平成30年7月豪雨災害レポート No.63

広島県安芸郡坂町では先日第2回目の住民説明会が行われたそうです。市内の数か所に災害復興住宅を建設予定と20ヶ所近い砂防ダムが建設予定です。復興住宅では当初予定の入居希望者が増えたそうです。この1年近くでそれぞれの思いが変わるのは当然です。砂防ダムなどの建設もまだまだ時間がかかります。
住民さんに話を聞くと、当初予定より工事の計画が伸びていて、「『いつまで』」という期間を提示してくれたらいいのに」という声を聞きました。なかなか工事が日程通り進まないのはどこの被災地でも一緒で、いつも被災者の人たちにしわ寄せがいきます。
東日本の被災地も何度も何度も工事が延期になり、8年経ったいまも仮設暮らしを余儀なくされています。
坂町の仮設暮らしの人の中には、慣れない環境で、体調を崩している人も見受けられました。再建して元のまちに戻った人もいます。ただ、隣近所も少なくなって、交流がないので、何度も「淋しい」と訴えていました。「一人だと食事もとらない時もあるからね。今日は久しぶりにこんなに話をしながら食事ができて、楽しいよ。」と話してくれました。
ただただ、いまはお話を聞くことしかできませんが、ボランティアがそばにいるだけで笑顔になれるそんな空間の大切さを実感しました。

以前、ボランティアのみなさんと全壊したお宅からお位牌と数珠を救出したお宅にもお邪魔しました。なんと自宅を再建中でした。その再建をしているのは、安佐北区の大工さんです。その大工さんも4年前の広島豪雨災害で被災した人です。今回の水害ではあの時お世話になったからと、災害直後からボランティアで床下の泥出し、仮設シャワーの屋根の設置、棚の取り付けなどなど、まさに「スーパーボランティア」として活躍してくれています。一日も早く再建させようともくもくと仕事をしていました。「自分も被災の経験があったから、こうしてボランティアをする気になったんだ。そうでなければしてないと思うよ」という言葉が心に残りました。まさに困った時はお互いさまですね。

その再建しているご自宅の隅にはお父さんが畑を作り夏野菜が実り始めていました。
被害にあった川の復旧工事は始まっていないので、お母さんからこれからの梅雨の季節を迎えるのにと、不安な声も聴きました。今回のような被害がでないことを願うばかりです。一歩一歩ですが、前に進んでいる姿も見ることができて、うれしかったです。
自宅の脇の川筋にはどこからともなく流れてきたひまわりの種が花をつけ、まるでお二人を見守っているかのように太陽に向かって大きな花を咲かせていました。

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