「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO12

昨日の本ニュースで「被災者宅に行って、まずやることは被災者が休憩できるように、一部屋だけを集中して片付ける」というボランティアのユニークでかつ、被災者の心理を配慮したアイデアを紹介しました。偶然でしょうが、今朝(24日付け)の毎日新聞の「不安でも我が家に」という見出しが飛びこんできました。やはり、多くの被災者は「住み慣れた環境で暮らしたい。」(同紙)と願っているようです。一方で避難指示が解除されていない世帯もまだまだ多く、不安と同居しての暮らしになるようです。こうした被災者の思いを考慮すると、仮設住宅(みなし仮説)への入居という選択肢のみではなく、一部修理してとりあえず住んで見たいという(すでにこの救済制度はあるのですが)選択肢も可能にして欲しいものです。現行制度では、こうして応急修理をしてすむ場合は「仮設住宅への入居」はできないという制度なのです。被災者が一日も早く自立するとすれば、まず住まいの確保なのです。
とは言え、決断するまでにいろいろ考えることが“ヤマ”ほどあるということを理解して欲しいと願います。今日報告する広島からの現地レポートにも「暮らしに仮はない!」というメッセージを紹介しているように、どのような状態で住むにしても「仮ではない!」ということが自立の第1歩であることを受け止めたいと思います。       (村井雅清)

以下に広島で活動する増島智子からのレポートを紹介します。

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広島の被災地にきて初めて避難所で足湯をしました。本当に被災者の皆さんは連日の暑さの中と砂が堆積した悪循環な道のりを行ったり来たりして、疲れも限界を過ぎています。いまは気力でがんばっているように感じます。

今日の足湯は、坂町の小屋浦地区の小屋浦小学校の体育館でさせて頂きました。いつもお世話になっている地元のボランティアグループコミサポ広島の植木さんとゆめ風基金の会員で神奈川在住の宇田川さん、避難所改善で連携している兵庫県立大学減災復興政策研究科院生の立部さんが一緒に活動してくれました。

「こんなこともしてくれるの??」
「うわ~気持ちいい」
「昨日はマッサージで、今日は足湯でダブルで嬉しい」
「汚い足でごめんね」
「あー温かいね」
「毎日の片づけで、足がほてっているのよ。気持ちいいわ」
ととても好評でした。

ひとつ印象に残ったつぶやきですが、「ここは本当に快適ですよ。みんな優しいし、普段は3人家族だけど、たくさんの人もいるから、楽しいですよ」と笑顔を話してくれました。そして「息子がね、家に帰るってお友達にいったら、お友達がびっくりして、“お前の家は浸水したでしょ”と。そして息子は“うんそうだよ!いまは体育館が家だから、家に帰ると”というんですよ。そのくらい居心地がいいんですよ」と話してくれました。阪神・淡路から言われていることですが、まさに『暮らしに仮はない』ということですね。今回、あらためてそのことを実感しました。避難所でさえ、被災者の方にとっては、仮ではなく、そこが暮らしの場なのです。

また、女性の方では、食事について尋ねると、「毎食美味しく頂いています。残さずきれいに食べていますよ」と答えてくれました。「でも野菜が少ないんじゃないですか」と聞くと、「はいそうなんです。この間野菜はほとんど口にしていないですね。便秘になっています」と。これもまた毎回被災地で起こる課題の一つです。パンとおにぎり、お弁当など炭水化物や味の濃いお惣菜が多くて、この2週間でかなりの野菜不足になっています。

他にもボランティアに頼まず、家族だけで家の掃除や浸水した家具の運び出しをしている人も多くいるようで、ボランティア不足ではありますが、「ボランティアさんにお願いしてくださいね。」とお伝えしました。

それでも今日はごく一部のつぶやきで、もっともっと声を出せない方がいることは容易に予想がつきます。今後も各所で足湯を展開していきたいと思います。

なお、今回足湯の道具を提供してくださったのは、薬師寺の猪さんです。どうもありがとうございました。足湯用のタオルも岩手県遠野市さんはじめ全国のいろいろな方々から送られてきたものです。また足湯をするときに飲んでいただくお水は高野山金剛峰寺社会人権局さん、そのお水を入れる紙コップは、神奈川の総寺院さんなどたくさんのご支援をいただいております。

みなさんのお陰で活動できています。どうぞ今後とも長期支援が予想されますので、ご支援・ご協力の程よろしくお願いいたします。
(増島智子)

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