2019・10 台風19号に関する災害支援救援ニュース No.24

 当センターが、台風19号の被災地の中でも、最も被害の大きい栃木県に支援に入っていることは、これまでのレポートでもご報告して参りました。
 先日12月1日に震災がつなぐ全国ネットワークのプログラムの一つである「復興寺子屋」という勉強会を栃木市内の「とちぎ市民活動推進センターくらら」で実施しました。
 これまで、「栃木は被害が最も多いにもかかわらず、被災の大変さに対してボランティアが必要です。」と言い続けて来ました。当然、通常の水害後の泥だしや家具の片づけ、床下・床上の乾燥という一連の作業がほとんど行われていない状況だが、やむえず床にフタをし辛うじて生活をしているという被災者が多いいことが分かりました。
 しかし、この段階でもすでにボランティアセンターが閉所に向かっているところもあり、ますます被災者は途方にくれることになるのですが、残念ながらどうしようもないという厳しい現実です
 

 しかし、1日の復興寺子屋では、「高校生がSNSを使って自主的にボランティアをしてくれた」「実家が被災を受けたが、高齢の父母が二人で暮らしているが、こうしたことが初めてなのでボランティアにどうして依頼をすればいいのかわからない」「被災者は積極的に窮状を訴えないので、『何か困ったことがありませんか?』と聞いても、『大丈夫です。』と言われるので、被災実態を把握するのが難しい」「何かやりたいという人はいるが、きっかけがない」という声がでました。やはり、こうした情報交換の場を持つことによって、いろいろな視点からの意見も出されるので、復興寺子屋は意義あるものになったと思います。

 特に、スピーカーとして私を初め、新潟県長岡から稲垣さん、栃木県宇都宮市の矢野さん、茨城県常総市の横田さん、神戸から当センターの立部と各々が過去の災害で被災に遭われ、現在も活動続けておられる方々が集まられたので、栃木のみなさまには有意義な会になったことと思います。司会進行役には栃木県さくら市の現役職員で、日本災害復興学会の副会長をされている君嶋さんが担当され、栃木市の職員も参加しておられたので、適宜今後の復旧・復興の過程での法制度のことなどにも触れ、大変充実した会になりました。
 私の方からは、「来年の1月17日で阪神・淡路大震災から25年になりますが、私たちNGOと市民はまず被災者の生の声を丁寧に聞き取り、それをもとに復興計画をつくり、アクションプランをつくって歩んできました」と紹介し、「とにかくもう一度被災者の声を丁寧に聞くということから始めませんか?」と阪神・淡路大震災の経験を紹介しました。当センターの立部からは、佐賀県武雄市での取り組みを紹介し、“くらら”のスタッフは熱心にメモを取られていました。

 復興はまだまだこれからですが、是非栃木を応援して下さい。絶対に「忘れられたとちぎ!」にしないように、おたがいさまで応援しましょう!よろしくお願いします。
(村井雅清)

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