6月に、再び岩手県に入った増島のレポートをお届けします。
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 6月6日
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久しぶりの被災地訪問ですが、明暗がわかれているそんな感じです。復興住宅に入居が決まっている人や自力再建を果たした人、いまだ仮設に残される人など、不安でいっぱいです。海では堤防が、陸地では造成が進む街並みを横目に、釜石の作り手さん訪問です。
この日は、遠野の「まけないぞう」応援団のリーダーさんと、足湯ボランティアをしていた折り紙のお二人の先生をお連れして、「まけないぞう」とつるしびなと折り紙のコラボでした。
3月以来の訪問でしたが、待ちに待った復興住宅が完成していました。明るくきれいな建物は海を見渡す高台に建築されました。ここは以前、小学校で津波の当時は被災者の方が避難していた場所です。そこを取り壊し、戸建ての災害復興住宅を建設したのです。そこにはなんと仮設時代にボランティアさんに作ってもらったベランダもお引越ししていました。かなりのお気に入りです。1枚目の写真は仮設のときに完成したものです。2枚目は現在の復興住宅です。
お部屋に入ると広々としていて、真新しいお部屋が広がります。やっと落ち着いたようです。海を見下ろせる寝室に、広いキッチンでこれなら得意のお魚さばきもできます。お風呂もフラットで段差も低く作られていました。そして、大好きな子ぞうちゃんもしっかり見守ってくれていますよ。
そして、makenaizoneのみなさんからのお手紙を持参すると、「まぁ~だ、みんな応援してくれるんだね。お手紙は孫や誰かが来た時にみせんだよ」と笑顔で喜んでファイルにきれいにしまってくれました。そして、今度はお孫さんの写真やら、津波に流されてしまった大事なご自分の結婚式の写真を「親せきが持って来てくれたんだよ」と見せてくれました。
そして、いよいよつるしびなづくりスタートです。先生に教わりながらお二人とも黙々と時間も経つのを忘れてせっせとチクチク針を運んでいます。津波からお二人はとても仲が良く親子のように、避難所の時からいつも一緒です。
あっという間にお昼の時間です。ごちそうを用意してくれていました。今はウニのシーズンということもあり、ウニやらホヤの炊き込みごはん、郷土料理のザクザク煮(煮物)など机狭しとごちそうが並びます。「みんなで食べるとおいしいね~」と80代には見えない食べっぷりにびっくりしながらも、みんなでおいしく頂きました。
そして、午後にはつるしびなの「さるぽっぽ」と傘もきれいに完成しました。
ふと気づいたら、いつも先の見えない不安からなのかは避難所の時の大変さ、辛さを何度も話していましたが、今日はなかった。やっと落ち着ける我が家になって少し気持ちが安定したのかな・・・。そう信じたい。
~まけないぞう一言メッセージ~
あの日から4年も過ぎました。まだ時々信じられない気がします。夢をみるのはいつもなつかしい家での生活です。復興もまだまだですが、全国の皆様方のご支援を頂き生活も少しずつですが落ち着いてきました。またぞうさんに出会って2年も過ぎ作るたびに表情の違うぞうさんが出来上がるのが楽しみです。そして、このぞうさんはどこに旅するのかと思うと夢が広がってきます。これからもがんばりますので、よろしくお願いします。
(2015年3月 女性 釜石市鵜住居)