2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.18

おもやいボランティアセンターの皆さんと、茨城NPOセンター・コモンズの横田さんとともに、オンラインによる意見交換を実施しました。

7月と8月の2回、オンラインのZoomを活用し、それぞれの被災地の状況についての意見交換を行いました。震つなで作成をする、「復興ボランティアブックレット」の作成についても意見を交換し、それぞれの被災地での現状から、復興を見据えた際に何が大事か、という視点を確認しました。

本来であれば、おもやいボランティアセンターの皆さまを常総市にお連れし、コモンズの運営するJUNTOSの活動現場を見ていただいたり、対面での意見交換を予定していましたが、コロナ禍のためオンラインに切り替えた意見交換となりました。

お互いに、水害の後の復興に向けた活動に取り組んでおり、良い刺激となったようです。
引き続き、おもやいボランティアセンターの活動をサポートしてまいります。

*この活動は、赤い羽根共同募金「ボラサポ」の助成を受けて実施しています。

2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.17

1月25日におもフェス&おもやいカフェが開催されました。

おもやいボランティアセンターでは、定期的におもフェスというイベントを開催しています。当センターもおもフェスのサポートを通じて、住民の皆様の居場所づくりをお手伝いしています。

今回のおもフェスでは、ボランティアや住民の方々の思いを聞く、「おもやいカフェ」も同時に開催されました。これまでは主にボランティアの振り返りの時間として、おもやいカフェが開催されてきましたが、今回は地域住民の方もまじえて、これからみんなと「おもやい」(共有)したいことを発表しました。

思いついたやりたいことを、「おもやいの樹」に張り出して、共有していきました。
「映画館をつくりたい」「子ども食堂をやりたい」「資格を取って貢献したい」などなど様々なやりたいことが出てきました。

今回のおもフェスでは、当センター・代表の頼政が司会をつとめさせていただき、地域のみなさんやボランティアのみなさんの思いを聞く役割をさせていただきました。

復興に向けて、こうした地域のみなさんの「やりたいこと」を集めていくことが重要です。
引き続き、サポートを続けてまいりたいと思います。

*なお、当センターの支援活動は、赤い羽「ボラサポ」の助成を受けて実施しています。

2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.16

先日武雄のおもやいボランティアセンターに、宝塚から参加してくれた高校3年生の朴偕泰さんが、災害ボランティア初体験の感想文をよせてくれました。ぜひ、ご覧ください。

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「内側から見たボランティア」

朴 偕泰
 私は11月の10日から19日の10日間、佐賀県の武雄市にある「おもやいボランティアセンター」で災害ボランティアをしました。
災害ボランティア自体は初めての経験で、不安もありましたがそんなものはすぐ無くなっていきました。経験としてはまだまだですが、そこから感じたことを書かせていただきます。
 佐賀入りした初日。早速床下作業をすることになり、青色のつなぎ服を来て指定文化財のお宅に潜りました。ほふく前進に近い姿勢で進み、作業する位置で仰向けになります。ライトで床裏を照らし、木材に付いた土をブラシで落としていくのです。隙間は歯ブラシを使ったり、刷毛で全体の砂をはらったりしました。土が付いたままにしておくと、カビが生えてくるので大事な作業です。
 作業用ゴーグルとマスクを付けているにも関わらず、目や口に砂が入ってきます。大きなお宅なので作業する範囲も広い。「気が長い作業だなぁ」と意識が遠くなりそうでした。でも、木材の土が落ちて床裏が綺麗になっていくのは爽快です。つめたい床下の土に寝そべるのは気持ちがいいですし、徐々に床下作業にはまっていきました。
 別の作業では、床下にある泥を掻き出して土嚢袋に入れます。そして、トラックの荷台にのせ、ボランティアセンターへ運び撤去していきます。
 また、「搬出」と言う作業では、被災者のご自宅から出た災害ゴミを集積所に運びます。水没した家電製品や、建築材料の石膏ボードが入った土嚢袋などなどを集積場のゴミ山に投げ入れます。冷蔵庫のような大きな家電もあって、なかなか骨が折れます。
 こういった話をすると「体力のある人じゃないとできないんでしょー」と言う人も多いと思いますが、そんなことはありません。実際、体力のいる床下潜りは現役世代が活躍しています。割合的には中年男性のボランティアが多かったですが、女性の方もリーダーでビシバシ仕切っている方がいました。
 また、浸水した家の壁を洗う作業があるのですが、70代のおじいちゃん・おばあちゃんがブラシで壁を綺麗にしていました。文句も言わず。
 力仕事でなくても被災者の方と話すだけで立派なボランティアです。体力に自信の無い方でも出来る事があるので、気負わずに参加して下さい。
  ボランティアは報酬を求めません。もちろん有償ボランティアというものもありますが、「奉仕」という意味で考えると報酬を期待して行うものではありません。そして、感謝の言葉を期待して行うものでもない。
 どこまでいっても、「自己完結」なんだと思います。楽しいと感じるも、ただ働きだと思うも自分次第です。そういうはっきりしているところが素敵だと思いました。加えて、報酬を求めないからこそ、相手のためにしてあげようという純粋な思いを持てるのだと思います。そんな風の通った気持ちよさがボランティアの魅力だと感じました。
 平日の仕事に疲れ、休日にテーマパークで遊ぶのもいいと思います。家でゆっくり休むのもいいと思います。でも、そこでボランティアをしてみるのはどうでしょうか。現代は日常のあらゆる行動に金銭がついてまわります。しかし、ボランティアは金銭から離れた世界でした。職場とは違う空気感に浸ってみるのもいいと思います。アルバイトさえしたことが無い私が偉そうには言えませんが、あの空気感は確かです。
 ここまで言うと、ボランティアがさも聖人君子しかできないことのように聞こえてしまいますが、違います。ボランティアという行動が私たちをお金の呪縛から解放してくれるのです。損得勘定を抜きにして他人を思う、そんな子どもの頃には当たり前にあった純粋な感情を思い出させてくれるのです。
 今まで私はボランティアに青臭いイメージを抱いていました。100%の善意でやっていたとしても、自分がいい事をしているという自己満足でしかないとも感じました。でも、実際にやってみて純粋に「楽しかった」です。そこには他人に無償の愛をそそぐ気持ちよさがありました。善意ですることが青臭くても、楽しかったら関係ないと思えるようになりました。所詮は外からの見え方を気にしていただけだったのです。

 最後に、おもやいボランティアセンターで出会った方を一人紹介します。モウリさんという男性です。以前は自動車の整備士をしていた方ですが、熊本地震を機に退職しボランティア生活が始まったと話していました。現在は貯金を切り崩しながらの生活らしく、マイカーで寝泊まりしています。タバコをよくスパスパ吸っているモウリさんは、優しい笑顔をしていました。
 短い一生です。せっかくならお金に縛られず、真っすぐに人を思う人間でありたいです。そんな人生経験の「資産家」に私はなりたいです。

■おもやいボランティアセンタークラウドファンディング
https://congrant.com/project/ngokobe/1095

■Yahoo募金受付中
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5240002/

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・郵便振替
   口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
   ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 068556
 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「2019年8月豪雨」と記載してください。

【冬本番間近】佐賀の被災地にホットカーペット送ろう!!!プロジェクトにご協力をお願いします。

当センターも加盟する「震災がつなぐ全国ネットワーク」では、佐賀県の被災地へホットカーペットを送るプロジェクトを開始しました。
ぜひご協力をお願い致します。

以下、ご案内です。

佐賀県の豪雨災害で被災した方にホットカーペットを送るプロジェクトと題して、ファンドレイジングツール「コングラント」を通じて、寄付募集を開始しました。 https://congrant.com/project/shintsuna/1254

目標は二畳のホットカーペットを50世帯に届けることです。くわしくは、リンク先をごらんください。
facebookページでも案内していますので、シェア等でもご協力ください。https://www.facebook.com/shintsuna.net/
震つな会員の各団体は、いま全国の被災地(岩手・宮城・福島・栃木・茨城・千葉・東京・神奈川・長野・佐賀)で支援活動を展開しています。

大きな災害が起こると、社会や報道の注目はどうしてもそちらに移ってしまいますが、被災された方一人ひとりにとって、支援は同様に重要です。震つなでは支援が届きにくい被災地、被災者に目を向けたいと考えています。

今回は、70万円を目標として寄付を募り、ホットカーペットは、地元武雄市の電気屋さんで調達します。寒さは日一日と近づいています。
冬本番間近となった今、多くのみなさまのご協力をお願いいたします!
なお、協力先のおもやいボランティアセンターの活動支援金も同時に募集しています。https://congrant.com/project/ngokobe/1095

2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.15

 災害発生以来、被災地NGO恊働センターが支援し続けている佐賀県武雄市での活動は今も頑張っています。残念ながら相次ぐ水害により佐賀県内でも関心が薄れつつありますが、現地の「おもやいボランティアセンター」は、まだまだ活動を続けています。いまになって、水分を含んだ廊下の床がたわんできたりしています。時間の経過とともに被害が広がっているお宅もあります。

 他に被災地でも同じような問題がありますが、床上・床下浸水の場合は半壊もしくは一部損壊だと被災者生活再建支援金はもらえません。家屋を修理する応急修理制度で59万5千円を上限として(条件付き)で支給されます。ただ、これも建設型仮設住宅やみなし仮設に入居すると支給されません。半壊でもほとんどの家財道具が被害を受けます。現行の国の基準でいくと浸水域が1m以上でないと半壊にはなりません。前号のニュースでもお伝えしていますが、武雄市の場合は佐賀県内でも一番半壊が多く1000軒近くあります。

 おもやいボランティアセンターでは、床をあげて乾燥している家屋や、大工さん待ちの家屋などにみなさんからのご寄付で購入したコンパネを敷いています。また暖房器具も浸水してしまった人もいるので、暖房器具を配布したりしています。床をあげた部屋は直接外気が部屋の中に流れ込み、ここ数日の寒気により佐賀県内も最低気温は10度以下になっています。

 ある被災家屋にコンパネを張りに行きました。お兄さんと妹さんの二人暮らしで、リビング以外はすべて、床が上がった状態です。家の中にいながら、上着を着たり、毛糸の帽子をかぶったりしています。まずはお仏壇があるお部屋にコンパネをひきました。ひき終わると「これでお正月を迎えらる!人を呼ぶこともできるわぁ!!かけごろ(かけっこ)もできるよ」と二人ともとても感激してくれました。また、他の部屋に敷き終わると、「この部屋にはおばあさんがいてね。ここにベッドを置いて寝ていたんだよ。日当たりがよくてね。今度ここに椅子を持って来てお昼寝しようかな」と。それぞれの部屋に思い出がたくさんあり、暮らしが息づいているんだなとあらためて感じます。帰り道ボランティさんと「なんだかコンパネをひいただけで、こんなに喜んでいただいて、こちらが恐縮しますね」と話しながら帰りました。

 前号のニュースにもありましたが、お正月を迎える前にせめても明るくお正月がむかえられるようにお手伝いができればと思いながら、他の被災地に想いを馳せつつおもやいボランティアセンターのメンバーは活動を続けています。                        (増島 智子)

■おもやいボランティアセンタークラウドファンディング https://congrant.com/project/ngokobe/1095

2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.14

 佐賀豪雨水害から2ヶ月が経ちました。台風19号などの台風で関心が薄れていますが、当センターの支援している「おもやいボランティアセンター」では、九州のメンバー中心に踏ん張って活動を続けています。水害の場合は一見すると建物がそのまま立っているので、被害の様子が伝わりにくいのです。直後であれば、「災害ごみ」が町を埋め尽くしたり、土砂が流れていたりするので、その被害状況を感じることができます。

 佐賀県内では、5659軒(10月25日現在)の家屋が被災しています。佐賀市では床上・床下が2870軒、一方大町町では、全壊と大規模半壊が149軒となっています。武雄市では、487軒の床上・床下と半壊が県内では一番多い679軒になっています。地域によって、被害状況の違いが伺えます。

 半壊以下だと、被災者生活再建支援法による支援金は支給されません。半壊は浸水が1メートル未満となります。今回の武雄市の場合はこの半壊の家屋が佐賀県内で一番多いのです。1メートル未満の床上浸水ですと、家財はほとんど使い物にならなくなります。テレビや冷蔵庫、テレビなどの家電製品、畳、建具、タンスや食器棚などなど、ほとんどの家財道具が使い物にならなくなります。被災者の方にとっては、半壊でもリフォームを余儀なくされる状況の人たちがほとんどです。そして半壊の認定を受けると、「応急修理制度」という制度が受けられますが、自治体から制度の説明が追い付かず、被災者や事業者への周知が十分に行われずに、支援を受けられない人も出てきています。

これは佐賀県の被災地に限ったことではありません。各自治体には他人事ではなく、これだけ続く風水害に事前の備えとして、支援制度の漏れがないように対応してもらいたいものです。国の制度が下りてくるには時間がかかります、それを迅速にしてもらうと同時に被災者の人にも焦らずゆっくり制度を活用しながら暮らしの再建に向き合ってもらいたいです。もちろん私たち市民も災害に備えると同時に、災害が起きた後の制度について学ぶ必要があると思います。

現在、武雄市などでは家屋の乾燥を待つ人、大工さんを待つ人など、半年、一年と時間を費やします。その片付けがひと段落すると、まるで何もなかったような風景が広がります。被災住民の方も「もうみんな片付いたの?」と心配するほどです。しかし、一歩家の中に足を踏み入れると、床板はあがったままで、乾燥や大工さんを待っている状況が続いています。2階がある人は2階に荷物を移動していたり、台所もなくカセットコンロやインスタントで食事作りをしている住民さんもいます。

また、被災者のストレスは想像以上です。サロンなどを開くと、被災者同士で久しぶりに話ができて、情報交換にもなります。また、その中から制度的な相談などにもつながることもあります。また今後は、時間差で、荷物の移動や引っ越しの手伝いなども出てきます。

 暮らしの再建には時間がかかります。台風15号、台風19号、台風21号や豪雨による被災地の支援もありますが、佐賀県の豪雨水害支援も引き続きよろしくお願いします。

2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.13【おもやいボランティアセンターの運営をご支援ください】

被災地NGO恊働センターです。
台風19号の大きな被害が次第に明らかになってきています。
甚大な災害でまだまだ支援が必要な状況ですが、同じく2019年8月の秋雨前線の豪雨によって大きな被害を受けた佐賀県でも復旧・復興にまだまだ多くの時間がかかる状況です。

当センターでは、武雄市を拠点に立ち上がった民間災害ボランティアセンターである、おもやいボランティアセンターの運営を支援してまいりました。
おもやいボランティアセンターでは、家屋の清掃やゴミの搬出といった片付け作業だけでなく、地域の一人暮らしの方々の見守り、サロンの開催、制度や建物についての相談の受付など、多岐に弥支援を実施しながら、一人ひとりが復興していくまで支えていくという想いのもと活動を実施しています。

このおもやいボランティアセンターの運営を今後も継続的に支えていくために、この度クラウドファンディングを立ち上げました。
目標金額は大きいですが、ぜひ皆様のご協力をお願いできればと思います。
集まった金額は、手数料を除き全ておもやいボランティアセンターの運営に使用します。

どうぞよろしくお願いします。

■おもやいボランティアセンタークラウドファンディング
https://congrant.com/project/ngokobe/1095

19年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.12

 <被災者のいまー武雄>

 昨日初めて、伺ったお宅には80代の高齢者独居女性が親戚宅に避難生活を続けていました。水害当時、その女性はお尻が冷たくて目が覚め辺りを見回すと、すでにベッドが浮いていたそうです。そして膝まで水が来ていて、慌てて、中二階の部屋に移動し、部屋の窓からレスキュー隊に救出され、着の身着のまま避難所へ避難しました。1ヶ月間は避難所に避難していて、その後、親戚宅に身を寄せているのですが、親戚の家にもこれ以上迷惑をかけられないし、アパート暮らしも進められたそうですが、やはり自分の家に戻りたいという意向があります。床板を剥いだ何もない部屋で、土壁にはカビが発生し、すでにボロボロと崩壊し始めています。

この女性のように、8月末に発生した九州北部豪雨から1ヶ月が過ぎたいま、いまだに手付かずに近い状態で、床上げした家屋でこれからどうしていいのかわからず、茫然自失の方もいらっしゃいます。暮らし再建を目指してサポートしていきます。 「おもやいボランティアセンター」では、地元のスタッフが覚悟をもって、最後の一人まで寄り添って行きます。佐賀県の支援を今後もよろしくお願いします。九州方面の方は、是非ボランティアに来てください。よろしくお願いします。

                 (増島智子)

19年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.11

九州北部水害の被災地佐賀県」武雄で、被災者一人ひとりに寄り添い暮らし再建を目指してコツコツ頑張っている「おもやいボランティアセンター」の代表で元被災地NGO恊働センターの鈴木隆太さんから、ご支援を頂いた全国のみなさまに対してメッセージが届きましたのでそのまま配信いたします。

【おもやいボランティアセンターからのメッセージ】

豪雨による災害が発生して、1ヶ月半。私たちのまちは一変したかに見えた状況は少しずつ片付き、表面的にはもうすでに沈静化したかのように見えます。 しかし、一歩お宅にお邪魔すると、床板のない状態で扇風機を床下に向けて回し、これからを考えながら大工さんを待っておられる方、これからどうしたらいいか、途方に暮れている方、「正直ちょっと疲れた」とこぼす方、ここで止まっていられないから、と自営業を諦めて再就職された方、様々ながらあの災害からの影響が色濃くあります。 水害は時間の経過とともに個別化し、見えにくくなっていきます。それでも、今ようやくSOSを出される方もいらっしゃるこの被災地には断続的にリピーターとして駆けつけてくださるボランティアさんや地元の方々が増えつつあります。そしてこの度の台風15号、そして続く台風19号によって千葉県を始め、長野県、栃木県、宮城県、福島県、茨城県、東京都、埼玉県、新潟県、山形県など、多くの都県で甚大な被害が発生してしまいました。 被災された方々には心から、お見舞いを申し上げますとともに、どうかお体を大事にしていただきたいと思っております。

日々、私たちも心配しながら、それぞれのご縁のある方を案じながら、活動をしております。 発災後、おもやいボランティアセンターの立ち上げから私たちを助けてくれた県外からの災害救援のNPO団体の仲間たちが、ご自身のご家族の安否を心配しながら、ご自身の自宅を心配しながら、ついにそれぞれが次に待つ被災地へと出発をされています。だからこそ、私たちはここ佐賀から出発していく多くの仲間たちに、「私たちの分まで」と想いを託しながら、「いってらっしゃい!」と、出発のお見送りをしております。ここから地元のメンバーとともに、また近隣から駆けつけてくれる多くの仲間たちとともに、踏ん張ります。 被災された方の中で聞かれる声があります。「自分のところよりも、北方の方々が大変だから」「朝日町の高橋が大変だから、そちらを優先してください」と。 誰かを思いやる気持ちが強い。思いを馳せていらっしゃいます。でも、裏返せば、「地区」というものへの意識があるのではないかと感じます。それはとても大切なことだと思います。今までの自治のあり方がそうだった、そうして困難を乗り越えてきたという風習や慣例があることは間違いありません。

一方でそうした「慣例」「風習」の中で、取り残される方々が確実にいらっしゃるのではないかと感じております。ひょっとしたら孤立されているのではないか、という心配が無駄であってほしいと思っております。時間軸で見たときに、前回、大きな水害が発生したのが30年ほど前です。あの時にはできたことと、今回の水害でできなくなったことがあるとしたら、この30年の流れの中での地域は一体どんな変化があったのでしょうか。

この災害がもたらしたものはなんなのか。今までの仕組みだけでなく、新たな仕組みや活動を展開しながら、本当に、一人残らず、最後の一人まで取り残されることなくお手伝いができればと絵空事ではなく思っています。そして、そのためには個々のお宅に、ということだけでなく、地域が元気になるという次の仕掛けや仕組みが必要だと感じております。 特に、地元の方々が「こんなことをしたい」という想いを支えながら、それが実際にできるような、主体はその地元の方々になるような、そんなお手伝いもこれからしていきたいと思っております。 恥ずかしながら経験が乏しい私たちは、信条として、「誰でも受け入れる」ということを徹底させていただいております。それは、せっかく来てくださった方に「来てよかった」と思って欲しい一心からです。そうして様々な視点をお持ちのお一人おひとりが活動していただくことで、私たちが気づいていない部分に目を向けたり、私たちが見ていなかったことに手を伸ばしたりすることで、取り残される人がより少なくなっていくからです。

そして今後、この地域で災害が二度と起こらないという確証はどこにもないとしたら、この経験を私たちがきちんと受け止めて、「減災」社会を目指していく、という責任があると感じております。そのためにも、今後もできうる限りのことを、県内外の方々にご相談をさせてもらいながら活動を続けてまいります。

「困った時はお互い様」

武雄市役所の方々や、武雄市社会福祉協議会の方々とも連携をしながら、様々な方々にサポートをしてもらいながら、こちらができることはとにかくやっていく、そしてこうした連携の輪を広げながら、被災地となった私たちのまちの復興へと力をつなげていきたいと思っております。 みなさま、どうか今後ともよろしくお願いいたします。(鈴木隆太)

19年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.10

 超大型台風19号が発生し、今日12日、明日13日はまだまだ東海、関東、東北地域に被害を及ぼす危険性があります。十分すぎるくらいの備えをしましょう。台風15号により甚大な被害を受けた千葉の被災地みなさんのことが大変心配です。どうかこれ以上の被害をもたらさないことを祈るばかりです。  さて、8月の秋雨前線により九州北部地域の武雄市などで浸水被害を受けました。未だ、支援が届かず、地元の関係者やボランティアが、床下掃除、炊き出し、今後についてのさまざまな相談会などを続けています。どうか、こちらの被害にも目を向けて下さることをお願い致します。

<現地レポートを配信します。>

 佐賀豪雨水害から、1か月余りが経ちました。佐賀県内での住宅被害が床上・床下合わせて5745戸、おもやいボランティアセンターのある武雄市は床上浸水が1,033戸、床下浸水が513戸と県内では一番床上浸水が多い地域です。隣の大町町でも、住宅にしみ込んだ油の被害は深刻です。  9月7日から活動をスタートした「おもやいボランティアセンター」も活動開始から1ヶ月が経ちました。これまでの活動件数は478件(9月末現在)、現在も継続中は約50件です。いまだに床下の泥出し、家屋の清掃、災害ごみの搬出、家具の移動、配食サービスなどを行っています。今後は床下を乾燥させてから荷物の移動など時間差で、清掃や片付けの依頼が来ます。

 そして、各地の被災地から応援に駆けつけてくれています。熊本地震、大分の九州北部水害、西日本豪雨水害(広島・愛媛・岡山)、阪神・淡路大震災(神戸)などなどたくさんの被災地から被災地のリレーが行われています。  岡山県真備町から、サロンでパフェを提供してくださった西日本災害支援団Gorillaのみなさん、サロン会場は地域の女性の相談窓口となっている「女性が元気になれるセンター」で「ひとひとネット武雄」のみなさんでした。なかなかサロンができなかったのですが、やっと開催することができ、約20名程度の人たちが参加してくれました。

「久しぶり~。元気でしたか?」  「自宅は水に浸かったの?」  「うちは大丈夫だったのよ」などなど。会話が弾みます。

 「あれ~あの人は??」、「あの人って、誰??」「ほら、チラシ配りに来てくれた、きれいなボランティアさん」「あ~あのイケメンの?」「そうそう!」、「あの人が来ると思ってきたのにぃぃぃいないじゃない!!」、みなさん大笑いです。

  最後に西日本災害支援団Gorillaの方から、「被災地で復興と言われますが、復興ってないんですよね。今日来たメンバーは水害でみんな家がなくなって、帰る家がいまだにないんですよ。帰れないんですよ『復興』なんてないんですよ。仮に『復興』というならば、この災害を“乗り越えて”新しい街に住むということなんでしょうね。」と話してくれました。癒えることのない傷を抱えながら、別の被災地に支援に来てくれたみなさんの言葉は、とても印象に残りました。こうして、被災地から被災地の支援が折り重ねられ、傷ついた被災者の心を癒していくのでしょう。被災地から被災地へのリレーは今日も続いています。

 「女性が元気になれるセンター」のみなさんも初めてのサロン開催で、いつもと違う雰囲気で新しい住民さんとのつながりもできて、とても喜んで頂きました。今後も継続して地域でのサロン活動を応援してください。            (増島 智子)