2019・10台風19号に関する災害支援救援ニュース No.4

台風19号によって甚大な被害をもたらした被災地(者)に対して、政府は今年度補正予算5,000億円の支出を閣議決定した。その予備費から当面の緊急を要する被災者支援に7億1,000万円を拠出することも決めた。台風15号による対応の不十分さで批判を受けたからか、対応が早い。
 被災者の医療費免除についても検討すると国会で答弁していた。防災担当相は床上浸水の被害について「長期の浸水で床や壁の交換が必要になった場合などが支援対象になる」という見解も示している。

 さて当面の急がれる課題は、避難所の環境整備だろう。イタリア並みに良質のトイレ・キッチン・ベッドを手配し、とりあえず心身ともに疲労が限界にきている被災者に一時間でもはやく「ホッ!」とできるような環境整備に集中しなければならない。被災者の多くが高齢者や障害者であることはこれまでの災害からも容易に推測できる。絶対に災害関連死だけは出さないように最善の対策を打つべきだ。災害関連死の原因の約3割は「避難所等における生活の肉体・精神的疲労」と指摘されている。
 避難所支援チームとして保健師はじめ医者・看護師・社会福祉士・精神科医・理学療法士・作業療法士などの専門家が対応されるが、是非一般のボランティアとも連系して、ボランティアの知恵も活かしてほしい。被災者はボランティアが寄り添ってくれるだけでも「ホッ!」とされるという話をよく聞く。

 しかし、ボランティアも災害続きで財源も限界に来ている。そこで政府に要望したい。是非、積極的に支援の充実のためにも財源を手当てして欲しい。せめて被災地までの交通費や宿泊費の補助を検討して頂きたい、そして被災地までのボランティアバスの支援もしていただきたい。
 17日付朝日新聞の社説では-避難所の課題、克服を-という内容で書かれ、最後に「大変な時こそ、誰もが助け合う姿勢を心がけたい。」と結んでいる。
24年前の阪神・淡路大震災では、全国から2か月で100万人のボランティアが駆けつけて来て下さった。そのおかげで阪神間の最大約31万人の被災者は助けられた。未曽有とも言われている今回の台風19号の被災地を救うには、もう一度、あの時のボランティア現象を起こさなければ助け合うことができない。

 台風19号の被災地を心配して下さっている方々にお願いします。少しでも何かできないか?またこんなことなら出来るということがあれば申し出てください。(事務局 村井 雅清 murai@code-jp.org )

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・郵便振替
   口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
   ゆうちょ銀行 一一九支店 当座 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「2019年台風19号」と記載ください。

■クレジットカードでもご寄付いただけます。
https://congrant.com/credit/form?project_id=605

2019・10台風19号に関する災害支援救援ニュース No.3

   昨日16日の朝から長野県の被災地で活動をしている頼政代表から以下のようなレポートが送られてきました。現場は、兵庫県立大院生の湯井さん、RSYの吉林さん、長野NPOセンターの小林さん、高知市の山中さんたちと一緒に活動しています。
 早速みなさんのお力で、24年前の阪神淡路大震災から生まれた「足湯ボランティア」を始めたようです。

●午前中は、昭和の森という避難所で段ボールベットの設置を行う予定でしたが、既に避難者に配布してあるということで、設置は一部だけにして足湯ボランティアを実施しました。足湯ボランティアには、長野県立大学の学生さんも一緒に参加してくれました。足湯チームは、午後から北部スポーツ・レクリエーションパークという別の避難所に移動して実施を行いました。合計して10名程度受けてくれたということです。
足湯チームはRSYの吉林さんをリーダーに活動してもらいました。

 <以下は足湯あるいは避難所廻りでお聞きした被災者の声です。>

・り災証明のための写真を撮ってきたんだけど、これでいいのかなぁ。うまく写真が撮れなくて。家に帰るまでも道が狭くって(ゴミが出ているため)大変。家の階段の下まで水が来たんだけど、写真ではわかりにくいでしょ。
(昨日NHKのインタビューに出られた震災がつなぐ全国ネットワークの松山さんが、「写真は3か所を撮ると言われていますが、可能な限りたくさん撮った方が良い」と言っていました。

・もう家はダメなんじゃないかと思ってる。ボランティアに片付けを頼むっていっても、あれだけのゴミは難しいんじゃないか?家の玄関も大変なことになっているし。
(災害による家屋被害については、かなりのダメージを受けていても再建が可能な場合が多いので、是非専門家の方に相談されることをお勧めします。)

・ペットがいるので、ペット可のアパートでもなんでも探して住もうと思っているけど、そういうのはどこに相談したらいいか。。。こういうのもり災証明が出てからじゃないと補助を受けられないんでしょう?

・家は自分のものなんだけど、土地は借り物だからり災証明は出るのか?

・仕事にも行かないといけないから、2階だけではとても住めないし、ペットが入れる家が確保できたら安心して仕事にも行けるんだけど。

・何から手をつけていいかもわからないけど、まずはり災証明の提出から何ですね。調査も申請した順番だろうし、早めに出すことにします。

(事務局より)

 いつも災害直後はこうした被災者の声を耳にします。発災後、速やかに「なんでも相談」という窓口を設置して、出来る限り被災者に案内することが大事でしょうね。
 他方頼政代表は、数カ所の避難所を回って、役場からの依頼もあり、市の発注した段ボールベットをどのように導入するのか、ということを各避難所の運営担当者の方と相談しながら巡回しました。
昼間はみなさん、お片付けに出られている状況だったので、設置するところまではできない避難所が多かったですが、今後、長期的になる状況を考えると、ベットなどを整備していく必要があるという認識は、それぞれの避難所の担当者の方は理解してくれました。
今日17日は、支援の手があまり入っていないと思われる小さな避難所を巡回します。午後からは飯山市など長野市北部の市町村を見て回ります。

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2019・10台風19号に関する災害支援救援ニュース No.2

台風19号の被害が、日に日に増大することに言葉を失います。温暖化の影響だろうという声がある中、これからもこうした気候変動がこの列島を襲い掛かってくることを予測すると、まさにこれは「国難」だと言えるのではないかと危惧します。もちろん、政府のいう「国土強靭化」による施策を打ち出さなければならないと言う意味での「国難」ではありません。はるかにそんなものを押しつぶすような自然災害である「顔」が見えてきたような気がしてならないのです。
 さて、そんな中で長野の被災地に入った当NGOの頼政代表から、今朝早くから活動をはじめている第1報が入りました。
調査を兼ねて、避難所巡りをしており、目に入ってくる避難者の現状と丁寧に向かいつつ、ダンボールベッドを造ったり、足湯して差し上げたりという活動をしていく予定ですと。

当NGOから配信している「2019年8月秋雨前線による豪雨災害救援ニュース No.11」で、佐賀県武雄のスタッフからのメッセージにもありますが、24年前の阪神・淡路大震災で学んできた私たちにとっては、「おたがいさま」というのは、支援者の“1丁目1番地」のような合言葉になっています。長野に入っている頼政代表の頭のなかにも、この六文字は身体に染み付ているものだろと思います。
今朝の毎日新聞の余録で「災害ユートピアとは大災害に直面した人々が境遇の違いを超えて支え合う連帯をいう。」とある。24年前、阪神・淡路の被災地のあちらこちらから、「人は一人では生きていけないんだ!」「人間しとってよかった!」「次は私らがボランティアにいくからね!」・・・・と、支え合う連帯の声が飛び交っていた。あの時、これは「ユートピアじゃない、現実だ!」と興奮したことを覚えている。しかし、24年経って残念ながら「ユートピア」に終わろうとしていたかもしれない。

「もうムリだ。こらえきれない」。そんな列島の悲鳴を聞いた思いがする。」(神戸新聞、2019・10・16 正平調より)とあったが、とすると、昨年の西日本を中心に襲った豪雨災害、今年の九州北部水害、台風15号、そして台風19号と、ちょっと気を緩めた私たちに警告を発し続けているのではないかと受け止める。政府が「国土強靭化」と叫べば、叫ぶほど、この列島は悲鳴をあげるのだろう。
この「国難」を乗り越えるために、あらためて、あのときの私たち一人ひとりによる“1丁目一番地”を思い起こしたい。(村井 雅清)

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2019・10台風19号に関する災害支援救援ニュース No.1

この連休中に台風19号が、東海・関東甲信越・東北などを襲い、広域に甚大な被害をもたらしました。NHKの15日付Webニュースによると被災地域で37河川が決壊し、死者58名、行方不明15名という甚大な被害が出ています。
 このように広域の被害になりましたが、出来る限るの支援が必要なので、昨日から支援関係団体との連携を取りつつ、情報収集に努めています。
 そうした中で、被災地MGO恊働センターは、今日から長野県千曲市の被災地を中心に調査を開始します。すでに昨日からこれまで災害時にネットワークを築いてきた関係NGOやNPOが複数、千曲市周辺に入っており、地元の長野県社協との連携も取りながら、調査活動をしていきます。今回のような水害被害の場合は、とにかく水が引かなければ作業ができないので、“いざ”という声がかかった時にはすぐ対応できるように準備しておきたいと思います。

 ただ、是非8月の九州北部水害や台風15号による千葉県をはじめとした被災地のことも忘れないようにしていきたいと思います。(当NGOは、一時佐賀県武雄に出向していたスタッフが今回の台風19号支援を担っていく体制に切り替えたいと思います。)

 災害続きで恐縮ですが、当NGOも財政的には逼迫しています。どうかこれまでのようにご支援をよろしくお願い致します。
これほど災害が常態化する今、これまでの支援体制を見直しつつ、自然災害との向き合い方をも根本から見なおす必要があるのではないかと思います。
引きつづき見守って下さることを摂にお願いします。(事務局)

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