真言宗醍醐派熊野山康照院の土師大空住職は、ご自分の庫裏が全壊となる損傷となったにもかかわらず、広川町ボランティアセンターに登録し、以後ボランティアとして被災者支援に奔走されました。住職はボランティア活動の後、言葉に表し難い解放感という感覚が全身から沸き上がり、寺のことも忘れるほどの感覚だったと振り返っていました。
私が「うーん、それってどういう感覚なのでしょうね?」と問うと、「なんというか・・・・・・・言葉にならないけれど‥‥」。
私は、今から28年前の阪神・淡路大震災後に、いわゆる初心者ボランティアとして第一歩を踏みだしましたが、“ボランティア”という言葉、ボランティアという認識はなかったのです。さらに28年間、“ボランティア”という言葉は未だに、自分の中にストン!とは落ちて来ていません。一緒に活動していた人たちからも、「当時、世間はボランティア、ボランティアと大合唱だったかもしれないが、私たちは特にボランティアをしているという感覚はないよね」と口を揃えて言っていました。
住職は、修行の一つとして奈良県の大峰山に登り、よくテレビでも紹介される”西の覗き“という絶壁から捨身の覚悟で乗り出し、「お父~さ~ん」と叫んだ時の感覚かなぁ‥‥と。
益々私にはその経験がないので分からないのですが、住職は寺に駆け込んで来られた方に「神や仏を信じなくてもよい。私が代わりに手を合わせて拝んでおくから、あなたは自分を信じなさい」と言われたことを傍で聞いていて、この康照院が修行寺としてこの地に存在していなければならない理由が少しは理解できました。
水害で庫裏が全壊となり、元の場所にあらたに新築が建てられるか微妙なのですが、住職は町長との懇談の際に、「わしは何があっても、ここで住む。プレハブを置くだけでもいい。ここに住まなければならないんだ‥‥」と町長に懇願されたそうです。
(青石の里広川町編続く)
(村井 雅清)
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