令和6年(2024年)能登半島地震救援ニュース No.20

僕たちが拠点にさせていただいている中島町小牧の北に外(そで)という集落がある。人口154人(62世帯)の小さな集落だが、外の方も6人ほど小牧にあるコミュニティセンター西岸分館に避難している。

外で暮らしているSさん(70代男性)は、奥さんと二人暮らしだが、地震後の記憶があまりないという。津波警報後、慌ただしく車で高台に避難した事以外はあまり覚えていないそうだ。
数日前に初めてお会いした時、Sさんはたった一人で2階の崩れ落ちた壁を細かく砕いては土嚢袋に入れ、自宅の倉庫に運んでいた。

今日は、神戸大学の学生さんが来るという事で、学生さんたちと片付けに伺った。
高齢者一人でやっていたら何日もかかる重労働だが、学生さんや岩手の被災者でもあるYさんなど7人の若いパワーで2時間ほどで作業は終わった。

Sさんは、冗談をよく言うとても明るい方だが、別れ際、涙を流していた。
一人で気丈に振る舞っていたのだろう。学生たちの気持ちに触れ、緊張の糸がほぐれたのかもしれない。

僕たちが2007年の地震がきっかけで毎年小牧で神輿や枠旗を担いでる事を話すと、Sさんは、寂しそうに「この集落はなあ。皆、よその人に慣れてないから遠慮してんだあ。」という。また、「ここの半分は居なくなるだろうなあ。」と悲しい表情を浮かべる。
別れ際に「Sさん、無理しないでね」と言うと、「一度助かった命だから大丈夫だ!」と笑顔を見せてくれた。

明るく気丈に振る舞うSさん姿がどこか切なかった。(吉椿)

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