「平成30年7月豪雨」災害が発生してから、まもなく2ヶ月が過ぎる。嬉しいニュースで、愛媛県宇和島市の仮設住宅への入居が始まった。いわゆる新たな生活への第1歩を踏み出した。もう一つ嬉しいニュースがある。広島県江田島市では、市独自の支援策として床下浸水の被災者にも5万円の義援金を分配するという、これまでにはなかった自治体独自の支援も動き出したのだ。一方で、多くの被災者は今後の見通しが立たず不安のるつぼの中で日々暮らしているが、こうした話題が元気になるきっかけになって欲しいと願う。ともすれば逆効果で「取り残され感」に覆われ、より精神的に落ち込んでしまう方もおられるのが現実だが、だからこそこのような事例に見習って、他の自治体も積極的、かつ大胆な支援策を発表して欲しい。
さて、被災地はまだまだボランティアの手が足りないようだ。発災以来、当NGOは広島に拠点をおき活動を続けているが、その現場に先日来応援に行ったボランティアさんがレポートを送ってくれたので数回に分けて紹介したい。
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私は、8月18日(土)〜8月27日(火)までの約1週間、被災地NGO恊働センターさんが活動されている、主に広島県の坂町小屋浦地区や呉市でのボランティア活動に参加させて頂きました。
久しぶりに降り立った被災地は、暑いなか〝どぶ″のような匂いというか、なんとも言えない独特の匂いがまだ立ち込めていました。暑さは7月よりも少しは軽減されたかもしれませんが、日中活動をするとまだまだ大粒の汗がでてきます。そんな被災地ですが、被害が起きてから約1か月半が過ぎ、現場の風景はだいぶ変わっているように見えました。道路はアスファルトが見え、川が見え、車が通れるところも増えてきています。毎日毎日泥だしなどの活動をされて、少しずつではあるけれども今まで見えていた風景を取り戻しつつあるようです。聞くところによると、直後は1階が全部土砂で埋まっており、1階の屋根のあたりを歩いているような状況だったということから想像すると、「人間の力ってすごいな!」と思いました。
しかし、被害にあわれたお宅へ一歩足を踏み入れると、家財道具は泥まみれで、手つかずのところがまだまだたくさんあり、家の中の泥かき、床下の泥だしなど進んでないところもありました。実際に泥だしのお手伝いをさせていただきました。家の泥だしといっても、土嚢袋に土砂を入れるだけの作業だけではありません。大きい岩のような石が我がもの顔で居座っていたり、なんでこうなっているのか理解ができないように、流木が家の中まで入ってきているのを、バールを使ったりしながら取り出したり、埋もれたタンスの周りの土砂を取り除き、中に入っているまだ着れそうな服を取りだしたりもしました。そして、あるお宅では、お位牌が中に埋まってしまったからと、少しずつ掘り出して、心の中で「どうか出てきますように。」と何度も願いながらの泥だしだったりしました。「こんなものを、と笑われるかも知れませんが、私にとっては宝物のようなものなのです。」と笑いながら言われた言葉が、私の頭から離れなかったひとときでした。-続-
(柚原里香)
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