「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO27

避難所生活が長引くなか、足湯以外にもマッサージの方や美容院のカット、コーヒーサービス、大道芸などのたくさんのボランティアも来てくれています。
美容師さんたちは広島市内に関わらず北部や西部など遠方からも来てくれました。「広島県美容業生活衛生同業組合」の方たちが来てくれました。美容師さんも避難所でのカットは初めての方もいらっしゃったのですが、「とてもやり甲斐を感じた」という声を頂きました。

髪の毛のカットは、大好評でした。水害から1ヶ月が過ぎ、みなさん伸びてきた髪が気になり始めていました。「いつも通っていた美容室が水害に遭ってお店を閉めてしまったの、だから助かるわ~」、「この子は、月に一度髪を切りに行っていたので、よかったです。」「シャワーもできるの??気持ちいい~」「一番にしてもらおうと思って待ってたんだよ」とみなさんとても喜んでくれました。

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それにしても、被災者の方の笑顔が印象的でした。
「あ~さっぱりしたぁぁ。」「ずっと気になっていたから、よかった」などの言葉とともに、顔が明るくなり、キラキラと輝くように笑顔があふれました。当たり前の生活が失われ、これまでできていたことができなくなるなかで、その当たり前のことができた瞬間の笑顔はとても素敵でした。

避難所では、少しずつ新しい住まいに引っ越す人が出てきて、残された人は不安になっている人もいます。でも、新しい住まいからまた避難所に遊びに来る人もいます。「息子がね、Aさんに会いたがって、家にいても退屈で、Aさんは亡くなったおばあさんに似ていて、おばあさんっ子だったからね」と、Aさんにくっついて離れません。みなさん不自由な中にも、普段の生活とは変わらないような人間関係がそこにあります。
みなさん「水害前は全然知らなかったし、挨拶する程度だったけれど、避難所に来て仲良くなった人たちと、離れるのは淋しい」と話す人もいます。小さなコミュニティが出来上がっています。せっかくできたコミュニティが維持できれば被災者の方の負担も減るはずなのですが・・・。

これから、また新しい環境で生活が始まります。同時に自宅で避難生活を続けながら、土砂の撤去や家の片付けをしている方もいます。今後とも被災地に関心を寄せてください。どうぞよろしくお願いします。
(増島智子)

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