昨日のレポートで広島県坂町の話題を提供させて頂きました。昨日元号が平成から「令和」に変わったのですが、平成時代最後の年賀状を頂いたことから、同じ坂町の小屋浦地区で出会ったNさんのことを紹介します。
私は昨年の豪雨災害後、小屋浦小学校の体育館で足湯をさせて頂いた時に、Nさんと出会いました。昨年の10月以降はなかなか足を運ぶことはできなかったのですが、その後は、時々お電話をさせて頂いたりしました。昨日のレポートを読んで、ふとNさんのことが気になりました。
そんなNさんの年賀状には「あのとき、一人で小学校の講堂で過ごしていたとき「まけないぞう」というこの言葉を素直に受け止めることができました。ありがとうございました。多くのボランティアの方々に、支えられ新年を迎えることができました。今年は夫婦力を合わせ、元の生活に戻すよう「負けないぞう」でいきたいと考えています。」という内容でした。
小学校で出会ったときのNさんは、体育館のステージの方をいつも向いており、とても静かに過ごされていました。元気がないNさんでしたが、足湯をした後「まけないぞう」をお渡しすると、顔の表情が少し明るくなったのを今でも覚えています。今は、「まけないぞう」さんを仮設住宅に飾ってくださっています。
このまけないぞうについては、何度も当NGOの機関紙「じゃりみち」や、被災地レポートでも紹介させて頂いていますが、先述のNさんの様子を拝見すると、Nさんご夫婦の支えとなっている「まけないぞう」さんって、本当にすごいな〜っと、まけないぞうさんの力を感じました。東日本大震災から8年が過ぎ、これからまだまだ「心のケア」が大きな課題であるということがマスコミにも出ていました。
Nさんのお話を思い出すと、「まけないぞう」さんが心のケアをしているんだと思いました。
被災地NGO協働センター
ボランティアスタッフ 柚原里香