奥能登地震2023・5被災者支援活動レポート 5

奥能登地震が発生してから、やがて4か月を迎えます。被災地は、地震後空き家が増えたこともあって閑散としている静けさを感じます。“祭りの国能登”と言われるほど、本来ならば祭りで盛り上がる季節です。地区によっては、一年に一度の神輿やキリコを繰り出した盛大な祭りも終わり、一息ついているのかも知れません。なかには、残念ながら今年は地震災害という災難に見舞われたので、祭りは中止となったところもあるようです。

写真:解体が決まっているY邸
写真:珍しい3階建てのY邸の蔵

さて、同地震によって損傷を受けた家屋の公費解体も進んで来ました(公費解体の期限は2024・1・31)。多くは順番待ちのため、結果的に解体後の住まいをどうするかということを資金の工面をはじめ、あれこれとしっかり考える時間が生まれたことは、いろいろな悩みを抱える被災者にとって、ゆっくりと将来の方向を選択する時間空間でもあるようにも思われます。
 他方、独居、高齢ご夫婦世帯、障害者世帯のなかには、自分たちでなかなか決断できないという方々も少なくないようです。また、そもそも一時的に空き家になっている被害家屋の修理をされているお家もあり、地元の大工さんはそのような物件に、大工さんも不足して頭を抱えておられる工務店などもあります。地震から4か月というこの時期は、こうしていろいろな“顔”を見せてくれます。
 こうして、一見落ち着いているようにも見えるのですが、こうした時期だけに、だからこそ「ヌケ、モレ」の被災家庭のことも浮き彫りになってくることを、あらためて考えさせられます。
 ボランティアセンターも平時のサイクルに戻っているようですが、それでも問い合わせの来る案件には丁寧に対応されていることも聞こえて来ました。4か月を前にした今も、支援を続けている医療関係者、弁護士や行政書士などの士業の専門家、NPO/NGOなどが珠洲市健康増進センターの災害時要配慮者支援業務を支えている部分も見えて来ます。

写真:K邸で測量を図面に落とし込む長谷川さん
写真:KS邸での測量をしている長谷川さん

当NGOの今回の珠洲市における活動は、たてもの修復ネットワーク代表の長谷川順一さんに同行させて貰いながら、被災家屋を解体するという選択肢だけではなく、修復して貴重な文化財はもちろんですが、先代、先々代から受け継いできた各々の家の暮らしを守って行くというお手伝いです。これまでのレポートでも紹介してきた能登瓦の製造や銭湯、酒屋、北前船の就航地などなどという歴史や暮らしも、もちろん大切です。ただ、もう一つ大切なのは毎回被災家屋のチェックや修復のための計測などに入らせて頂いて思うことは、能登らしい家そのものを遺すという方向です。このことが耐震の大切さを知らせる最大の業となるでしょう。

*なお「奥能登地震2023」の活動は、公益社団法人Civic Forceとのパートナー協働事業として実施します。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
 https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO.0068556
 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「奥能登地震2023」と記入して下さい。


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