③「小屋浦の風景は『いま』」
竹灯籠の準備がひと段落し、お昼になりました。広島へ来たら、お好み焼きが食べたくなります。小屋浦でお好み焼き屋を再開されたお母さんのお好み焼きを食べに行くことになりました。昨年私がお会いした時は、被災されたお好み焼き兼、家の片付けをされていました。毎日の片づけ作業に追われ、一日が終わると疲れ切っている様子でした。再開をされたとお話を聞いていましたが、今回食べに行くのが初めてで、うれしさのあまり気持ちが高まります。 お店に入ったすぐの柱には、「まけないぞう」さんを飾ってくださっています。そしておかあさんは、きれいにお化粧をされており、笑顔で迎えてくださいました。私は「イカ天入りお好み焼き」を注文しました。「ここでお好み焼きを再開させたい」、きれいに磨かれた鉄板の上で作られていくお好み焼き、いい匂いとソースのジュワーのという音が食欲をそそります。お母さんの元気な顔を見ながら、おいしいお好み焼きを口にほうばります。「おいし〜!」。今日ここでお好み焼きを食べられたこと、本当に嬉しかったです。
この地域は、被害が大きかったところの一つで、現在家を解体しているところも多く、以前の小屋浦の景色とだいぶん変わってしまいました。「みんな帰って来ないかな。」とぽつりとお母さんは話されました。
(ボランティアスタッフ 柚原里香)