「おー、会いたかった…」
約10年ぶりに再会したFさん(69歳)が会った瞬間に発した言葉だ。
Fさんは、2007年の地震の時に被災し、その後、建設された災害公営住宅に暮らしている。
Fさんは、玄関にラジオや水など必要な物を置いて、カセットコンロを暖房代わりにして椅子に座って寝ている。すぐ後ろに94歳の目の見えないお母さんが寝ていて、夜中トイレで起きる度に付き添わなくてはならないからだ。まるでお母さんを守るかのようだ。「おー、会いたかった…待ってたよ」と再会の感涙後まもなく、カセットコンロでご飯を炊き、沸かしたお湯でインスタントみそ汁、海苔、白菜漬、梅干しのフルコースを振る舞った。「美味しい。生き返ったわ。」とFさんは深いため息をついた。
食後のコーヒーを飲みながら、Fさんは語り始めた。
地震が起きてから3日間は何も食べておらず、その後、自衛隊が一回、僕たちの仲間が二回届けたわずかなお菓子やカップラーメンで飢えをしのいだという。住宅はほとんど被害を受けていないが、周りのスーパーやコンビニは閉まっていて、車が運転できないFさんは買物さえも行く事が出来ない。一度歩いてカイロを買いに行ったが、一時間かかったそうだ。このような在宅避難者には何も届いていない。
また、目が見えない認知症のお母さんの面倒を見なくてはいけないので、避難所には行きたくないという。奥の部屋をのぞかせてもらうと物やゴミが散乱し、足の踏み場もない状態からFさん地震前の暮らしぶりが垣間見える。輪島のこの地域は昨日から電気が復旧した事もあって、散乱した部屋から炊飯器や電気ストーブを探し出して玄関口に設置した。
Fさんは時に自暴自棄になる事もあるとこぼすが、「次は誰かが来ると思うと希望が見える。何かの希望がないと生きていけない。」とつぶやく。僕たちと細い糸でかろうじてつながっていた事でFさんは命をつなぎ止めた。被災地にはFさんのような見えない被災者がいるに違いない。(吉椿)
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