大阪北部地震に関するニュース 第5報

大阪北部地震から4日目になり、応急危険度判定が本格化したことにより住宅の損壊数が急激にあがり2352棟の上り、半壊は30棟ほど確認されました。これはまず一次判定なので、疑問に思ったりした人はぜひ市町村に申請して判定をし直してください。保険などの補償額に影響します。熊本地震でも一部損壊が全壊になったというケースもあります。

そんな中で、ガスがいまだ使えない地域があったり、部屋の片づけ、屋根へのブルーシート掛けなど復旧作業に追われています。倒壊の恐れがあり避難している人もいます。当センターでも災害発生時には連携させて頂いている大阪のゆめ風基金からの情報によると、災害時避難行動要援護者名簿が利用されなかったというのです。6月21日に配信されたニュース第4報によると、「いずれの市町も、以前ゆめ風がアンケートを取った際は、災害時には自主防災組織(町内会等)に名簿を渡すとしていました。今回はおそらく、被害が小さいのでそこまではしなくてもよいとの判断だったのかもしれませんが、震度6でも名簿を渡さないとすると、震度7でないと名簿は自主防災組織に開示しないということでしょうか?」と報告しています。

今朝21日の朝日新聞によると、「要支援者名簿5市使わず」という見出しで、20日現在で被災13市町のうち8市町しか名簿を使って安否確認をしていなかったと伝えています。また、今回の13市町村では約27万人分の名簿が作成されているとのことです。このうち3市では安否確認をしていなかったのです。記事によると高槻市を例にあげて「一方、市では災害対策基本法に基づいて障害や高齢で災害時の支援が必要とされる「避難行動要支援者」(2万2392人分)の名簿を作成している。だが地震発生から3日間、この名簿を使ってこなかった。」というのです。

避難するときに支援が必要な人たちが多くのいる中で、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?理由の一つに、東日本大震災では健常者の2倍の障害者の人たちが犠牲になり、国が避難行動要支援者の名簿を義務付けました。しかし、具体的な安否確認の手順についてのルールがないために自治体の考え・行動に任せているのが実態なのです。

ただ、もし自分の家族に災害がふりかかったら、誰でも心配で安否確認をするでしょう。そのような気持ちで、要支援者への安否確認を行うことができれば、マニュアルがなくても安否確認は行えるはずです。同朝日新聞の中で、ある自治体担当者がこう話しています。「連絡する人手も足りない。今回のクラスの災害なら名簿での確認は必要ないと考えた」と…。
災害時に支援が必要だとして名簿を提出しているのに、どうしてこんな発想になるのでしょうか?部屋のなかに食器が散乱し、ライフラインも止まった中で、どれほどの恐怖を感じたことでしょうか?「大丈夫ですか?」の一言でどれだけ安心したはずか、行政には改めて要支援者名簿の取り扱いを検討してほしいです。
(増島 智子)


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