インターン:難波ひかる 聞き手:頼政良太
インターンとして被災地NGO恊働センターで活動してくれている神戸学院大学の難波さんに、ボランティアへの思いやインターンに参加したきっかけなどを教えてもらいました。
■災害ボランティアに参加したきっかけ
ーまずは災害ボランティアに参加したきっかけを教えてください。
中学生の時からテレビでボランティアの活動を見たりして、興味があった。高校生の時も行きたいと思ったけど、そういう活動が身近になかった。大学で神戸学院大学現代社会学部社会防災学科に入って、ボランティアが身近になったので、行き始めました。
■初めての災害ボランティア
ーはじめて災害ボランティアにいったのはいつ?
大学1年の時。最初は高齢者施設やゴミ拾いのボランティア、子どもの遊び相手のボランティアをしていたんですが、学部の勉強に関連する活動を、と思って、2017年に九州北部豪雨の被災地と熊本地震の被災地に行く大学のボランティアツアーに参加しました。
ー実際に行ってみるとどうだった?
実際に被災地に行ってみて、豪雨で家がつかった状態を見るのが初めての経験でした。授業で色々な話は聞いていたけど、被災地に行ってみないとわからないことがあることを実感しました。
ー行ってみないとわからないことって具体的には?
被災者の人とお話すると、テレビなどではわからない話が聞けました。例えば、避難所にいた時に困ったこと、お弁当が毎回一緒で飽きてくるとか、みなし仮設住宅の人は情報が回らないから支援物資が後回しになったりするとか・・・
■活動を継続していく意味
ー何度も被災地に行くなど活動を継続されている
熊本地震の被災地は1回だけしか行っていないんです。東北に行く大学のプログラムは、複数の大学で活動していて、1度各大学が神戸に集まってまちあるきや観光などの交流をしたことがあって。その時につながりができて、知り合いに会えたらいいなと思って3回ほど参加しています。
ー大学生同士のつながりですね。被災地の方々とはどうですか?
被災者の人に顔を覚えてもらえる関係になりたいと思っています。今は、お互い様プロジェクトという団体の活動に参加して、月1回くらい、岡山県の真備町に通っています。
ー継続している中で良いことは?
単発で行くよりも話にくいことも聞ける。関係性ができて、例えば仮設住宅の子どもが顔を覚えてまっていてくれたり。仮設住宅自体のイベントが減っている中で、継続して通うことは大事だと思っています。
作業のボランティアでも、継続することで前回お手伝いした家の方にもう一度会いにいくことができました。その時は、前回みんなで撮った写真をお渡しに行きましたが、とても喜んでくれました。
ー周りの反応はどう?
社会防災学科の学生は何かしら活動している人が多いです。でも、地元の友達からはなんでそんな活動しているの?と思われているかも。全く興味ない人は誘いにくくて、やっぱり一度関心を持ってくれた人が誘いやすいです。
■インターンについて
ーインターンで被災地NGO恊働センターを選んだ理由は何?
大学の授業でCODEの話を聞いていたし、ボランティア活動の中で一度、事務所に来たこともあったので、これも一つの縁かなと思って。
ー企業のインターンもある中で、どうして?
もともと人を助ける仕事に興味があったので、企業にはあまり・・・
大学に入ってNPOという仕事にも出会って興味が湧いてきたかな。ボランティアが仕事になる、というイメージがないので、どんなふうに仕事をしているのかな?ということも興味がありました。でもNPOのような団体のインターンはそもそも少なくて、参加する機会があまりありませんでした。
ー実際に来てみてもともとのイメージと違った?
そんなに違いはないです(笑)
■ボランティアの中で大切にしたいこと
ーボランティアをやってきて、どんなことを大切にしたいと思っていますか?
災害現場に行ったことがない人とかそういう人に情報を伝えていく、というのは大切だと思っています。それと、別の団体での活動になりますが、阪神・淡路大震災を経験していない、私たちがさらに次世代に伝える活動というのをしていて、やっぱり伝えることが大切だと思っています。
ーさらに次世代に伝える活動って?
具体的には、小学校などに行って防災の出前授業をしています。自分は姫路出身ですが、あまり防災教育を受けた記憶がない。でも、神戸の小学生は防災に詳しくてびっくりしています。
ー知らない世代が伝える、という難しさもあると思うけど、工夫していることは?
やっぱり経験していないので。被災体験をたくさん聞くことが大事だと思っています。それに具体的な被災地に行ってみて、体験をするということでイメージがよりリアルになるのかなと思っています。
幅広く色んな体験をしたいと思っています。卒業論文はまだテーマが決まってないですけど、地域のコミュニティが復興する過程でどのようなコミュニケーションが必要なのか、どうやって話し合いをしていくのか、などそういうところにも興味があります。
■将来の夢
もともと、中学生の時にトライやるウィークで行った消防署に行ったときに、消防士がかっこいい!と思って、消防士になりたいと思ってきました。大学を神戸学院大学の社会防災学科を選んだのもその理由です。でも、大学に入ってから悩み始めました・・・そろそろ決めないといけないけど。
でも、ちゃんと人と関わりもって、人を助ける仕事をしたいと思っています。人を大事にすること、時々、防災教育にも関わりたいです。
■インタビューを終えて
彼女のインタビューから、人を大事にする、人と人との関係を大切にする、というスタンスがよく伝わってきました。こうして、目の前の人を大事にすることが、ボランティアの原点なのかもしれません。(頼政良太)
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