先日栃木県の支援に入った立部さんのレポートの続きをお送りします。
栃木市内の被災した地域を回り、地域の方々のお話を伺いました。
まず、以前訪問した時に気になっていた高齢の男性のところを伺いました。前回はまだ罹災証明も取っておらず、奥さんが入院中とのことでしたが、今回訪問すると、夫婦で仲良く組み立て式の棚を作っていらっしゃいました。「もう何個も棚を作ってる。家具も全部だめになっちゃったから」「ボランティアさんが来てくれたけど、大変な家がたくさんあったから手が回ってなかったみたいで、たくさんはお願いできなかった」「まだやることはたくさんあるけど、自分がいいようにやりたいから、なかなか進められない」ということで、本当に少しずつ、少しずつ、普段の生活を取り戻しているようでした。奥さんの体調はだいぶ良くなり、「夫婦で文句を言い合えるだけまだいい」という言葉に救われるような気持ちでした。
決壊した永野川付近の地区は、通り1~2本決壊地点に近づくだけで、被害の様相が全く違います。被害の深刻だった区域では、修理の業者が入っているお宅も多いですが、人気(ひとけ)はほとんどありません。
ある男性は、「こっちの家は不在。あっちも出て行った。いつの間にか。よく知らないんだよね。裏の家は今解体していて、新しく建て直すんだって」と教えてくださいました。隣の地区で被災し、こちらの地区の借家に引っ越して来られた方。借家で被災し、あと数か月で出て行かなければならないという方。というように、細かな人の移動が生じています。コミュニティを維持していくことが難しくなりつつあると感じました。
地区の新年会をしたという男性、「みんな自分のことばっかり話して会話にならないんだよね。被災してない人は被災してない人で関係ないし。話し始めると当時のこととか思い出して、冷静じゃなくなるんだろうね。あれ、どうしたらいいんだろうね」「自分もそうだけど、やらなきゃいけないことがたくさんあって、こっちに手を付けるとあっちが気になって、全然進まない」と話してくださいました。ゆっくりお話を聴いたり、一緒に考えたりする相手や場の必要性を感じます。こちらの地区では、地域の方が企画して2月に被災経験を語る会を開催します。そちらのご協力もさせていただく予定です。
また、避難所にもなっていた老人福祉センター長寿園では、とちぎボランティアネットワークやNPO法人パルシックの方がお茶会を開催しています。お会いした地域の方に、そちらのご案内もしました。
引き続きのご支援、よろしくお願いいたします。
(立部知保里)
台風19号発生以来、当NGOは、「おたがいさまバス」を走らせています。これからでも「被災地までの無料バスがあればボランティアに行くことができるのに・・・・・・」という方がおられましたら、遠慮なく担当の村井までご相談ください。(村井 090-3160-3816)
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