。引き続きボランティア・バスへのご寄付をよろしくお願い致します。
  お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で振り込んでください。「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
銀行から振り込む時は
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

熊本地震救援ニュース 第39報

<災害時におけるボランティア事情-19>
◎現地スタッフからのレポート。(5月25日、26日分)
 現在被災地では、1ヶ月を過ぎてもなお避難生活は続いています。断水が続いている地域や道が塞がれ仕事に行けない人、ビニールハウスや車中泊などいまだ多くの人たちが不自由な生活を余儀なくされています。そんな中で避難所では足湯を提供し、みなさんにとても喜ばれています。先日は阪神・淡路大震災以来ご 支援を頂いている高野山金剛峰寺の呼び掛けにより、北海道や福岡から僧侶のみなさまが足湯活動に参加してくださいました。
避難生活が続く中、「動かないので太った。」「蒸し暑くて大変。夜になると上の窓を閉めるので、一層感じる。みな我慢している」「昨日は喉が痛くて眠れなかった。今日、病院に行って注射を打ってもらった。普段は農作業やグラウンドゴルフをして大会に出ていた。」という不自由な暮らしを訴える声も聞こえてきました。一方で僧侶の方に足湯をして頂き、被災者の方からは、「お坊さんにこんなことしてもらったらバチが当たる」「足湯はとても気持ちよく、今日はよく眠れる」「足湯はとてもありがたい、遠くからこうして来てくれて本当にもったいない」「よく眠れています。ボランティアの方々に良くしてもらっているの で」と言って喜んでくれたという言葉も戴いています。いつも同じ環境の中での生活に足湯は一時潤いを感じて頂いてもいるような気がします。
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◎今回短い期間でしたが、応援に来て下さった元当NGOのスタッフだった岡本千明さんが、一旦熊本を引き揚げられました。その際に以下のような感想を寄せて頂きましたので、ここに紹介させて頂きます。
(倒壊家屋の多い地域に同行して)住まいを失うということは、暮らしを立て直す上では非常に大きな障害です。報道でも伝えられているように、倒壊家屋の解 体や被災 度の判定、仮設住宅の申請など、手順の定められた多くの行政手続きに、待ちくたびれ、先の見通しのたたない不安を抱えておられる方が多くおられます。今日お会いしたある方はこう言われました。「1ヶ月、時が止まっていたようだった。あの(倒れた)納屋を壊して、やっとみんなひと区切りついたようだ」「家が 残っていればどんどん復興していけるけど、住むところがない状態では、この先どうなるのか…」
仮設住宅も建設されていますが、果たして自分は入れるのか。もし入れなかったら…?
避難所での暮らしが数ヶ月に及ぶときの心身状態を想像できるでしょうか。開発途上国の被災地では、テントや廃材でつくった小屋で何ヶ月もしのぐ光景をよく 見ます。「政府は何もしてくれない」と、自分 たちで作ってしまうのです。後に立ち退きの問題も出て来たりするのですが、ある意味勝手にやってしまう、やれてしまう、やるしかない、という面では、ガチ ガチな制度下にあることと対極な身軽さを感じます。それが良いという意味ではなく、制度やマニュアルは何のためにあるのかということです。
災害時によって住まいを失う。誰にでもありえることで、そして、誰もがその状態からなるべく早く解放されるべきことだと思います。こういう時こそ手続きや支援策はよりフレキシブルに、人権第一に、あってほしいと思います。                           (岡本千明)
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●先日来みなさまにお願いしています「ボランティア・バス」に対するご寄付ですが、実に多方面から頂戴しています。ほんとにありがとうございます。こうしてご寄付によっておたがいさまの精神が形になり、ボランティアも被災者も喜ばれるという結果を生み出しています。寄付で財源を確保し、ボランティアでお手伝いをして下さる人が手を上げ、バス会社と契約しバスを走らせ、被災地支援の活動ができるということを、私たちは「災害時ボランティア経済活動」と言って います。みなさまとの協働作業に心から感謝を申し上げます。

●ボランティア・バスの第2便、第3便、第4便は、小倉、佐賀、長崎を予定しています。引き続きボランティア・バスへのご寄付をよろしくお願い致します。
  お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で振り込んでください。「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
銀行から振り込む時は
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

熊本地震救援ニュース 第38報

<住宅耐震の義務化を制度にすべき!!>
 5月24日のマスコミ各紙に、今回の熊本地震によるインフラ関連の被害額が「最大4・6兆円」と発表された。地震被害は、建物さえ壊れなければ被害は極端に少なくなります。同日の毎日新聞によると、その4・6兆円のうち、住宅、工場、学校などが1・6兆~3・1兆円と大きく占めています。しかし、同紙の「熊本、大分両県には自動車や電機産業が集積。民家のほか、ホンダやソニーなどの大規模工場が被災したため、金額が膨らんだと見られる。」を参考にすると、実は住家の被害が最も少ない可能性もあるとも推測できる。稲毛政信さん(木造住宅耐震改修推進研究所長)は、4月17日付けの神戸新聞にて「安全化を含め耐震義務化を」と訴えている。稲毛さんによると「国の統計によると、建て替え滅失により、10年間で195万戸耐震性不足住宅を減らした実績があり、対象住宅は同様に減るとして555万戸になる。補助率を7割とすれば、140万円×0・7×555万戸で、約5・5兆円の予算になる。」(神戸新聞、 2016・4・17)と計算されている。

単純には比べられないのかもしれないが、耐震の備えをしていない場合と、耐震の義務化をして建物が壊れないようにする方が、明らかに費用対効果がよいということにならないか?もちろん、費用面のみならず建物が壊れないということは、災害時の地域における助け合いがもっとスムースに進むだろう。さらに、一時的な避難場所としても壊れなかった住家が使えるということでもある。阪神・淡路大震災では、亡くなった6434名の88%は、家屋倒壊の下敷きになったことが原因だと言われているだけに、以来20年を経過した昨年、地元紙代表でもある神戸新聞も、「耐震化の義務化」を提言としている。
 日本列島には少なくとも活断層が2000を下らない。いつ、どこででも地震が発生してもおかしくないこの国の最大の災害に対する備えは、住宅の耐震義務化であることを強調したい。
*一部屋だけの耐震シェルターや耐震ベッドについては、規格品の部材をプレカットしておけば、ボランティアが一定の研修を受け、プロの大工さんについてお手伝いをすれば、可能なことが多いようだ。「プロの素人」を目指して、建築サポートボランティアが大量に生まれることを希求する。

*ボランティア・バスへの期待が大きいです。旅行業の改正等の影響で、バスの待ち合わせ場所および車中で、金品のやり取りができなくなりました。それで、当センターでは、北部九州から出すボランティア・バスは往復無料で運行しています。
 しかし、業者から運転手つきでバスをチャーターすると約10万円が必要です(27人乗りの中型バス)。是非、一人でも多くの人を、また一台でも多くのボランティア・バスを送り出すために、みなさまのご協力をお願い致します。自分はボランティアには行けないけど、思いを届けて頂くようにボランティアに託し たいという方も大歓迎です。よろしくお願い致します。これは、おたがいさま、支えあいの文化の創造です。
  お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で振り込んでください。「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
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熊本地震救援ニュース 第37報

<災害時におけるボランティア事情-18>
昨日から、元スタッフの岡本千明(作業療法士)が合流し、山西小学校と西原村構造改善センターで足湯をしました。避難所にいる方は、あまり動くこともないので、じっとしている方が多いです。中には「震災前までは、1時間歩いていたけれど、震災以降は歩かなくなった」という方や同じように「震災前までは、フィットネスクラブに通っていたけれど、行かなくなったので、筋肉がなくなった」という方が多くいます。岡本は足湯をしながら、被災者の状態を観て、筋肉の緊張をほぐしたり、状態に合わせて運動の仕方などを伝えています。

(岡本千明が足湯をしながら被災者から聞かせて頂いた“つぶやき”)
「首すじも揉んでもらえますか。いてて…。普段肩なんかこらんのだけど。」
「家では毎日1時間は歩いてたのに、ここでは全然。」
「動かないから、脚が細くなっちゃったよ。もっと筋肉あったのに。」
「物忘れがひどくなったよ。」
「お父さんが一生働いて建てた家がつぶれてしまった。お父さんこれ見なくて(既に亡くなっていて)良かったよ。」
「家も、たんぼも畑もみなつぶれちまった。なんもやることねえ。親から継いだもん全部なくなっちまった。」

(岡本千明のつぶやき)
  当然のことですが、いくら避難所としての環境が整えられても、自分の思いのままに、自分のペースで生活するということは困難で、家での暮らしとは程遠いものです。気遣い、不便、不自由さからストレスを感じておられる様子でした。さらに、それが先の見えないものとなると、一層不安が募るものです。活動の少ない単調な生活で、普段よりも頭や体を使わくなることによる機能低下(廃用)を招いている方も多くおられるようでした。一方で、心は不安やストレスで疲れておられます。話しかけると堰を切ったようにしゃべり出す方もいました。足湯をしながら首や肩などを少しほぐすと、少し楽になった、と言ってくださり、腰が痛い、肩を揉んでほしいなど不調を訴えられる方もいました。避難所で既に行われている医療的なケアと並行して、足湯のような形でより個別的に、フランクなかかわりのなかで体や心の状態に耳を傾ける ことの意義を感じました。

○GW後に避難所での炊き出しが極端に少なくなり、弁当などで補完するようになっています。
避難所の食事は、コンビニのもので朝は菓子パン、昼はおにぎり、夜はお弁当が提供されています。このような食事では、高血圧や糖尿など病気を持った人たちの悪化が懸念されます。避難所では足湯をしている時に子どもたちから「もう、パンは飽きた」という声を聞きました。避難生活で唯一楽しいのは食事の時間です。そんな楽しみな食事の時間がないのは、なんとも辛いことです。

○西原村でも、罹災証明発行が始まる。
順次罹災証明の発行が始まっています。足湯をしたときに、鳥子地区で被災した方の話を聞きました。ここは約30世帯弱あり、無事な家がなかったそうです。そして、その方の家は危険家屋判定が赤で、宅地の判定も危険という赤でした。それなのにり災証明は半壊だったそうです。それを疑問に思い、2次審査を申し込んでいます。危険宅地の判定でなぜ、半壊なのか、まったく理解ができません。

*ボランティア・バスへの期待が大きいです。旅行業の改正等の影響で、バスの待ち合わせ場所および車中で、金品のやり取りができなくなりました。それで、当センターでは、北部九州から出すボランティア・バスは往復無料で運行しています。
 しかし、業者から運転手つきでバスをチャーターすると約10万円が必要です。(27人乗りの中型バス)是非、一人でも多くの人を、また一台でも多くのボランティア・バスを送り出すために、みなさまのご協力をお願い致します。自分はボランティアには行けないけど、思いを届けて頂くようにボランティアに託したいという方も大歓迎です。よろしくお願い致します。これは、おたがいさま、支えあいの文化の創造です。
  お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で振り込んでください。「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
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 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウ

熊本地震救援ニュース 第36報

<災害時におけるボランティア事情-17>
 熊本地震救援ニュース第35報に、足湯に来られた被災者で脳梗塞を患われた方の話を紹介しました。「(脳梗塞で)左側が思うようにいかんのです。(足湯を受けて)あぁなんか左肩が楽になってきたような感じがします。」という内容です。
 足湯というのは、バケツにくるぶしが浸かる程度のお湯を入れて、15分ほどつけているだけで、少し手を擦って上げます。それだけのことですが、この方のように脳梗塞を患っておられる方でも、血行がよくなって上半身に反応を興されるということがあります。
 この方は脳梗塞の後遺症として歩行困難という後遺症が残っているのかどうかまでは確認できていませんが、もしそういう後遺症が残っているならば、実は足湯で足の方にも血行をよくなるケースがあり、少し歩行を楽にする効果がある場合もあります。

 実は、以前兵庫県のT市で足湯講習会をした時に、15年前に脳梗塞で倒れられ、以来歩行困難という後遺症が片足に残り、足底板を装着して歩いておられた方に、足湯をして頂きました。すると、見る見るうちに足から上半身まで温かくなり、15年間ご自分で足を上げるということができなかったのが、ご自分の意志で足が上がるようになったのです。
 知人の方が傍にいたのですが、もうびっくりです。「あら~、Mさん。人のサポートなしで足があがるじゃない?」と目をパチクリさせていました。もちろん本人もビックリです。たった1回の足湯で、こんな現象がおきるなんて私も驚いたのですが、推測するには脳梗塞で倒れられ、もう足は動かないものだと思い込んでおられたのだろうと思います。
 足湯をきっかけに、自力で足を動かすという一歩を踏み出せたというのは凄いことだと思いました。以来、いままで車の乗り降りにサポートがいたのですが、今ではご自分でサッサとやっているとのことです。“なんと不思議な湯の力”です。

◎小説『苦海浄土』の著者石牟礼道子さんが、入所しておられた熊本市の老人ホームで水俣病と熊本地震のことを語られました。
-水俣病と熊本地震。人災と天災の違いはある。「ただ、語り伝えることの大切さは、共通しているのではないでしょうか」-と。(朝日新聞、2015・5・24)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12372757.html

*引き続きご支援をお願いします。
「熊本地震」活動支援金を募集しています。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。
ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座
0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

*なお、「熊本地震」支援活動の一部は、公益社団法人Civic Forceからのご支援を戴いてパートナー事業として展開しております。

熊本地震救援ニュース 第35報

<災害時におけるボランティア事情-16>
●足湯ボランティアが超人気!
阪神・淡路大震災から、災害後の避難所で続けている足湯ボランティアがだいぶ定着してきました。参加される大学生にも違和感なく受け入れられています。
21日~22日は、福岡大学の方12名、中央大学4名、関西学院大学4名の方が足湯活動に参加してくれました。そこに当センターの21年前からボランティア仲間の親子が子どもたちへのおもちゃのプレゼントを抱えて福岡からお手伝いに来てくれました。

大学生のみなさんは、講習会を受けた後、2チームに分かれて避難所で足湯活動をしてもらいました。西原村には西原中学校、山西小学校、河原小学校、西原村構造改善センター(福祉避難所)の4つの避難所があり、多くの人たちがいまだ避難生活をしています。もちろん他にも村外や県外にも避難生活に強いられている人も多くいます。避難所では、ご高齢の方が多く、若い学生の方が来てくれるとまるで孫が来てくれたかのようにとても喜んでくれます。中には「こんなこと息子にしてもらったことないです。本当にうれしいです。」「(脳梗塞で)左側が思うようにいかんのです。(足湯を受けて)あぁなんか左肩が楽になってきたような感じがします。」と話してくれました。
また、避難所に残っている人は、一日中何もすることがなく、退屈な時間を過ごしています。そこで足湯をしていると「足湯ボランティアで誰かと話しができるとストレス発散になる」、「日中、畑に出ていると人たちはストレス発散できるが、室内にいる人たちはずっと同じ場所にいるからストレスがたまる。気持ちよかったありがとう」と話してくれました。
また別の人も「気持ちいい。長生きできる。仕事頑張れる。夜はまた揺れるかなぁという恐怖でなかなか眠れなかった」と話してくれて、学生さんも「手をもむなんて初めてだったけど、お話をしながら楽しくできたし、喜んでもらえてうれしかった」とお互いに笑顔が生まれました。
(*ちなみに、足湯活動で使っているオイルは公益社団法人Civic Forceの協力関連企業さんである「john masters organics Tokyo」よりご提供されたものです。なお公益社団法人Civic Force様には、熊本地震発生以来当NGOはご支援を頂いています。)
オイル_s

構造改善センター_s
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●28日博多発のボランティア・バスに関する記事が、今朝の西日本新聞で掲載されています。まだ空席がありますので、この情報をみなさん拡散してください。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/246956
申し込みは、当日ボランティア・バスに同行する武久真大さんに電話してください(武久080-5248-5523)。