【東日本大震災】レポートNo.243

7月に、再び岩手県に入った増島のレポートをお届けします。
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり  
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 今回の岩手入りでは、毎年恒例となっている、盛岡にある老舗の川徳デパートさんでの「手しごと絆フェア」が今年で3回目を迎え、沿岸被災地で生まれたたくさんの手作りグッズの販売会が開催されるということで、「まけないぞう」もお邪魔しました。この企画にご尽力を頂いているのは、被災地グッズ・東京大学復興プロジェクトの似田貝香門教授です。似田貝先生は阪神・淡路大震災からずっと被災地を応援し続け、「まけないぞう」を通して、「災害時のボランティア経済圏」という論の研究をしてくれています。
 川徳さんは被災地グッズの応援をこれからも続けて下さるそうです。また、去年から協力して頂いている盛岡情報ビジネス専門学校の生徒のみなさんには、今回販売のご協力いただき、いつもとは違う活気ある会場になりました。
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 盛岡といった内陸部には、沿岸から避難したり、移住している人も少なくありません。実際に会場にも、被災者の方がたくさん来られました。お手伝いしていただいた学生さんの中にも被災された人もいました。まけないぞうを手にした人の中には、「家もなにも流され、娘は無事だったけど、あの時のことを思い出すと涙がでるわ」と涙をうっすら浮かべながら話す方もいました。いまだ癒えることのない心の傷が被災者にはあります。
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 こうして被災地のグッズの販売会をすることは、もちろん作り手さんの収入にもつながりますが、それ以上に被災者にとっては、あの時のことを忘れない、被災地を思い出してもらえる機会になります。被災地の手作りグッズを通して、被災地を感じ、被災者にとっては、懐かしいような語らいの場になります。普段はあまり人には言えない心の中にとどめている悲しい現実もここでならなんとなく話せるという場になっているんです。
 それはやはり被災地の手作りグッズは単なる商品ではなく、人々の心を癒すメッセンジャーなのです。「まけないぞう」も阪神・淡路大震災から20年余り「これは商品ではありません。被災地から被災地へメッセージを運ぶメッセンジャーなのです」と発信してきました。支援する側、される側ではなくお互いに支え合えるツールとして、「まけないぞう」は、みなさんに育まれてきました。これからもどうぞ被災地を、「まけないぞう」を忘れず応援してください。
 
 川徳デパート、盛岡情報ビジネス専門学校、関係団体のみなさん、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
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まけないぞうの一言メッセージ
 梅雨の中、縫い重ねる内に、歌詞の一部のようにつぶらな瞳のかわいい子が増えていきます。だんだんに情けが移って「かわいい、かわいい」と愛される子でありますように願い、形がくずれないように熱中する・・・。そんな時がいまに至っています。
(2014年7月1日 陸前高田市 女性)