2019・10台風19号に関する災害支援救援ニュース No.8

 昨日19日付の神戸新聞社説は、「台風禍1週間」ということで、「生活再建に官民の総力を」という見出しのもと、「厳しい冬がくるまでに生活再建の一歩を踏み出せるよう、政府、自治体だけでなく民間も総力を挙げて支援しなければならない。」という内容が書かれていた。同感だ。そして締めくくりでは「将来の発生可能性が高い南海トラフ地震では、西日本の多くの府県で深刻な災禍が見込まれる。被災地の周辺にとどまらず、全国から救援の手が届かなければ、被災者の生活再建は見通せなくなる。」と、続けて「自然災害の広域化を見据え、支援の仕組みを築き直さなければならない。」と閉じている。

 ほんとうにこれだけ災害が続くと、しかも偶然ではなく、いわゆる常態化するような気配であるだけに深刻なメッセージだと受け止めたい。
 そこで、私は提案したい。総力戦で対処し、また備えることにプラスして「政策決定は、それにより影響を受ける市民、コミュニティにより近い 
レベルで行われるべきだという原則」である「補完性の原理」を導入する必要があると。

この補完性の原理というのは、ローマ方法ピオ11世が社会回勅で成員(国民)に発せられた内容で、同原理はその後「ヨーロッパ地方自治憲章」で条文化され、国連の「世界地方自治憲章草案」にも盛り込まれている。そしてくしくも阪神・淡路大震災のあった1995年7月、日本において「地方分権推進法」が成立した。補完性の原理とは、「個人でできることは個人で解決し、個人で解決できなければ、家族で解決し、解決しない場合は町や村で議論する。それでも解決しなければ、市や県に、それでもだめなら国に、それでもだめなら国連に」というボトムアップのしくみである、

 実はこの原理は、イタリアで実践されている。詳しくは、小谷眞男・お茶の水女子大学准教授の「イタリアにおける大規模災害と公共政策-2009年アブルッツオ州震災の事例を中心に-」という論文で補完性の原理について記されている。私が提案したいと言ったのは、日本もイタリアの公共政策に学ぶことが多いのではないかということである。先述した神戸新聞の社説で掲げた「総力を挙げて・・・・」に加えて、この補完性の原理を導入しなければならないということである。
小谷眞男さんの同論文の要約にこう書いている。
—イタリアにおける被災者援助の仕組みは、相次ぐ大災害の発生に促されるようにして段階的に発展してきた。現在のイタリアでは、一方では災害に関する全国統括行政機関である全国災害防護庁が設置されており、他方では自治体や市民社会の幅広い関与が想定されている。その両者が「補完性の原理」によって組み合わされて、社会全体に「災害防護国民サービス」のネットワークが張り巡らされている」と-。

 昨年末以来、政府は災害時の避難行動は住民主体でと言っている。これは「補完性の原理」と合致する考え方である。
                              (事務局 村井雅清)

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