2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.14

 佐賀豪雨水害から2ヶ月が経ちました。台風19号などの台風で関心が薄れていますが、当センターの支援している「おもやいボランティアセンター」では、九州のメンバー中心に踏ん張って活動を続けています。水害の場合は一見すると建物がそのまま立っているので、被害の様子が伝わりにくいのです。直後であれば、「災害ごみ」が町を埋め尽くしたり、土砂が流れていたりするので、その被害状況を感じることができます。

 佐賀県内では、5659軒(10月25日現在)の家屋が被災しています。佐賀市では床上・床下が2870軒、一方大町町では、全壊と大規模半壊が149軒となっています。武雄市では、487軒の床上・床下と半壊が県内では一番多い679軒になっています。地域によって、被害状況の違いが伺えます。

 半壊以下だと、被災者生活再建支援法による支援金は支給されません。半壊は浸水が1メートル未満となります。今回の武雄市の場合はこの半壊の家屋が佐賀県内で一番多いのです。1メートル未満の床上浸水ですと、家財はほとんど使い物にならなくなります。テレビや冷蔵庫、テレビなどの家電製品、畳、建具、タンスや食器棚などなど、ほとんどの家財道具が使い物にならなくなります。被災者の方にとっては、半壊でもリフォームを余儀なくされる状況の人たちがほとんどです。そして半壊の認定を受けると、「応急修理制度」という制度が受けられますが、自治体から制度の説明が追い付かず、被災者や事業者への周知が十分に行われずに、支援を受けられない人も出てきています。

これは佐賀県の被災地に限ったことではありません。各自治体には他人事ではなく、これだけ続く風水害に事前の備えとして、支援制度の漏れがないように対応してもらいたいものです。国の制度が下りてくるには時間がかかります、それを迅速にしてもらうと同時に被災者の人にも焦らずゆっくり制度を活用しながら暮らしの再建に向き合ってもらいたいです。もちろん私たち市民も災害に備えると同時に、災害が起きた後の制度について学ぶ必要があると思います。

現在、武雄市などでは家屋の乾燥を待つ人、大工さんを待つ人など、半年、一年と時間を費やします。その片付けがひと段落すると、まるで何もなかったような風景が広がります。被災住民の方も「もうみんな片付いたの?」と心配するほどです。しかし、一歩家の中に足を踏み入れると、床板はあがったままで、乾燥や大工さんを待っている状況が続いています。2階がある人は2階に荷物を移動していたり、台所もなくカセットコンロやインスタントで食事作りをしている住民さんもいます。

また、被災者のストレスは想像以上です。サロンなどを開くと、被災者同士で久しぶりに話ができて、情報交換にもなります。また、その中から制度的な相談などにもつながることもあります。また今後は、時間差で、荷物の移動や引っ越しの手伝いなども出てきます。

 暮らしの再建には時間がかかります。台風15号、台風19号、台風21号や豪雨による被災地の支援もありますが、佐賀県の豪雨水害支援も引き続きよろしくお願いします。

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